月別アーカイブ: 2007年10月

レポート作成しました

いよいよ今週末から、静岡で今年の新月伐採が始まります。

それに先立って、前々から 「作っておかねば!」 と思っていたレポートをやっと完成させました。
その内容は、

 〇 なぜ新月伐採・葉枯らしを行うのか?
    (新月伐採って何?、葉枯らしって何?)
 〇 なぜ材木屋から製材品(角材)を買うのではなく、
    わざわざ山へ入って丸太の原木を買うのか?
 〇 なぜ静岡なのか?

伐採

 

 

 

 

 




ということについて、昨年の春以来僕が現場(=山)で見聞きしたことなどに基づいて、独自の見解でまとめたものとなっています。
ご自由にダウンロード・閲覧が可能ですから、興味のある方はご覧下さい。

こういうことを広くみなさんに知っていただくことで、日本の林業界の発展・理解に少しでも寄与できれば嬉しく思います。

ダウンロード・閲覧はこちらをクリックして下さい
(別ウインドウが開きます)

言うまでも無いことですが、もちろん無料です。

 

 

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久々の更新です

ごぶさたしております。
ブログの更新がすっかり滞ってしまい、申訳ありません。

実は、先週初めに静岡から帰ってきたら、僕以外の家族全員インフルエンザにかかってしまい、えらいことになってしまっておりました。
僕だけは何とか持ちこたえていたのですが、最終的には感染してしまい、土・日・月と頭痛に苦しめられていました。

しかし今日からは無事業務に復帰しております。

そんなインフルエンザが発症する直前(10/26・金)、丹後の民家を店舗に改修する現場へ行っていました。
この日は関東に台風が来た日で、その影響かどうかわかりませんが、丹後でも昼ごろにとんでもない雨が降って雷が鳴り響いていました。

土間コンクリートの打設が完了し、不同沈下した柱のジャッキアップも完了し、床組みに着手していました(下の写真参照)。

いよいよ民家再生らしい雰囲気になってきました。

夕方、丹後の現場を後にして神戸へ。

9月に竣工した現場に薪ストーブを設置するための置台が作られていました。
工事の職人さんや監督さんは帰られた後でしたが、こちらのお宅の子供たちが茶目っ気たっぷりに迎えてくれました(笑)。

ここまでは大丈夫だったんですよね。

でも、このあと家に帰って、寝て起きたら頭が割れそうで熱が上がってきてえらい目に遭いました。
インフルエンザなんて、最後にかかったのがいつだったかもう覚えていません。
でも、あんなに苦しい病気だったんですねぇ~。

(ちなみに僕が感染したのはA型だったそうです。
検査をして下さった耳鼻科のお医者さんが
「お~、きれいに反応がでとるわ」
と感心していました)

恐怖の薬剤・タミフルを4錠飲みました(←もちろん、一気にじゃないですよ)

「何か起こるか!?」

と我ながら少し興奮しましたが、無事何も起こらなかったようです。

来年からはちゃんと予防接種受けようかなぁ・・・。

静岡へ行ってきました

先週末、静岡へ行ってきました。

中学時代の同級生の結婚式へ出席するのに合わせて行ったのですが、11月に伐採する山の下見と打ち合わせをするためです。

(結婚式では懐かしい面々に会うことができました。
友揮、加奈子さん、おめでとう!)

上の写真は、11/3から伐採を行う現場です。

ここは僕の曽祖父が植えた山だそうで、植林後約90年経過している山です。
今回伐採してくれるのは僕の従兄弟なので、木を植えてから伐採するまで4世代に渡って手をかけていることになります。
(曽祖父→祖父→叔父→従兄弟の4代)

今回は皆伐(※)するのではなく、間伐(※)を行って木材を出すので、まだ今後も残った木は生長し続けます。

従兄弟とは、
「これからきちんと残していって、200年生ぐらいの山に育ってくれたらうれしいね」
ということも話しました。

(※) 皆伐/かいばつ・・・立っている木を全部伐ってしまうこと
間伐/かんばつ・・・木を残しながら間引き伐採をしていくこと

山で拾った杉と桧の葉っぱです。

立体的に葉が生えている左の葉っぱが杉。
茶色い実がついていてぺたっとした平面的な右の葉っぱが桧です。
(全ての画像はクリックすると拡大表示できます)

