錆び壁

錆び壁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は、昨日書いた石水院に行った折に撮った土壁の写真です。
錆(さび)がいい感じに出ていたので撮ってきました。

写真に写っているのは僕の左手ですが、錆びの大きさを実感して頂けるようにと考えて、写真の中に入れました。
(画像をクリックすると拡大表示できて、質感などが良く判ると思います)

これは土が持っている錆びが自然に出てきて壁の景色となっているものです。
画像右上の方に黒い影のような染みが出ていますが、これも錆びです。



昨今、意図的に土に鉄粉を混ぜたりして赤茶色の錆を出す手法が用いられることがありますが、やはりこの自然ににじみ出てくる黒い錆びの味わいに比べると、薄っぺらく感じてしまいますね。

僕は土のことや左官のことに関しては通り一遍の知識を持ち合わせている程度であまり詳しくないので、これから少しずつ勉強していこうと思っています。

土や砂の質、水質との組合せ、下地を編む竹、竹を編む縄などなど、土も奥が深そうです。



特に、材料を見極める目を養うのが一番難しそうです。

 

 

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国宝・高山寺石水院

2/11(祝)に京都市内で打合せが終わった後、久々に京都市右京区にある高山寺へ行ってきました。

ここは石水院という国宝(しかも世界遺産)建物の中にだれでも入ってのんびりできて気安く触ることができるという、稀な建物です。
しかも拝観料もとても安い。
ありがたいことです。

 

石水院1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


僕がこの石水院に来たのは2回目。
前回は大学卒業間近の時でしたから、もう今から15年も前です。
時が経つのは早いです。

この建物が建てられたのは西暦1200年前後のようですから、現在で築後約800年経過していることになります。
すごいことですね。

もともと、明恵上人というお坊さんが後鳥羽上皇から学問所として賜った建物だそうですが、ものすごい遊び心に富んでいます。
こんな考え方の建物に触れたのは初めてです。
(15年前に来たときは自分があまりに未熟すぎて、全然そんなところを理解できませんでした)

建物を見ただけでは得心できないところが多すぎたので、また母校の図書館に行って資料を探してみようと思っています。



ちょっと見には全然判らないと思いますが、とにかく材料とその扱い方がここ数百年の一般常識からはかけ離れています。

構造材・造作材のほとんどは芯去りの非常に良質な桧が使われていて、柱などは5寸5分角の四方柾もあり、ものすごく吟味されつくしたものであるにも関わらず、柱は釘穴だらけ。
まずこの釘穴の意味がわかりません。

石水院2





上の写真は鴨居と長押のアップ写真ですが、ともにこの上なく上質な桧の柾材で、長押は平滑にかんなで仕上げられているにも関わらず、鴨居の見付面は丸ノミではつって仕上げられています。
そしてこのハツリ目を活かす為に、通常は見付柾として木取りする鴨居を、ここでは見付杢(平柾)の材料として木取りしています。

これはおそらく天井板のラフな仕上げに合わせるためだったのだろうと思いますが、この天井板の由来がきっと何かあるはずです。
天井の形や表情・使われている部屋の格などから考えても、あの材料は只者ではありません。

しかし、その由来などについてはお寺で頂いたパンフレットなどには書かれていなかったのでまた今度調べてみることにします。

しかし古典にはいつも驚かされます。
やはり木造は奥が深い。

 

 

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文字の迫力

先月末にお願いしていた、当方の新しい事務所の看板用の文字ができました。

数年前から、日本民家再生リサイクル協会の活動を通じて大変お世話になっている、美しい暮らしの舎・室生 ゆらき主宰されている芦田様から

「字が書けたので都合のつくときに来て下さい」

と2/10(火)にご連絡を頂き、胸を高鳴らせながら早速昨日受け取りに行ってきました。

そして芦田様が書いて下さった文字がこれです。


東風


 


 


 


 


 



画像だと小さくてちょっと伝わりにくいかもしれませんが、現物はすごい迫力です。
もう、昨日は嬉しさと感動とで言葉になりませんでした。

芦田様がこの2文字に込めた想いを説明してくださったのですが、それはまた皆様にお会いしたときにお一人ずつお話しますね。
(ここで書いてしまうと、ちょっと伝わりにくいと思うので)



