お客様の幸せのために」カテゴリーアーカイブ

みんなで納屋の解体をしました

7/21(土)と22(日)の2日間にわたり、兵庫県赤穂郡で3年前から着手している活動
『ボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト』
を行いました。

主催はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会・近畿地区
今回で通算9回目の活動になります。
(これまでの経緯など詳しいことはこちらのページを見てください)

今回の作業は、敷地内にある納屋の解体です。
広さ10坪ほどの小さな納屋を12~13人で2日間にわたって解体していきました。
(1日目:13人、2日目:12人、延べ参加人数:25人)

すべて手作業で行っているので、機械で一気に潰すような簡単なわけには行きません。
全部で4~5トンくらいはあるだろうと思われる瓦を降ろすだけでも大変な作業です。
13人が一列になってバケツリレー方式で屋根の上から下ろし、割れていない瓦はきれいに積み上げてストックし、割れていた瓦は細かく砕いてアプローチに敷き詰めました。
瓦の下の土は土嚢袋に詰めて、雨のかからないところへストックします。

こうやってみんなで手で解体していくとよくわかるのですが、古い民家は解体しても処分に困るような廃棄物が出ないんですよね。
土、木と竹、瓦、石。
石油から作られたものは出てきません。

今、業務として自分が作っている建物が解体されるときも、こうあるのが理想的だなぁと感じます。
今後解決していくべき、大きな問題のひとつです。

休憩時間には、参加者のSさんが持って来てくれた大きなすいかをみんなでいただきました。
1日中、井戸の中へ放り込んで冷やしておいたものです。

なぜか僕はすいかを食べるといつも胸焼けするのですが、昨日は大丈夫だったので全てたいらげました。
とっても美味しかったです。

今回の2日間だけでは納屋を全て解体するまでには至りませんでした。
また9月の末か10月に引き続き解体作業を行います。
興味のある方はご参加下さい。

楽しい仲間と汗だくでくたくた&泥だらけになって、夜は宴会でひたすら笑い転げて、最後にみんなで温泉に行って汗を流して帰ってきました。

参加者のみなさん、おつかれさまでした。
怪我も事故もなく、楽しく作業を続けていけるのも、協力してくださるみなさんのおかげです。
感謝。

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世界に、300年先も美しい風景を

被災された皆様にお見舞い申し上げます

このたびの新潟県中越沖地震の被害にあわれたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早くもとの生活にもどれることを祈ってやみません。

12年前の阪神大震災の時のことを思い起こしました。
自分自身もなにができるのか考えて行動したいと思います。

米沢

10日ほど前に図書館へ行き、ドサッと本を借りてきて、1週間で本を数冊読みました。

僕は本を一気に読めなくて(←目が疲れるからか、すぐに眠たくなったり、集中力が切れたりする)、読み続けられるのはせいぜい1時間が限界です。

↑ 歳のせいではありません(笑)。
10代のころからずっとそうですから。

今回読んだ本の中で、童門冬二著の歴史小説・上杉鷹山(ようざん)がとても面白くて感動しました。
(読んでいる途中、何度か涙が出そうになりました)

これは、江戸(田沼意次)時代の若い米沢藩主・上杉治憲(晩年に鷹山と称す)による必死の藩政改革の話です。

「農民は生かさず殺さず」
と言われていたあの時代に、国(←藩のこと)民は宝である、侍(役人)は藩民によって生かされている、だから藩民が富むための政治を、という考えに基づいて古い観念に凝り固まっていた藩の重役からの軋轢に負けず改革を実行していった様が描かれています。

藩民へのとても深い愛情、そしてなんと言っても火と炭の逸話に感動しました。
(↑興味の沸いた方は、ぜひ読んでみてください。
むちゃくちゃおすすめです)

ケネディ大統領が「尊敬する日本人は?」と聞かれて答えたのが鷹山だったそうですが、この本を読んだら腑に落ちました。
すごい人がいたもんだ。

この本を読んで
「米沢といえば・・・」
と思い出したのが、作家・藤沢周平と米沢街道にある独創的な屋根のとても美しい民家です。

この屋根は撞木(しゅもく)造りという型です。
(撞木というのは、ドラなどをならすためのT字型の鐘突き棒のこと)
僕は撞木造りの民家をこの家以外で見たことが無いのですが、この芸術品のような外観をつくった職人の高い美意識には感服です。

米沢に行きたくなってきた。

秋田の先祖のお墓参りにも長いこと行っていないし、ついでにまた東北を巡ってきたいなぁ。
青森とか岩手とか、東北は自然がとっても美しいから大好きなんですよね。

原寸(1:1)でものを考える

先週末の構造見学会の後、クライアントのSさんと照明器具の打ち合わせを現場で行いました。

今回、初めて照明器具の実物大ボリューム模型というものを製作し、現場に持ち込んで検証しました。
( ↑ 模型をつくったのはうちのアルバイトスタッフです)