上述の山とは別の場所ですが、静岡市内のもう一ヶ所の山で今回同時に伐採します。
その山も今回見てきました。

この山の土壌は栄養分が高く、うちの従兄弟の山よりも育ちが早い環境でした。
土壌の違いに起因するものでしょうが、おなじ静岡市内の杉とはいえ、樹芯の色が全く違っていたのが興味深かったですね。

冒頭でご紹介したうちの従兄弟の山は安倍川(あべかわ)流域の谷にあるのですが、こちらの山は藁科川(わらしながわ)流域の谷にあります。

藁科川流域の杉は夏に見学に行った、天竜杉の色にそっくりでした。
一山超えるだけでこんなに違うものかと驚きました。

これは枝振りがとても美しい桂の木です。

川のそばの生態系を守る目的で整備している水辺林(みずべりん)という林の入り口に立っています。

この水辺林を川に沿って少し上っていくと、山葵田(わさびた)がありました。
下がその写真です。

山葵田というと、「田んぼのようなところか?」と思われそうですが、実際はそうではありません。
サワガニが大喜びしそうな、チョロチョロと浅い水が流れる川床を細かい砂利でつくってやり、そこにわさびを植えている畑という感じです。
この山葵田にもサワガニが顔をのぞかせていました。

静岡市内の山中では山葵田を割とよくみかけますが、他の地域ではなじみが薄いでしょうね。
僕は静岡出身(かつ山葵が大好物)なので、山葵田を見るとうれしくなってしまいます。

実は、僕は7年前(西暦2000年)に独立した当初から、

「家を建てる建築主の方にぜひ山で木を伐るところから立ち会っていただいて、その木を使って家を建てたい」

と考えていたのですが、7年かかってようやくそのプロジェクトに着手できるようになりました。

そして今回伐採する木材は一般的にはほとんど知られていないのですが、質がとても良い木材なので自信を持ってお奨めできます。
( ↑ 当然、数には限りがありますが)

もっと広く、静岡の良い木材をみなさんに知っていただきたいという気持ちと、あまり有名になりすぎてもたくさんご提供できないので秘密にしておきたい(笑)という気持ちが入り混じっていますが、見ていただければその良さは一目瞭然です。
現場に来ていただいた方にはきちんとご説明しますのでどうぞお楽しみに。

下記サイトでお知らせしているように、新月伐採の現場を見学していただける機会を設けていますが、今回の見学会に関しては正直あまり力を入れて宣伝しておりません(笑)。

なぜなら、実を言うと本当に大切にしてくださる方だけにしかご紹介したくないものだからです。

今回も、京都からわざわざクライアントのNさんが静岡の伐採現場まで足を運んでくださるのですが、Nさんがゆっくりと林業家と話をしてもらえる時間もとりたいので、その日はNさんだけをご案内することになっています。
( ↑ 見学会とは別の日です)

なんだかすごく贅沢なようですが、年間2棟分しか採れない木を使っていただくのですからこれは当然のことです。
きっとご満足いただける、かけがえの無い家をご提供できると自負しております。

今年伐採する木材はあと一棟分残っておりますので、興味のある方はどうぞお早めに。

【お知らせ】
11/3(土・祝)に静岡市の山で
新月伐採現場見学会を開催します。
詳しくはこちらをご覧下さい。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

滋賀・三井寺唐院の建具

先週のことですが、滋賀県大津市で近々新築住宅の提案を行う予定の現場を視察に行きました。

現場へ行く前に条例関係を確認しようと大津市役所へ行ったのですが、ちょうど昼休みに差し掛かってしまい、時間が空いたので近くの三井寺(みいでら)へ立ち寄りました。

三井寺へはかねがね行ってみたいと思っていたのですが、機会に恵まれず今回が初めてです。

現在、金堂(国宝)の修理が行われている最中で、外部には仮設の素屋根が掛けられていましたが、中は拝観することができました。

その後、同じ三井寺内にある唐院潅頂堂という建物に差し掛かった折、とても粋な建具を見かけました。
下がその写真です。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