この文字は事務所の看板だけでなく、名刺や図面用紙、封筒など様々な場所に使わせていただくことになりました。

新しい名刺も、今日スタッフと何度も協議を重ねた末、無事完成しました。
 明日以降、お会いした方々には改めてお渡ししていきますのでどうぞお楽しみに。

来週にはこの字の写しを京都へ持って行って、下の桜の板に文字を彫刻してもらいます。
(この板は伊予西条のKさんがお祝いに贈って下さった古材です。
 Kさん、どうもありがとうございます)
これまた非常に楽しみです。

桜


 


 






結局、この板は木目の表情から木裏使いとすることにしました
拡大して見ていただくとお分かりになると思うのですが、右上の方から左に向かって広がっている年輪が、まるで銀河のような景色です。

東から吹く風なら、この向きで使ってみてはどうですか?というアドバイスを芦田様から頂いて、この向きで使わせてもらうことにしました。
(最初は左右逆で使うつもりでした)



今回の名称変更に際しましては、上述の芦田様以外にも、たくさんのみなさまから応援していただいています。

みなさま、本当にありがとうございます。
心より御礼申し上げます。

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Brothers

brothers

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上の写真を見てください。
同じような巾の、同じ長さの板が2枚並んでいます。
樹種は杉です。
(静岡県産/樹齢85年の新月材)
※画像をクリックすると拡大表示できます。ぜひご覧下さい。

記事のタイトルから察しがつくと思いますが、この2枚の板はもともと1枚だったものです。
もともとは厚み10cmだった板を、厚み5cm×2枚に挽いてもらいました。

左側の板が木表側(樹芯から見て外側)の板。
右側の板は製材しない限り絶対に見えない板です。

brothers2

 

 

 




↑ 2枚を重ねて木口の断面詳細写真を撮ってみました。
年輪を見ていただくと、もともと1枚の板だったことがよく判るでしょう?
 


冒頭の2枚の板の表情(木目)を見ていただくと、もともと同じ木なのに表情が全然違うと思いませんか?

これが製材の面白さでもあり、難しさでもあるのですが、1本の丸い原木に
 ○ どこで刃を入れるか?
 ○ どんな大きさの材料をとるか?
を決断することで、木の価値が全然変わってきます。



今回は、玄関の式台のサンプルを作るために製材してもらったのですが、製材してみてから
「もしかしてこれって、製材や木のことを皆さんにお伝えするのにとってもいい材料になるんちゃうか?」
と思ったので写真を撮ってみました。

製材ってとっても面白くてワクワクする、スリル満点~♪ の工程なんですが、今年はこの醍醐味を一人でも多くの方にお伝えしていきたいと思っています。

春には静岡でまた長さ10m・樹齢120~130年の大きな原木を製材する予定で、多くの方に見学もして頂けるようにしたいと考えています。

僕がこんなことばかりやっているので、最近は大工さんやうちのスタッフに
「さとうさんはそのうち材木屋でも始めるんちゃうか?」
と思われていますが(笑)、材木屋は絶対やりません。
自分で自分の首を絞めるだけ、というのがよ~く判っていますから。

またお知らせしますのでどうぞお楽しみに。

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京都市N邸 刻み開始しました

モルダー完了1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日からいよいよ、京都市N邸の構造材の刻みが始まりました。
1月に静岡から持ってきた材料に修正挽きを行った後、モルダーで仕上げられて製材所に材料が帰ってきました。

とっても鮮やかなサーモンピンク色(?)に仕上がっていて、なんだかとてもビックリです。
( ↑ もちろん、良い意味で)

 

背割り

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上の写真は、通し柱に背割りを入れている作業中の大工さん。
今回の現場の刻みは、この大工さんにお任せしています。

今朝は3時間くらいかけて、じっくり大工さんと仕口や継ぎ手などの細かい仕事の方針について、まず打合せを行いました。
隣で話を聞いていた製材所の専務さんも途中で話しに加わったりしながら、ボチボチ進めていきます。

 

モルダー完了2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この写真は一旦モルダーという機械で荒削り(と言っても昨今はこれで最終仕上げの場合がほとんどですが・・・)が完了した2階の床梁です。

おとなし~い上品な表情の6Mの梁と通し柱です。
見ていてうっとりしてしまいます。
樹種は全て杉ですが、赤身の部分が大きくて魅力的です。

また進行状況を随時ご報告します。

 

 

