月別アーカイブ: 2005年12月

デラトレ?なにそれ

今朝、とあるハイウェイオアシスで思いっきり笑わせてもらいました。

その仕掛け人は、伊勢湾自動車道・刈谷ハイウェイオアシスです。



何も知らずに休憩のために立ち寄ったのですが、まず何より驚いたのが、高速道路にあるハイウェイオアシスだというのに、ナント!

・・・観覧車がある!

観覧車ですよ、観覧車!



そしてさらに驚いたのが、デラックストイレ(←すごいネーミング・・・)
通称、デラトレだそうです。
このトイレ、6:00~22:00の時間帯のみ使える(無料)という時間制限つき。

どこかデラックスなのか?
残念ながら女性用トイレへは入れなかったのですが、男性用トイレはまず、小便器を取り付けている壁が全面ガラス!
(↑雑誌などでは見たことがありますが、体験したのは初めて)
そしてガラスの向こうは中庭になっており、中庭に向かって用を足す、という感じです。

そしてさらに笑わせてくれたのが・・・、親子トイレ。
これ、どうなっていると思います?

ひとつの大便ブース内に、大人用大便器一台と、子供用小便器が一台、並列して鎮座しているのです。



・・・・・。



この状況で用を足せ、というのも気が気ではないと思うのですが、とにかくこれを作ったことに敬意を表したいですね。

これが東京ディズニーランドにあるのならよくわかりますが、ハイウェイオアシスにこれがある、というのがなかなか味わい深いです。
名古屋人の心意気でしょうか。



おかげさまで、このブログも12/29をもって無事1周年を迎えることができました。
これもひとえにのぞきに来て下さるあなたのおかげと、深く感謝しております。

今年も一年間、木造建築家のヒトリゴトを聞いてくださってどうもありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

2006年があなたにとってすばらしい一年でありますように。



感謝。

2006.12.31 佐藤仁

現代人は忙しい、そこで・・・

今年は、とてもたくさんの良書と出会いました。
最近の本を購入するきっかけは、もっぱら誰かの推薦に従うことです。

「最近この本読んでみたんだけど、こんな話が書いてあって、すごく良かった」

というようなことを聞いたりすると、すぐ買ってしまうのです。
おかげで未読の本がどんどん増えていっています。

マズイ・・・。
正月は実家で、本とビールと3歳の息子と年賀状書きの合間を縫って格闘することになりそうです。

本当は良かった本全てをご紹介したいのですが、最近読み終わった本の中の一冊をご紹介します。

『7つの習慣 最優先事項』 スティーブン・R・コヴィー著です。
出版されたのは結構前なので、最近の本ではありません。

分野としては自己啓発系の本なので、嫌う方も多いと思いますが、すごくオススメです。

「今は(時間やお金)がなくて~できない」

というのは万人に共通する悩みだろうと思うのですが、この本はそれを根本的に解決するための考え方を教えてくれます。

例えば忙しくて時間がとれないというのは、外的要因(仕事、子育てなど)によってもたらされている状況で、自分にはどうしようもない(←最大限努力しているが・・・)と考えがちですよね。

でも実は、それを引き起こす状況を作り出しているのは、外的要因に振り回された自分自身の選択と、それに対する自分の対応によってなのである、ということがわかります。
(↑これって実はすごく当たり前のことなのですが、きちんと認識されている方はとても少ないと思います)

そうやって外的要因に振り回されて時間を浪費していくと、自分が人生において本当にやりたかったことを実行に移せないままに人生を終えることになってしまう、それを回避するためには・・・ということがこの本の趣旨です。

こう書くと、なんだかビジネスマンや起業家向けの本のようですが、決してそうではありません。
むしろ、

○ 子育てに追われて自分の時間がとれない、というような主婦のみなさん
○ 仕事に追われて子供と遊ぶ時間がとれない、というビジネスマン

に読んでいただきたいなぁ、と思いました。

この本を読んでから僕は、上記のような悩みはすべて自分が引き起こしているということがわかり、なんだか腹が据わってきました(笑)。

時間と収入と人間関係を全て同時に解決する、深~い示唆を与えてくれる良書です。
ぜひお試しあれ。

メルマガ、ブログ、ホームページなど・・・

今年ももう残り僅かとなってきましたね。
僕のこの一年は、WEBなしには語れない一年でした。

以前にも書いたことがありますが、現在うちの事務所の受注はほとんどがWEBを通じてのものになってきています。
(↑でも、決してWEBだけで受注しているわけではありませんよ。
  WEBはきっかけにすぎません)