柔らかな表情を出すためにわざと太目に作った桟と、繊細な七宝の透かし彫りとの対比が生み出す緊張感、そしてアクセントに菱形に胡粉を塗った軽快なデザインが絶妙ですね。
蝶番にもきちんと心配りがなされていて、ため息が出そうです。

素晴らしいセンスです。
恐れ入りました。
脱帽。

三井寺には、光浄院客殿と勧学院客殿という名建築(ともに国宝)があるのですが、事前申込をすれば拝観許可が降りるということを初めて知ったので、近いうちにぜひ申し込んで拝観させて頂こうと思っています。

一緒に行きたい方、いらっしゃいましたら、さとうまでメール下さい。
( ↑ ちなみに、3名以上のグループでないと受け付けて下さらないそうです)

【お知らせ】
11/3(土・祝)に静岡市の山で
新月伐採現場見学会を開催します。
詳しくはこちらをご覧下さい。

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世界に、300年先も美しい風景を

高貴寺

昨日、大阪府南河内郡河南町にある、高貴寺(こうきじ)というお寺へ行ってきました。
このお寺の住職と副住職が日本民家再生リサイクル協会の会員なのですが、今夏に行われた協会主催のイベントの際に、
「高貴寺の境内が広すぎて&人材不足でなかなか手入れが行き届かず困っている」
ということを聞き、有志15人が集まって奉仕作業を行ったのです。

上記リンクページにも解説があるように、高貴寺は弘法大師(空海)と縁が深く、1000年以上の古い歴史を持つお寺です。
本堂には弘法大師が彫ったと言われる不動尊がまつられていました。

宗派はもちろん真言宗です。

一時は大変多くの修行僧の方が在籍されていたそうですが、現在はご住職と副住職(←親子)だけでお寺を守っておられます。

全域を歩くと1日半かかるという高貴寺の敷地は広すぎて、僕らにはその一端を窺うのが精一杯でしたが、参道の脇の土手に散らかっていた割れた瓦(なんと総量約2トン!)をみんなで拾い集めて参道まで担いで登り、片付け作業を行いました。

やはりみんなで作業をするとすごいことができるものですね。
一人ではこんなこと絶対できません。

お昼には、庫裏(くり)のおくどさん(←かまどのことです)で炊いたご飯で作って下さったおにぎりをごちそうになりました。
(囲炉裏の向こうに作務衣を着て座っているのが副住職)

高貴寺は道案内の看板も立てていないし、携帯電話も通じない(圏外)し、山奥にひっそり建っているので、空気も澄んでいてとても静かでした。
汗を流して心を洗われたような気がします。

今回は高貴寺での初めての活動でしたが、今後もこのメンバーで2ヶ月に一度集まって、境内の片付け・修理作業などのお手伝いを継続的に続けていこうということになりました。

高貴寺は檀家を一軒も持たずにがんばって運営しているそうです。

昨日副住職のお話を伺って自分たちで作業をしてみたことで、この大きなお寺を維持していくことの大変さがよくわかりました。
有志のみんなでこれから行っていく活動が、少しでもお役に立てるといいなぁと思います。

冒頭の写真は高貴寺の門ですが、どっしりとしていて軒が低く、とても品のいい美しい四脚門でした。
(↑画像をクリックすると拡大表示できます)

【お知らせ】
11/3(土・祝)に静岡市の山で
新月伐採現場見学会を開催します。
詳しくはこちらをご覧下さい。

 

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11/3(土・祝)に静岡で新月伐採現場見学会を開催します

伐採

かねてより、何度か新月伐採についての記事を投稿してまいりましたが、遂に今年の伐採日程が決まりました。
11/3(土・祝)、11/5(月)~11/9(金)の合計6日間に渡って行います。