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車椅子利用者を想定した洗面ボール

昨日は西宮市内に2世帯新築住宅を計画中のYさん+Kさん親子(←あやうくKYさんと書きそうになりました。汗)と一緒に、大阪市内のABC商会さんへ一体成型型の洗面ボールを見に行きました。

数年前からこの商品をカタログで見て知っていたのですが、実物を見るのは初めてです。
材質は人造大理石でした。


洗面ボール1


 


 


 


フォルムが独特なので、最初は
「これってどうなん?」
と、ちょっと斜に構えたような見方をしていましたが、ショールームの女性の方が説明をしてくださったおかげで、この形になっている理由が良くわかりました。

この形は見た目のデザイン優先で作られているものとばかり(僕が勝手に)思い込んでいたのですが、実はそうではなく、人間工学に基づいてつくられた形なんだそうです。

いろんなディテールについての説明を受けて、なるほどなぁ・・・と感心してしまいました。

この商品、実は価格もお手ごろでなかなか良いです。



いろんな形の商品があって、比較しながら見せてもらいました。


洗面ボール2 


 






今回見た中で、性格が異なる2機種が最終候補として挙がり、
「どちらにしようかなぁ・・・」
とKさんが頭を悩ませていました。

ひとつは、今使いやすい商品。
もうひとつは、5年後くらいにはこっちの方が使いやすくなるかも・・・という商品
( ↑ お体の具合の都合です)

そこでひらめいた僕は
「今回は2世帯住宅ですから、1回にこれ、2階にそっちの商品をそれぞれ設置して、将来状況が変わってきたら1階と2階の洗面台を入れ替えたらどうですか?
そうすれば工事費用はかかるけれど、商品はそのまま使えますよ」
と提案。

そうしましょう~♪ ということに落ち着きました。
2世帯住宅も結構面白いかも、と感じました。

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ありがとうございます

最近、日に日に強く感じるようになってきています。
まわりの皆様が自分を助けてくださっているということを。

 ○ 自分が何かをしようとすると、それを支えてくれたり、
   応援しようとしてくださる方が現れること
 ○ 絶妙なタイミングで会うべき人に出会えたこと
 ○ 自分が意図していない方向に話が進んでいって、
   結果的にはそれでものすごく救われたこと

などなど。
本当に挙げだしたらきりがありません。
ちょっと怖いぐらいです(笑)。



ここ数年、静岡で林業や木に(以前以上に)深く関わるようになってからよくわかるのですが、100年以上も昔に自分の先祖が木を植えてくれて、その後代々丹念に木を育ててきてくれたからこそ、僕は今普通では考えられないような破格の条件で、素晴らしい材料をクライアントに提供することができています。

このことについては、今の現場を進めていくうちにデータが蓄積されて、もう少し全容をわかりやすく皆様にお伝えできるようになると思いますが

 ○ もし僕が自分の両親の子供として生まれていなかったら・・・
 ○ もし僕が高校生のとき、半ば不純な動機で(笑)関西に行くことを
   決めていなかったら・・・
 ○ もし僕が就職するときにあの社長に出会えなかったら・・・

今の自分はいませんし、静岡での取り組みもできていませんし、クライアントの皆様にも今のような建物を提供できていませんし、こんなブログを4年以上にわたって書き綴ることもできていません。

そう考えると、自分が今ここに立っていられること自体が奇跡なのだとしか思えません。
(いや、本当に。)



上記のことはほんの一例ですが、いつもまわりのみなさまが後押しして力を貸してくださっていることをひしひしと感じます。

自分1人にできることは本当に限られていますが、自分はその期待に応えられているだろうか?と考えると、立ち止まっていることもできなくなります。

しかしあせらずじっくり取り組んでいきます。
そして自分が受けたものをきちんと世の中に還元し、貢献していかなければならないと強く思っています。



なんだか道徳じみた、しかもとても個人的なことを書いてしまってすみません。

でもたくさんのみなさまに、とにかく心からお伝えしたかったので今日は書いてみました。



ありがとうございます。

吉野に行ってきました

昨日、スタッフ2人とともに吉野へ行ってきました。
全く、このところ木の話ばっかりですね(笑)。
すみません。

吉野中央木材株式会社さんのサイトを拝見し、構造材の乾燥への取り組みについてのお話を伺いたくて行ってきたのです。

専務の石橋さんが丁寧に工場を案内してくださいました。



ここでは書けない企業秘密の取り組みのいくつかを惜しげもなく見せてくださり、感謝×感謝!です。

桧はもともと保有している水分量が少ないこともあって乾燥はわりと早いのですが、杉の乾燥は個体差も大きくて乾燥にも時間がかかるので難しい。
で、僕は桧よりも杉が大好きなので悩ましい・・・という訳です。
吉野中央木材株式会社さんでもいろんな苦労・工夫をされているのがよくわかりました。

