月別アーカイブ: 2009年3月

地盤調査

サウンディング


 


 


 


 


 


 


 





 


 



昨日、西宮市内で今年着工予定の現場にて、スウェーデン式サウンディングというやり方の地盤調査を行いました。

地盤調査の方法にはいくつか方法がありますが、木造住宅など自重が軽い建物向けの簡易な地盤調査方法としてよく用いられるのが、このスウェーデン式サウンディングです。

スウェーデン式サウンディングというのは、尖ったステンレス製のキリに100kg前後の荷重をかけたまま、キリに回転を加えたときにどのくらいのスピードで何センチくらい沈んでいくか?という沈むスピードとそれに要した回転数から地盤の固さを推測する、という調査方法です。



今回調査を行った敷地は西宮市内でもわりと東寄りの地域で、近くには武庫川という大きな川が流れています。

よって、地層の形成期にはその川の流れによってできた扇状地だった可能性があるので、おそらく砂地だろうと思われます。
(サウンディングではサンプルを採取しないので、測定データから推測はできても確実なことはわかりません)



木造住宅程度の軽い建物の場合はこのサウンディングという簡易な調査方法が一般に良く用いられるのですが、その理由は調査費用の安さです。

サウンディングに要する調査費用は、大体3-5万円程度です。
(調査ポイント数が増えれば少しアップしますが・・・)



一方、地下地盤のサンプルも採取して、もっと詳細な調査を行う必要がある場合にはボーリングという地盤調査を行います。

ボーリング調査を行うと、下の写真のように地中の地層を構成している土や粘土・砂などのサンプルも採取できます。

ボーリング1










↑ こんな箱に採取資料が納められてきます。
  ふたを開けると・・・↓



ボーリング2












こんな感じで各地層の構成材が瓶詰めにされて届きます。



一般に、鉄筋コンクリート造や鉄骨造など、比較的重い建物を建てるときには、このような地盤調査が必要とされるのですが、調査が丁寧な分だけやはり割高で、1ポイントあたり15-20万円くらいかかります。
(価格は調査ポイント数や深度によって変わります)

地盤調査にも目的と精度によっていろいろあるんですよ。

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hana

今朝は久しぶりに、このところずっと行けていなかった早朝の散歩に行ってきました。

先週から根を詰めて続けている構造計算作業などに追われて、なかなか心の余裕が無かったのですが、ようやくそれも終わりが見えてきたり、他の業務も少し山を越えかけたりしてきたので、今朝ふと

「きょうは散歩に行こう!」

という気分になり、行ってきました。



散歩といったって、近くの公園まで行って池の周りをぐるっと一周してくるだけの道なのですが、行ってみてビックリしました。
植物の表情が全然違うんです。

春だから当たり前なんですが、いろんな花があふれんばかりに咲いていました。
今は雪柳、南京桃、菜の花などが満開です。

ソメイヨシノは今にもつぼみを広げそうな雰囲気で、丸々太ったつぼみが
「咲くで、咲くで~」
と言っているかのようでした(笑)。

銀杏はもう若葉が出ていました。
ケヤキの新緑も楽しみです。

エネルギーのほとばしる花たちを見ていると、
「毎日仕事に追われて自分は植物の変化にも気付かなかったのか・・・」
と何だか軽いショックを受けてしまいました。



昨日は室生のNPOゆらきの芦田様から、こぶしなど春の花を愛でに室生へおいで下さいというお誘いのお手紙を頂きました。
(芦田様、ありがとうございました)

昨晩は札幌で花屋をやっている弟から電話をもらいました。

そして何と言っても、昨日のWBCのイチローには華がありました。
侍Japanの優勝には勇気付けられ、とってもすばらしいエネルギーをもらいました。



いろんな hana に接し、春なんだなぁと感じています。

河豚とウミウシ

BlogPaint


 


 


 


 


 


昨日の日曜日に仕事をする代わりに、土曜日に休みを取って息子と神戸に行って投げ釣りをしてきました。

暖かくなってきたのでこれからまた釣りに行く機会が増えてくるでしょうね。
うちから最寄の海までは車で30分くらいあれば着くので、わりと気軽に行ける遊びです。



当日はと~ってもいい天気で、ベタなぎでした。

こんな日に船で沖に出たら気持ちいいだろうなぁ~と、ヨットでクルージングしている人を横目で見ながら、波打ち際で投げ釣り。

二人ともとっても下手くそなので、結局大物は釣れませんでした。
この日針にかかったのは、3匹のフグと、なんとウミウシ!