そして、その初日11/3(土・祝)は伐採現場をあなたにも見ていただけるようにと静岡県静岡市内のSGEC認証林で伐採作業現場の見学会を開催します。

<新月伐採作業現場見学会>

【開催日時】 2007/11/3(土・祝) 10:00~17:00
【集合場所】 JR静岡駅 10:00集合
【伐採現場】 静岡市葵区梅ヶ島
【参加費用】 無料
【問合せ先】 サトウ都市環境デザイン 担当:佐藤仁

umegashimabassai

上の写真は、昨年秋の伐採作業風景です。

当日、現場では、

 ● 木材の伐採とはどのように行われるのか?
 ● 家に使われる木材(柱や梁など)はどんなところで、
   どんな人たちが作っているのか?
 ● 100年以上前に植えられて、今伐り出す木は
    どんな表情をしているのか?
 ● 新月伐採・葉枯らし乾燥とはどういうものか?
    (これから家づくりに取り組むあなたにとっての
    メリットとデメリットとは?)

などについてお話したり、実際に現場での作業を見ていただくことで、山や林業、木の性質などについての理解を深めていただきたいと考えています。

より詳しい情報は、こちらのページにてご確認いただけます。
(参加申込フォームへも上記ページよりリンクしています)

たくさんのみなさまのご参加をお待ちしております。

註:今回の見学会は、完成した家など建築現場へのご案内を
  行うものではありません。
  林業を行っている山へ行って、木を伐採している作業現場を
  見ていただくための機会です。
  ご注意下さい。

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木材の乾燥工程について

上の写真は、今朝の月です。
(カメラのレンズがあまり望遠効かないので画像が荒れてますが、お許しを)
現在は、下弦の月から新月に移ろうとしている時期です。

昨日、新月の木国際協会の方と電話で30分ほどお話しました。

電話をかけた当初の目的は、来月上旬に静岡で行う予定の新月伐採についての段取りの打ち合わせだったのですが、いろいろとお話をしていくうちに伐採後の木材の自然乾燥について方法などもお話してくださいました。

木材の乾燥方法については、大きく分けると人工乾燥と自然乾燥(または天然乾燥とも言う)の2通りがあります。

現在の主流は人工乾燥です。
日本国内で建てられている住宅のほとんどのケースでは、人工乾燥による木材が使われています。

人工乾燥というのは乾燥炉内に木材を搬入し、重油を燃焼させて乾燥炉内を80℃~130℃程度の温度に保って2~3週間という短期間で木材を乾燥させる方法です。

一方、自然乾燥は1年以上かけて(樹種によっては10年以上)ゆっくりゆっくり木材を乾燥させる方法で、重油などの化石燃料は使いません。

両者の違いを下記に簡単に述べます。

人工乾燥のメリットは短期間で乾燥することが可能だということです。
ストックヤードなどで材木を寝かせておく必要がなくなります。

一方デメリットは、乾燥工程で木が持っていた脂分が抜けてサクサクした感じになり、色艶も少し悪くなります。

自然乾燥のメリットは、乾燥工程で脂分が流れ出ることが無いため、木が本来持っている色艶や粘り強さがそのまま活かせます

デメリットは乾燥に時間がかかり、その間材木を寝かせておくための場所が必要になる、そして乾燥工程でできるだけ割れが出ないようにしたり、カビが生えてしまったりしないように、細心の注意を払ってあげたりする必要があることも含め、木材養生の際の管理に手間がかかるということです。

どちらが正しいか?ということではありません。
状況によって方法を使い分ければいい、ということだけです。

ただ、僕は今後はできる限り自然乾燥した木材を使うようにしていきたいと考えています。

なぜなら、それが
【 木材が本来持っている強さ・美しさを、
一番いい形で引き出してあげられる方法】
だからです。

確かに地球環境のためだけを考えると、化石燃料(重油)を使わない方が環境保護の観点から優れている、とかいろんな理由はつけられます。

参考値としてお伝えしておくと、建物の規模にもよりますが、平均的な家一軒に必要な構造材を人工乾燥させる際には、約800~1300Lくらいの重油が燃焼されます。

これは大変な量ですから、確かにそれを声高に言うこと自体は間違っているとも思いません。

ただ、僕は木造だけにこだわる建築家として、木を大切に使ってあげたい。

60年~百数十年または数百年という長い年月を経て、何世代にも渡って木を守り育ててきた林業家の思いや自然の恵みを受けてきた結晶として、現在の材木が得られるのですから、それをできる限り素直に活かしてあげたいという思いがとても強いのです。

そしてそういう思いや歴史をきちんとクライアントに伝えて、その思いを感じ、共有していただきたい。
そしてクライアントである皆様には、より深い満足感を得ていただきたいと思うのですが、あなたはどう思われますか?

