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新しい夢

今朝もまたいつものように散歩に行きました。

 

昨晩降った雨も上がっていて、気温も低かったのでとても気持ちが良かったです。
稲穂についたしずくがきれいで、稲の力強い生命力をグイグイと感じました。
稲が僕に
「見て見て!」
と訴えてきたものですから、思わず一旦戻ってカメラを取ってきて写真を撮りました。

稲穂としずく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

散歩をしていると、いろんなことが頭に浮かんできます。

今日も歩いている途中に、7/20に投稿されたとんぼさんのブログの内容をふと思い出し、

「あぁ、そうそう。
 かやぶき屋根ってとっても断熱性能が高くて通気性も良いから、
 夏は涼しいんだよなぁ・・・。
 
 見た目も美しいし、やっぱりかやぶき屋根って最高 ♪」

などかやぶき屋根にまつわる考えが頭の中を巡り始め、ふとまた新しい夢が僕の頭の中で結実しました。



それは、

「平屋のかやぶき屋根の家をこれから毎年最低1棟ずつ作り続ける!」

というものです。



またえらいことを決めてしまったなぁ・・・(笑)、と自分でも半ば呆れていますが、100年後に日本の約半分の家がかやぶきだったら、とっても素晴らしいと思いませんか?

そして僕は絶対にこういうことが現実に起こると思います。

だって、かやは育てさえすればタダで手に入るし、農業用の肥料としてちゃんとリサイクルできるし、夏は一番涼しいという、この上なく理想的な屋根材なんですよ。

個人的には、雨の日のかやぶき屋根の上を伝って落ちるしずくの落ち方が美しすぎて最高~♪と、またみなさんに全然共感してもらえないようなマニアックなところに深い魅力を感じてしまっているんですが・・・。



とにかく、まずはかやぶき職人さんに久しぶりに連絡してみて、いろいろ相談しながら進めたいと思います。

3年後からいろんなところでかやぶき民家がポコポコでき始めますのでどうぞお楽しみに。



【お知らせ-1】
2008年晩秋の新月期に伐採・葉枯らし乾燥させた
静岡産の杉・桧を使って下さる方を募集しています。
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【お知らせ-2】
2007年に竣工した伝統構法の家で、2年間住んでみた
感想を聞く見学会を8/2(日)に大阪府四條畷市で開催します。
詳しくはこちら


(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

国宝・高山寺石水院

2/11(祝)に京都市内で打合せが終わった後、久々に京都市右京区にある高山寺へ行ってきました。

ここは石水院という国宝(しかも世界遺産)建物の中にだれでも入ってのんびりできて気安く触ることができるという、稀な建物です。
しかも拝観料もとても安い。
ありがたいことです。

 

石水院1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


僕がこの石水院に来たのは2回目。
前回は大学卒業間近の時でしたから、もう今から15年も前です。
時が経つのは早いです。

この建物が建てられたのは西暦1200年前後のようですから、現在で築後約800年経過していることになります。
すごいことですね。

もともと、明恵上人というお坊さんが後鳥羽上皇から学問所として賜った建物だそうですが、ものすごい遊び心に富んでいます。
こんな考え方の建物に触れたのは初めてです。
(15年前に来たときは自分があまりに未熟すぎて、全然そんなところを理解できませんでした)

建物を見ただけでは得心できないところが多すぎたので、また母校の図書館に行って資料を探してみようと思っています。



ちょっと見には全然判らないと思いますが、とにかく材料とその扱い方がここ数百年の一般常識からはかけ離れています。

構造材・造作材のほとんどは芯去りの非常に良質な桧が使われていて、柱などは5寸5分角の四方柾もあり、ものすごく吟味されつくしたものであるにも関わらず、柱は釘穴だらけ。
まずこの釘穴の意味がわかりません。

石水院2





上の写真は鴨居と長押のアップ写真ですが、ともにこの上なく上質な桧の柾材で、長押は平滑にかんなで仕上げられているにも関わらず、鴨居の見付面は丸ノミではつって仕上げられています。
そしてこのハツリ目を活かす為に、通常は見付柾として木取りする鴨居を、ここでは見付杢(平柾)の材料として木取りしています。

これはおそらく天井板のラフな仕上げに合わせるためだったのだろうと思いますが、この天井板の由来がきっと何かあるはずです。
天井の形や表情・使われている部屋の格などから考えても、あの材料は只者ではありません。

しかし、その由来などについてはお寺で頂いたパンフレットなどには書かれていなかったのでまた今度調べてみることにします。

しかし古典にはいつも驚かされます。
やはり木造は奥が深い。

 

 

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