ウミウシを最初に釣り上げたときは、単なるごみだと思いました(笑)。
でもモニョモニョ動いているので、
「なんやこれ?」
と思いながらとりあえずバケツの中に入れてみると、やおら体を広げ始め、ついには触角(?)を2本立ち上げ出し、へぇ~ウミウシやんかとわかりました。

ちょっとわかりにくいですが、冒頭の写真の青丸の中にいるのがウミウシです。
画像をクリックして拡大して見ても良くわかりませんね(笑)。



ちょっとしてから、息子と話をしてフグもウミウシも放してあげようということになり、ウミウシを波打ち際の砂の上に置いたら、こんな状態(↓)になりました。

ウミウシ


 


 


 


 


 


 


 


 





釣り上げたときもこんな状態で針に引っかかってきたのですから、これじゃあごみと間違えられてもしゃあないやん、って思いませんか?

で、帰ってきてからなんていうウミウシなのか調べてみようかと思って検索したら、ウミウシってメチャメチャたくさんの種類があるんですね。

ウミウシ図鑑.comというサイトを見つけたんですが、2秒で調べるのを挫折しました(笑)。

宣伝ではありませんが

あらかじめお断りしておきますが、これは宣伝ではありません。
頼まれたわけではありませんが、自主的にご紹介するだけです。



ただ単純に、偶然下記サイトを見つけて何気なく読んでみた所、

「これは決して最高の商品ではないけれど、この価格でこの内容なら安いやん!」

と感じたのでご紹介しようかと思い、書いています。



こちらのサイトで広葉樹のダイニングテーブルを販売されていますが、

○ 価格が良心的
○ 純粋な1枚板ではないが、それに近い風合い・品質が確保できている作り方
○ 実物を見なくても商品の品質がわかる

という点でなかなかお勧めできる商品だと思います。



一枚板のダイニングテーブルが欲しいけれど価格が高くて手が出ない・・・という悩みはみなさんお持ちだと思いますが、そんな方は一度参考に DoiMoi さんのサイトを覗いてみては?

僕はセラウッド塗装というのに興味を持ちました。
ちょっと調べてみようかと思います。

 

 

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オークション

今、東京都在住の友人の自宅購入&リフォームの相談に乗っているのですが、面白い情報を得たのでご紹介します。



ご存知の方も多いかもしれませんが、Yahoo!オークションなどでシステムキッチンやユニットバス、洗面化粧台、便器などが安く購入できるのです。

新品はもちろんありますが、モデルルームで使っていた中古(新古?)品などが格安で流れているものもあり、住宅設備を安く購入したい方には使える情報だと思います。

興味のある方は覗いてみて下さい。
工務店さんには嫌がられるかもしれませんが、有効なコストダウン手法だと思います。



注意点は、設計段階で設備機器を入手しておいて、着工前には現物を全て揃えておくこと。
着工してから探すと、あとで変更が必要になったりうまく納まらなかったり追加工事費を請求されたりして、きっと大変な目に遭います。

コンテナハウスなど保管用の短期倉庫を確保して、入手した機器をきちんと保管しておく準備を忘れずに。



上記の友人は都内で木造2階建ての中古住宅の購入を検討中です。

1階を自分たちの自宅にして、2階部分を賃貸住宅として活用するというプランを作っているのですが、最近この手の相談をクライアントの皆さんから聞くことが増えてきました。