昨日新月の木国際協会の方に教えていただいた自然乾燥に関する技術は、実はまだまだわからないことがたくさんあって、試行錯誤している段階なのだそうです。
僕も一緒になって勉強していかねば、と強く感じました。

やはり木造は深いです。

一生かかってもやりきれない分野だと思いますが、これを自分の一生の仕事として覚悟を決めてよかったと思います。

少しでも良い状態で木材をお届けできるように、そしてより美しく安全な木造の建物をみなさまにご提供していけるようにこれからもがんばります。

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造作材加工の準備

昨日はうちのスタッフを連れて和歌山に行ってきました。

昨年末に静岡で新月の時期に伐採した木材のうち、辺材の部分から造作材として使える木材をピックアップして記録として残すためです。

上の写真がその積み直しをして下さっている時の様子です。
板材を、節が少ない化粧材と、節が多い一等材とに分類し、板巾・厚み・長さを調べて再度積み直しました。

このように、板一枚一枚にそれぞれ番号札を打って記録しました。

現在、加工原寸図を描いているところなのですが、それが出来次第(多分今月末)、これらの材料を加工してもらう工場へ持って行きます。

現在木材を置かせていただいている、和歌山の東(あずま)建設工業の東さんと仲尾さんが手伝ってくださったおかげで、一日かかる予定だった作業が午前中で終わりました。
(東さん、仲尾さん、どうもありがとうございました)

お礼にお昼からは、お客様に喜ばれてなおかつ売れるホームページを作るための秘訣をたっぷり東さんに伝授しました。

( ↑ 秘訣というと、裏技みたいないかがわしいもののように思われがちですが、
全然そんなことはなくて、ごくごく当たり前の原則なんですけどね。
でも結構そこをみなさんきれいにすっ飛ばしたりされているわけです)

「そんなこと、誰も教えてくれへんから、すごい勉強になったわ」

と東さんも喜んでくれて、こちらもお役に立てて嬉しい限りです。
これから東建設工業さんのサイトがどのように変わっていくか、みなさんどうぞお楽しみに。
(あと1年くらいかかりそうですけどね)

註:当方ではホームページ作成業務などは一切請け負っておりませんので
そのような依頼は持ち掛けないで下さいね。
いくら頼み込まれてもできませんので悪しからず。

上記の和歌山に置かせていただいている木材は(新月伐採+葉枯らし)材ですが、今年も11月の新月期(下弦の月から新月にかけて)に静岡市で杉の木を伐採します。

詳しい日程は、現在山側と調整中なのですが、11月3,4の連休に合わせて見学していただける機会を作りたいなぁと画策中です。
ここ数日のうちには発表できると思いますので、決まり次第お知らせしますね。

とくにうちに設計などを依頼するつもりは無いけれど、
「新月伐採ってどんなことなのか見てみたい」
とか
「山の林業家の仕事ぶりを見てみたい」
「静岡に行ってみたい」
「近くなので、ひまつぶしに行ってみようか・・・」
という方など、ぜひぜひお気軽にご参加下さい。

うちのクライアントの皆様にもすでにこの計画は何度かお話していて、何組かの方は興味を示して下さっています。

うちに使われているこの木は、誰が今まで育ててくれたのか?
どんな山で育ってきたのか?