昨日、週刊メルマガ【古民家にならうこれからの家づくり】を発行するときに気付いたのですが、メルマガを創刊してから現在で約1年半になります。(創刊2004.06)

継続は力なり、ですね。

この秋にリニューアルしたホームページも現在のもので3代目(ここまで足掛け3年)ですが、現在のコンテンツに落ち着くまでには、いろいろと苦労して試行錯誤を重ねています。



このブログも、あと数日で一周年です。
最初の投稿は2005/12/29でした。

今年はこのブログを通じて、来年からうちの事務所に来てくれることになったやる気満々のスタッフとも知り合えたし、経理面でのサポートをお願いしようかと考えている人とも知り合えました。

夏から秋にかけて実施したホームページリニューアルにあたって、製作を依頼したコマースジャングルの礒さん(USA在住)もウェブサイトとメルマガを通じて知り合い、結局実際に会ったのは東京で1度だけ(笑)という奇妙な関係でした。
(↑結果には満足しています)



そして、メルマガの読者の方からは頻繁に感想や反響などもいただけるようになってきていて、
「この分だと、なかなかメルマガをやめられそうにないぞ・・・」
とフンドシを締め直しているところです。

とか言っていますが、本当にメルマガ読者のみなさんには感謝しています。
確かに週一回発行のメルマガを書きつづけるのはかなり大変ですが、読者のみなさんとのメールを通じてのやりとりで得られる喜びは、それ以上に大きなものです。

と、まさにWEBが僕の生活には欠かせないモノとなってきてしまっているのはなんだかちょっと変な感じですが、今年はWEBなしには語れない一年でした。



と、なんだか締めくくりのような文章を書いていますが、まだ今年もあと2回くらい投稿しますので、また来てくださいね。
お待ちしております。

電柱がなくなる日は近い?

昨日(12/18・日曜日)の日経新聞の朝刊に、

【 ホンダ、太陽電池に参入~住宅用2-3割安く 】

という記事がありました。
現在主流の太陽電池は、『多結晶シリコン型』と呼ばれる方式ですが、
ホンダは、より低コストで生産できる『非シリコン型』という方式の電池を生産することで、太陽電池業界に参入しようということのようです。

ちなみに、ホンダが採用しようとしている住宅用の太陽電池の場合、少しエネルギー変換効率は落ちるようですが、イニシャルコストが2-3割安く抑えられるというメリットがあるようです。

太陽電池や風力発電はこれから主力となっていくエネルギーの一つでしょうね。
しかし、これを爆発的に後押ししそうな技術が、近い将来製品化されるかもしれません。

それは、スーパーキャパシタというバッテリーです。

これで住宅用電源供給にかなう容量のバッテリーが商品化されると、日本から電柱が消えるでしょう。

ちなみに現在は、太陽電池で発電した電気をそのまま住宅で使うということは技術的にできません。
というのも、生産した電気を貯めておくことができないからです。

もう少し平たく言うと、電気を貯めておくための、
『安くて × 効率のいい × 長寿命の』バッテリーがないからです。

あなたは車のバッテリーが何年くらいで寿命を迎えるかご存知ですか?
そうです、通常2~3年で車のバッテリーは交換しますよね?

現在のバッテリーはそれだけ寿命が短いのです。

ちなみに、プリウスなどの最新鋭のハイブリッドカーも、2~3年に一度、バッテリー交換のためにかなり高額(数十万円)で特殊なバッテリー交換を必要としているそうです。

太陽電池を載せた住宅は、当然のことながら、昼間発電します。

しかし、電力を一番必要とするのは、夜間です。
当然、太陽電池は夜間に発電できません。

そこでどうするか?
選択肢は2つです。

 選択肢 その1) 昼間発電した電気を貯めておき、夜使う
            → バッテリーが必要

 選択肢 その2) 昼間は発電した電気を電力会社に売り(売電)、
            夜間は、電力会社からお金を払って電気を買う(買電)
            → バッテリーは不要。
              でも電気会社との契約と電線が必要

現在、まだ一般住宅向けの高性能で、格安で、長寿命なバッテリーは販売されていませんので、ほとんど全ての太陽電池を積んだ住宅は、電力会社と契約をして、売電しているのが実情です。

ですから、電柱や電線は欠かせません。

ところが、ここに高性能で長寿命なバッテリーが普及したらどうなると思いますか?