アパート・マンション経営者向け住宅ローンなどの金融商品もあって、30年前後の長期返済が可能な環境も整っているようですね。

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墨付けと i – ro – ha

これまでにも何度かお伝えしていますが、今、兵庫県三田市内で墨付け作業を行っています。

墨付けというのは、構造材を刻む前に、その刻む加工の線を書いたり、通り芯という基準の線を材木に書いたりする作業のことを言います。



一般に木造の世界では、X軸Y軸を
  いろはにほへと・・・
  123456・・・
という番号を打って座標をつくり、各柱や梁などの構造部材の位置を
「【へ】の【1】番」 とか 「【い】の【5】番」 などというように表します。

なぜか、【あいうえお】の順ではなく、【いろはにほへと】、なんですよね。
慣習的に。



ちなみにこれは木造の世界に限ったことで、ビルなど鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物の場合は、【いろはにほへと】 の代わりに 【ABCDEFG】を使うことが多いです。

もうここまでいってしまうと、味わいもへったくれもない、という感じですが(笑)。



そんなわけで僕は、いろはにほへと・・・には割と身近に接する機会が多いのですが、今回墨付けをお願いした大工の西田さんはちょっと違いました。

 いろはにほへと・・・ではなく、
 以呂波耳本へ止・・・なんですよ。

僕には初めてのことだったので、これには最初ちょっと驚きましたが、なかなか味わいがあって良いものですよ。

ちなみに西田さんは40代前半のまだ若い大工さんなので、親方に教わったからそのままのやり方をしているだけだと思います。
別に尋常小学校でそのように習ったから、というのではありません。



下の写真がその墨付けが終わった材料です。

いろは

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

蛇足ですが、【いの1番】というのはこの建築用語が語源のようです。

【い】通りの【1】番にある柱は、建て方の際に一番最初に立てられるケースが多いことから、「何をさしおいても、真っ先に」という意味で使われるようになったとか。

 

 

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葉枯らし完了

先週末(土曜日)から、また静岡へ行ってきました。

今回は所用があって東京にも寄っていたので長くなってしまったのですが、3/14~18朝まで出張でした。
昨日の朝、3トントラックを自分で運転して、木材を積んで帰ってきました。

↑ 普通、建築家はこんなトラック運転しませんよね?(苦笑)
でもいいんです ♪
僕はこんなんが大好きなので。



静岡での用事は色々とあったのですが、その中の一つは昨秋11月下旬に伐採した約500本の木材の葉枯らし状況の現場確認です。

下の写真の通り、伐採現場(標高900m、斜度40-50度!の北斜面)にはたくさんの杉と桧が横たわっています。

葉枯らし1

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これらの木は全て昨年(2008年)の秋に伐採されたものです。
伐採後4ヶ月経過しているのですが、まだ葉は青々としています。

下の写真を見ていただくと、本当に枝葉がついている様子が良くお分かりになると思います。

 

葉枯らし2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

なぜ伐採後4ヶ月も経過しているのに葉がまだ青いのか?
それは木材の中に保有していた水分が、まだ使われずに残っているからです。

でも、伐採時には潤いたっぷりだった木材も、保有水分を消費して、樹芯の色がかなり変化しています。



下の写真を見比べてみてください。

左が昨秋の伐採直後に撮った写真(2008年11月21日)
右が4ヶ月の葉枯らし期間を経過した現在の状態(2009年3月17日)です。

 

2008伐採葉枯らし3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


木口に油性マジックで書いた番号「211」も風化して消えかかっています。

 

水を断って、さらに光合成させるなんて残酷なように思いますが、こうすることで木材のもつ生命力をさらに引き出し、色艶もよく耐久性の強い材料に仕上げることができます。

その方が木も喜んでいると思いませんか?



