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6/20に改正された建築基準法の影響

今朝の日経新聞に、『輸入丸太、軒並み下落』という記事がありました。

ここで言う輸入丸太とは、米松(北米産の松)やロシア産の唐松など、日本国内で住宅用構造材として用いられる木材のことです。

現在、世界的には中国やインドなどで木材および木材加工品の需要が上がっており、同時に昨年のロシアの木材出荷量が減ったことなどから、昨年末~今年の前半は木材価格が上がり、合板などの加工品は品薄状況に悩まされました。

で、その状況にはあまり変化はありません。

実はそういった事情とは別に、今、日本国内で上記のように輸入丸太の価格が下落しているのは、今年の6/20に改正された建築基準法の影響が出ているためです。

例の耐震偽造問題(通称:アネハ事件)に端を発した、建築確認申請手続き上の問題再発防止と消費者保護のために改正されたのが、6/20に施行された改正建築基準法です。

主に構造面でのチェックが厳しくなり、6/20以前に比べて建築確認許可が降りにくくなっています。

というのは一般的な表現で、実際のところは構造関係のチェック業務は
「あまりに煩雑になりすぎて全く動いていない」
というのが実情のようです。
( ↑ 某・民間建築確認検査会社のスタッフの方が現場で、
  そして構造設計事務所は電話で何度もこぼしていました)

建物を建てる際に必要(←一部地域を除く)となる手続きが、この建築確認申請手続きですが、これが滞ると当然工事は着工できません。

すると建設会社は、許可が降りないのに木材の手配をするわけにいかず、
木材市場が動かない→需要が下がり→価格も下落する、というわけです。

実はこの改正建築基準法による弊害を軽減するために、内容を一部是正してもらえないか?という訴え(←訴訟ではありません。ご安心を)をするために、9月の中旬に僕も東京へ行ってきました。

NPO法人・日本民家再生リサイクル協会、職人が作る木の家ネット、伝統木構造の会、優良工務店の会など計5団体共同で国土交通省の担当官に対して質問をし、現場の状況を訴えて、建築基準法再改正への検討をお願いしました。

同席してくださった担当官(←かなりえらい中枢の方のようです)は好意的な姿勢を示してくださり、今後も継続的にこのような機会を設けて我々と対話してくれることに同意してくれました。

しかし今後もまだ当分このような状況は続きそうで、住宅の着工戸数も伸び悩むでしょう。
ただ建築業界関係者側も、総論賛成・各論反対状態なので、法を改正するな!といっているわけではありません。

でも消費者(ユーザー:家をこれから建てようとしているあなたです)の金銭的・時間的な負担は今後増えていきます。

代償として安全が得られ(やすくな)る、という状況ですが、まじめにやっている建築業者から見ると正直アホらしいムダな面もあります。

どのレベルに合わせて法を設定するか?というのは難しいものですね。

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