僕が一番知りたかったことにも親切に応えてくださいました。
他社では吉野中央木材株式会社さんのようなやり方を見たことがなかったので大変参考になりました。

やはりいろんな現場を見せて頂くと知恵が広がります。
石橋さん、本当にありがとうございました。

今年の春からとりかかる昨秋伐採した杉の乾燥には、自分なりに咀嚼してぜひ新しい取り組みを試してみたいと思っています。



【お知らせ】
事務所名を
サトウ都市環境デザイン → 木造建築 東風(こち)
に名称変更しました。詳しくはこちら

 

 

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東風

今日は立春です。

皆様、昨晩は太巻きを食べられましたか?(笑)
( ↑ 関西出身の方は、これが昔からの全国的な風習だと思っていらっしゃる方が結構多いようですが、違いますよ♪
 東日本から来た僕も、最初は「何これ?」とびっくりしました。)



本日より、サトウ都市環境デザインは

  木造建築 東風(こち)

と名称を変更します。



年末にじっくりスタッフとこの名前を考えて内定し、
その後内々でいろんな方にご意見をお伺いし、
お正月の年賀状で「改称します」ということを発表しました。

その後たくさんのみなさまから温かい応援のメッセージを頂いております。
どうもありがとうございます。



新しい事務所の看板の字を書いて下さる方とそのご家族のみなさまにも、とってもいい名前ですねと褒めて頂き、とても嬉しく感じております。
(新しい看板はみなさまのご協力を得て、ゆっくり製作しています。
 今しばらくお待ち下さい。)

【 東から吹く風 】
という名に恥じないように、今後もより一層皆様のお役に立てるよう励みます。

スタッフ共々、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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板の製材

先週、また製材所に行ってきました。
僕は製材が大~好きなのです♪

今まで見えなかった木の木目や表情が一瞬で目の前に現れてくるスリル。
自分の想像を裏切って、より美しい目が出てきてくれる瞬間。
もう楽しくて仕方ありません。

今回は板材の製材です。
今週の木曜日(2/5)から構造材を刻み始めることになっている、京都市N邸の玄関式台に使う板の厚みや巾を決定するために、いつもの西本製材所へ行ってきました。



今回挽いてもらったのは、下の杉の板です。
巾は一番狭いところで450mmくらいありました。

式台1






原木から板に製材したのは昨年の7月初旬です。
それから約半年間寝かせて乾燥させました。

乾燥に伴って木は割れたり反ったりします。
この板も素性はとってもおとなしい木なのですが、やはり少しだけ反っていましたので、その反りを落として平滑に面を出すために摺り直し製材をしてもらいました。

製材後、いろんな方向に向けて置いてみてスタッフと検討した結果、下のような感じで使うことに決定しました。

式台2


 


 


左が根元方向(立ち木の状態では下)、右が末口方向(立ち木の状態では上)です。
画像をクリックして拡大表示すると、木目も確認していただけると思います。



この板は杉で柔らかいので、足ざわりは温かみがあって優しいのですが、その反面、傷がつきやすいという欠点があります。

その点を補うために、実はこの板をチョウナではつって化粧ナグリを施そうと考えています。
ナグリ目は人によって好みがあるので、見本を作ってNさんに見て頂いてご了承を頂けたら施すことになります。



杉のナグリの式台は一般にあまり見かけませんが、なかなか味があります。
それから、ナグリ目がつくと、少々傷がついても目立たなくなりますので、使う上で神経質になることもありません。

ナグリ加工は京都市上京区の銘木屋さんにお願いしようと思っていますが、その工程はまたブログでご報告しますのでどうぞお楽しみに。



いつもこのブログを読みに来て下さってどうもありがとうございます。

いよいよ明日は立春。
うちの事務所名も明日から東風(こち)に変わります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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