まず、電気エネルギーが自給自足できるようになりますから、電力会社との契約は必要なくなります。
電気の基本料金も払わなくていい。
原油が高騰しても電気代が上がったりすることもないし、月々の電気代もかからなくなります。
原子力発電所は全く必要なくなり、放射能汚染の危険性もなくなります。

そうして、電気会社と契約する人はドンドン減っていきます。
すると、電柱が無用の長物と化していきます。

そうなったら、電力会社はきっと電気料金の値下げをしてくるでしょう。
なぜなら、そうしなければ市場原理に合わなくなり、淘汰されてしまうからです。

しかし最終的には、やはり電力会社は規模が縮小されていくことは避けられない状況だろうと予測します。

と、ここまでは予測が立てられますが、この先は、正直未知数です。

しかし、将来電柱が無くなっていく方向にあることと、電気料金が下がっていく方向にあることは間違いないでしょう。

これは、非常にいい傾向だと思います。

ちなみに、今日ご紹介したバッテリー(スーパーキャパシタ)ですが、2005年の夏にミュージシャンの坂本龍一氏がこのバッテリーと自然エネルギーだけに頼った発電システムを使って、コンサートツアーを敢行しました。

今後注目していたい技術です。

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このところバタバタしていて、すっかり更新をサボってしまいました。
楽しみにいつも来てくださっているみなさん、ごめんなさい。
また、ボチボチ書いていきますので、どうぞよろしく。

今さらですが、映画 『たそがれ清兵衛』 を観ました。

よかったですね。
うまく表現できませんが。

何というか、【 間 】が良かったです。
ローアングルなカメラワークも良かったし、
何よりもやはり、真田広之と宮沢りえの演技がじわ~っときました。
↑僕は、宮沢りえ大好きなんです・・・(笑)。

原作(藤沢周平氏)は読んでいないのですが、最後のしめかたもとても良かったです。
本当の幸せとは何か?というこの映画のテーマが、ストレートに伝わってきました。
観ていない方は、一度ご覧下さい。

映画の中の建築も美しかったですよ。

囲炉裏端で火を前にして家族と話すシーンや、
こんもりしたかやぶき屋根の家、
玄関の式台に腰掛けている清兵衛(真田)と、取次ぎ(←今で言う玄関ホール)の間にきちんと座って話す朋江(宮沢)を引き立てる、舞良戸(まいらど)や障子、衝立などで構成される空間など。

僕には、どうしても自分で建てたい家が一つだけあります。

それは、寄棟(よせむね)の茅葺屋根を持った、平屋で30坪くらいの家。
材料をとことん吟味して、どっしりとした構造材を使い、渋~い家を建てたいのです。

自分で本当に納得のいくものをつくり上げるのには、まだまだ修行が足りないようです。
きっとこの夢をかなえるのは、まだまだ大分先になるでしょうね(笑)。

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古民家は誰のもの?

今、兵庫県佐用町平福という町で、築250年経過している町家を調査しています。
平福は昔の因幡街道の宿場町で、夢前川(ゆめさきがわ)沿いに
土壁塗りの土蔵が立ち並ぶ美しいまちなみが有名なところです。

「できればなんとかこの家を残したいのだが、どうだろう?
 構造的に、もつだろうか?」

というクライアントのご要望に応えるべく、建物全体の調査をしているというわけです。
この家のオーナーは、とある事情でずっと以前に関東へ移り住んでしまい、もう長い間空家になったままです。

空家になると家の傷みはドンドン進行するのですが、ご多分に漏れず、正直言ってこの家もかなりひどい状態です。
再生に耐えうるかどうかは微妙な情勢です。
11月に3回にわたって現場で様々な調査を詳細に行い、現在はそのデータをまとめているところです。

その第3回目の調査を今週の火曜日に行ったのですが、その時にとても印象深い出来事がありました。

その日は、一番肝心な柱の足元(柱が地面と接している根元の部分)が腐ったり虫に喰われたりしていないかどうかを調べるために、朝からまず職人さんに現場へ来てもらって、床組みの解体・撤去を行っていました。

床下に隠れて見えなくなってしまっている部分を見るためです。
もしここが傷んでいると、もう再生は難しくなってきますから、一番重要な部分です。

畳をめくり上げ、床板を外し、根太や大引(おおびき)といった床組みの構造材をガンガン解体している時でした。
あるおじいさん(70~80歳くらいに見えました)が、ふらふら~っと家の中に入ってきて、なにやら僕らのグループの一人に話し掛けているのです。