上の写真に写っている211番の木は、年輪を数えてみたところ樹齢129年でした。

ということは、発芽したのは西暦1880年のこと。
明治政府樹立とほぼ同時に発芽した木です。

伐採した木口部分の太さは約80cmもあって、今からどんな部材になるか製材が楽しみです。




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【私の家づくり】最新号に掲載されたようです

私の家作り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

大阪府で2007年の春に竣工した新築伝統構法の家のTさんより、昨日連絡を頂きました。

どうやら昨日(3/12)発売の上記の雑誌最新号にTさんのご自宅が掲載されているようです。



掲載されるようだ、ということはTさんから聞いていたのですが、その後編集者さんからも何も連絡がなかったので
「どうなったのかなぁ・・・?」
と思っていたところでした。

本屋さんに行って早速見てみたいと思っていますが、時間がない・・・。
明日からまた静岡~東京~静岡と出張で、水曜日あたりまで出っ放しなのでバタバタしています。

誰かに頼んで買ってきてもらおうかな。

 

 

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もしかして桧か・・・?

一昨日まで確定申告関連資料の整理に明け暮れていました。

毎年溜め込んでしまってこの時期に苦しむのです。
「普段からちゃんと少しずつやっておけばいいのに」
とまわりから言われているのですが、なかなか・・・。

昨日ようやく領収書の整理とデータ入力が完了し、会計事務所さんにデータをお渡ししたので僕はとりあえず一安心です。
(Tさん、ぎりぎりになってしまって申訳ありません・・・)



そして昨日はまた刻みの現場へ行って柱の木出しをしていたのですが、昨日は花粉症がひどかった!

僕は例年に比べて今年は症状が軽かったので甘く見ていたんですが、昨日は製材所でくしゃみが止まらず、目も痒くて困りました。

帰ってきてから思い至ったのですが、もしかして昨日あたりから桧花粉が始まったのでは?なんて思ったり。

昨年もそうだったんですが、杉花粉よりも桧花粉の方が僕は症状がきつく出ます。
みなさまお大事に。

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案ずるより産むが易し

今週月曜日に、久々に起り(むくり)を決定するための原寸図を描きました。

起りというのは、屋根面につける微妙な曲がりです。
関西地方では昔から屋根の垂木(たるき)を少~しだけ山なりになるように微妙なカーブで曲げて施工することで、建物の表情を柔らかくします。

下の写真は兵庫県伊丹市内にある旧岡田家・石橋家という文化財の屋根の写真です。
起りがわかるようにと思って撮影してみました。
画像をクリックして拡大表示してみていただくと、起っているのが良くわかると思います。

起り


 



 


 


 


 





お寺などでは逆に凹んだ形の反り(そり・てりと言います)をつけます。



先日もブログで紹介したように、うちでは原寸(1/1=実物大)の図面をしょっちゅう描くのですが、屋根の垂木の起りを決定するための原寸図はまたちょっと別です。

なにせこれだけは、本当に屋根と同じ大きさの絵を描かなくてはなりませんので、広い土間にベニヤを十数枚敷き並べて、大工さんと一緒になって墨壷を使って描いていきます。

今回は長さ7mの垂木をどれだけ曲げるか?という曲線を決めるための原寸だったので、ベニヤを16枚並べて4m×8mくらいの大きなキャンバスをまずつくり、そこに実際の建物の屋根と同じ大きさで小屋組みの略図を描いていき、木材をぎゅーっと曲げて曲線を出し、実際に建った時の起りの見え具合を確認しながら決定しました。



今回の屋根では120mm×60mm という通常の倍くらいの太さの垂木を使うので、曲がり具合(=美観)を確認するという本来の目的以外に、この太さの垂木がホンマに曲がるんか?というところを確認することも大きな目的でした。

僕も大工も、実際に垂木を曲げてみるまでは
「絶対曲がらんやろ・・・」
とあきらめていました。

なにしろ、真っ直ぐな材料を曲げるのではなく、逆反りした木を無理やり反対に曲げるのですから。

でも、実際やってみなくては判りません。
長さ8000mm×120mm×60mmの垂木(樹種:杉)を車長3.5mの軽トラックの荷台に載せて運び(←さすがに公道は走っていません。製材所の敷地内のみです)、先術の原寸を描いた場所でギューっと押さえつけて曲げてみました。

なんと!実際やってみると、曲がります。
「おお~っ!」
とビックリしました。

やはり、
「案ずるより産むが易し」
です。

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