実際に家を建てる木材を、山で伐採するときから立ち会えば、それがあなたの心に一生残ります。
その後山で4ヶ月かけてゆっくり葉枯らし乾燥し、それを山から降ろして製材する。

そして大工さんが刻んで現場へ持ち込んで家を建てる。

この流れは、現代の一般的な家づくりではある意味おろそかにされ、見せないようにしてきた過程です。
( ↑ 昔はそうではなかったはずだと思うのですが)

僕はできるだけこういう過程を、クライアントのみなさまに見ていただきたい。
そして家に対する愛着を深めていただいて、代々大切に家を使い続けていただきたいと考えています。

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6/20に改正された建築基準法の影響

今朝の日経新聞に、『輸入丸太、軒並み下落』という記事がありました。

ここで言う輸入丸太とは、米松(北米産の松)やロシア産の唐松など、日本国内で住宅用構造材として用いられる木材のことです。

現在、世界的には中国やインドなどで木材および木材加工品の需要が上がっており、同時に昨年のロシアの木材出荷量が減ったことなどから、昨年末~今年の前半は木材価格が上がり、合板などの加工品は品薄状況に悩まされました。

で、その状況にはあまり変化はありません。

実はそういった事情とは別に、今、日本国内で上記のように輸入丸太の価格が下落しているのは、今年の6/20に改正された建築基準法の影響が出ているためです。

例の耐震偽造問題(通称:アネハ事件)に端を発した、建築確認申請手続き上の問題再発防止と消費者保護のために改正されたのが、6/20に施行された改正建築基準法です。

主に構造面でのチェックが厳しくなり、6/20以前に比べて建築確認許可が降りにくくなっています。

というのは一般的な表現で、実際のところは構造関係のチェック業務は
「あまりに煩雑になりすぎて全く動いていない」
というのが実情のようです。
( ↑ 某・民間建築確認検査会社のスタッフの方が現場で、
  そして構造設計事務所は電話で何度もこぼしていました)

建物を建てる際に必要(←一部地域を除く)となる手続きが、この建築確認申請手続きですが、これが滞ると当然工事は着工できません。

すると建設会社は、許可が降りないのに木材の手配をするわけにいかず、
木材市場が動かない→需要が下がり→価格も下落する、というわけです。

実はこの改正建築基準法による弊害を軽減するために、内容を一部是正してもらえないか?という訴え(←訴訟ではありません。ご安心を)をするために、9月の中旬に僕も東京へ行ってきました。

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会、職人が作る木の家ネット、伝統木構造の会、優良工務店の会など計5団体共同で国土交通省の担当官に対して質問をし、現場の状況を訴えて、建築基準法再改正への検討をお願いしました。

同席してくださった担当官(←かなりえらい中枢の方のようです)は好意的な姿勢を示してくださり、今後も継続的にこのような機会を設けて我々と対話してくれることに同意してくれました。

しかし今後もまだ当分このような状況は続きそうで、住宅の着工戸数も伸び悩むでしょう。
ただ建築業界関係者側も、総論賛成・各論反対状態なので、法を改正するな!といっているわけではありません。

でも消費者(ユーザー:家をこれから建てようとしているあなたです)の金銭的・時間的な負担は今後増えていきます。

代償として安全が得られ(やすくな)る、という状況ですが、まじめにやっている建築業者から見ると正直アホらしいムダな面もあります。

どのレベルに合わせて法を設定するか?というのは難しいものですね。

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滋賀で民家再生に関するセミナーがあります

今週末、滋賀県近江八幡市で民家再生に関するセミナーが開催されます。

【テーマ】  伝統民家を再生し活用する意義
【開催日時】10/7(日)13:30~17:00
【開催場所】滋賀県婦人会館(滋賀県近江八幡市鷹飼町105-2)
【参加費用】 会員1,000円 会員外1,500円

主催はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区運営委員会



このセミナーは、

 前半・・・木構造の専門家・鈴木有(たもつ)先生による講演
 後半・・・民家にお住まいのユーザー3人をパネリストに迎えての
      パネルディスカッション

という、2部構成になっています。


このセミナーがユニークなのは、後半のパネルディスカッションです。
よくあるような建築のサプライヤー(設計者や工務店)側からの話ではなく、ユーザー(民家の住み手)側のお話に的を絞って

 〇 3名のパネリスト(=民家の住み手)がどのように民家を再生していったのか?
 〇 そして再生した民家をどのように活用されているのか?

といった内容をご紹介するところです。
これから民家を再生したい、またはどうしようか迷っているといった皆様には、きっと参考になるのではないでしょうか。

このイベントに参加してみたいと思われた方は、下記のサイトから参加申込ができます。


NPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区のサイト


たくさんのみなさまからのご参加お待ちしております。

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