興味本位で工事を見に来て世間話をする人は結構いるので、そんなひとの内の一人だろうと思い、僕は自分の作業に没頭していました。
しばらくすると、そのおじいさんは帰っていき、職人さんによる床組み解体の作業も終わり、僕の調査も終わりました。

すると、先ほどおじいさんと話をしていたU氏がそのおじいさんとのやり取りを話してくれました。

おじいさん:「あんたたち、何をしているのかね?」

 U 氏  :「今、この家の調査をしているんですよ」

おじいさん:「この家は潰されてしまうのかい?」

 U 氏  :「いえ、まだわかりませんが、できれば何とか残したいと思い、
        それが可能かどうか、調査をしているところです」

おじいさん:「そうかい。それでちょっと安心したよ。
        実はワシはこの近くに住んでいる者じゃが、ワシは小さい頃
        この家でしょっちゅう遊ばせてもらったことがあるんじゃ。
        今は荒れ果てているが、昔はキレイで立派ないい家だったんや。
        それで今、前を通りかかったら、畳を運び出したり床を解体して
        いるのが見えたから、もしかしてこの家を潰してしまうんじゃないか
        と思い、心配になって覗いてみたんじゃ。
        確かに今はいろんなところが傷んだり腐ったりしてしまっているが、
        何とか残してもらえるといいなぁ・・・。」

そのおじいさんは、そんなやりとりを残して帰っていったそうなのです。

この家は確かにオーナーの所有物なので、解体するのも再生するのもオーナーの意思一つです。
そして、維持していくためには多額のお金がかかり、自治体も補助してはくれません。
その金額は数千万円(家が1軒建つ金額)です。
ですから、気持ちとしてはなんとか残したいと言っても、住む予定も無い家にそれだけの投資をするというのは、オーナーにとっても非常に苦しい決断だということはよくわかります。

しかし、同時にこの町に住んでいるたくさんの人の人生に何かしらの形で関わってきたという意味では、もうすでに一人だけの財産とは言い切れない存在になってきてしまっているのです。
過去250年という町の歴史を、いつも変わらずに黙って見守ってきた、貴重な存在なんだということをひしひしと感じ、何とか残してあげたいという気持ちがより強くなりました。

最終的な結論は、来週現地でこの民家のオーナーに調査報告を行った上で、オーナーが判断されることになります。

 

 

 

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ボランティア活動を通じて得られるもの

僕は、特定非営利活動法人・日本民家再生リサイクル協会の理事を務めさせてもらっています。

 

今となっては正直に言ってしまいますが(笑)、当初僕がこの協会に入ろうと考えた動機は、

「もしかしたらこの協会を通じて、仕事(建築設計)の依頼が来るかも♪」

という、ヒジョ-に不純な動機からでした(←ゴメンナサイ)。
そうしていろんなボランティア活動に携わっているうちに、そうそうウマイ話があるわけもなく、これは仕事にはならないとよく判りました。
つまり、淡い虚無感が生まれてきたのです。

しかしその一方で、次々に生まれてきたものもあります。
それは

『た~くさんのトモダチ』

です。



僕の年賀状の枚数は年々増えつづける一方なのですが、ボランティア活動に携わり始めてから、毎年3種類の年賀状を作っています。

 1 家族、親族、ごくごく親しい古くからの友人向け
 2 ビジネスの取引先向け
 3 ボランティア活動を通じて知り合った友人向け

の3種類です。
ビジネスの取引先向けの年賀状はあまり増えない(←ダメじゃん?)のですが、3番目のボランティア活動を通じて知り合った友人向けの年賀状が、すごいペースで増えつづけています。

先週末金沢へ行ったのも、上記協会主催のイベント・民家フォーラムに参加するためでしたが、もう少し正確に言うと、

  「フォーラムに参加するため」

ではなく、

  「フォーラムに伴って開催される、懇親会(=飲み会)に参加するため」

というのが、偽らざるキモチです。
何せ、全国各地から当協会の活動に参加している方々が一同に会するわけですから、やっぱり普段なかなか会えない人たちと酒を酌み交わして、いろんな話をしたいわけですよ。
そこで今回も、懇親会会場を縦横無尽にお酌してまわって親交を深めてきたわけですが、僕がボランティアを通じて得ている最大の財産は、やはり

「トモダチ」

です。

特に僕のように、生まれてこの方十数回にわたる引越しをして、全国各地を流転している(と言っても、別に夜逃げしているわけではありませんよ)ような人間にとっては、トモダチが一番大切な財産であり、心の支えなのです。

 

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