今回使おうとしているのは、一つ一つがすごく大きな照明器具で、それを合計4つ吊り下げようとしているのですから大変です。
横で模型を見ていた施工担当の輝建設の方も、

「デカっ!」

と驚いていました。
カタログで観ていても大きさは判りませんからね。



実際に現場で吊り下げてみると、吊り下げる高さ・位置・照明器具自身の大きさなどがよく判り、自分自身の頭の中で

「この器具をこういう感じで吊ったらいいんじゃないかなぁ」

と勝手にイメージしていたやり方が、実はあまりよくないことが判りました。

クライアントのSさんも同じように感じ、最終的には当初想定していたのとは全然違ったやり方で器具を付けることが決まりました。

模型、作って大正解でした。



うちでは建物を設計する際に原寸図という図面を何枚も描きます。
原寸図というのは実物大の図面のことです。

原寸図(←しかも原寸図だけは手描き)なんて描いている設計事務所は、おそらく今はほとんど無いでしょうねぇ~。
最近は工務店でもほとんどないでしょう。
( ↑ 時代遅れ?笑)

でも僕は、自分の師から原寸図の大切さを骨の髄まで叩き込まれたので、いくら時代遅れと言われようともこのスタンスは変えません。



建築家ってコンピューターでチャチャッと図面を描いておしまいでしょ?、と信じられている方もいるかと思いますが、やはりいいものを作り続けようと思ったらそんなわけにはいきません。

不経済で地道な努力の積み重ねがないと、本当に美しいものは絶対にできないですね。
( ↑ 実践している人にしかわからないと思いますけど)

先日、京都・曼朱院門跡の屋根の話を書きましたが、こういう屋根のむくりを決めたりする際には、必ず大きな大きな原寸図を広い工場の床で描いて検討し、最終決定します。
時には屋根のボリューム模型を作ったりすることもあるんですよ。
( ↑ ちょっと信じられないでしょう?)



こういう考え方を身につける環境を与えて下さった僕の師には本当に感謝しています。
僕の大きな財産のひとつです。

 

クライアントの要望に応えて満足していただける建物を作っていくことがもちろん一番大切な僕の仕事ですが、上記のようなことをきちんとこれからの人に伝えていくことも、僕に課せられた使命だと自分では考えています。

でもこういうことを身につけるのには、時間が必要なんですよね。
2年や3年では絶対無理です。
今の人にはそこが難しいところです。


   

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見学会へのご来場ありがとうございました

昨日(7/7)、神戸市北区で建築中の現場にて構造見学会を開催しました。
総勢14名のみなさまにご来場いただきました。
(みなさま、どうもありがとうございました!)

「また完成見学会の際にはぜひ来ます。楽しみにしています。」

と言ってくださる方がとても多かったのがとても嬉しかったです。
(完成見学会は9月下旬の予定です。どうぞお楽しみに。
って言ってる僕が実は一番楽しみにしてたりします。)

工事現場のお隣にお住まいの奥様も覗きに来て下さり、今回の建築主のSさんと仲良くお話している様子を観て、見学会を開催できてとても良かったなぁと感じました。
お隣に新しく引っ越して来る人と、住む前からコミュニケーションがとれているというのは、お互いにとってとても安心でいいことだと思います。
(僕は自分自身生まれてこのかた10回も引越しをしているので、そのへんはよ~くわかります)

実は、そのようにご近所さんと良好な関係を築いていただくきっかけとなるようにと、僕は昨年から自分の現場ではある特別な看板を自分自身で作るようにしています。
今回の現場でも、遅ればせながら昨日やっと看板を作成して掲げたのですが、隣の奥様もちゃんとそれをご覧になってくださっていました。
少なからずお役に立てたようで良かったです。
うちの隠れたサービスです。

どんな看板かはナイショです(笑)。
(昨日現場に来ていただいた方はお分かりですよね?)

少なくとも、よその会社の現場では同じタイプの看板を見たことはありません。
すごくおとなしいのですが、とても目を引く看板です。
犬の散歩をしている人は、ほとんどの人が立ち止まって見ていきます。

真似されてもぜんぜん困りませんが、あえて公開するものでもないのでここでは画像は掲載しません。
(掲載すると、違う目的で使う人が出てくると思うのでやめておきます)

と、話が脱線してしまいましたが

〇 ご来場頂いたみなさま
〇 準備・開催に尽力してくださった輝建設株式会社のTさん、Kさん
〇 今回の見学会開催を快く承諾してくださった建築主のSさん

本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。

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京都・大徳寺で

バタバタしているうちに、更新が一週間滞ってしまいました。
書きたいことも溜まってきたので、時間を作って順次アップしていきます。

先週の木曜日(7/5)、京都・大徳寺の養徳院という塔頭(たっちゅう)で行われた、坂本龍一×映像作家・高谷史郎のコラボレーションパフォーマンスを観てきました。

庭園シリーズvol.2 laptop実験ライブというインスタレーションで、僕は坂本龍一の音楽が個人的に大好きで、しかも大徳寺内の非公開塔頭で行われるということで、ものすごく楽しみにしていました。

当然のことながら写真撮影は禁止だったので、ここで映像をご紹介することはできませんが、とても美しい庭園の中にパソコンでリモートコントロールできる鏡を3枚配置して、坂本龍一がノートパソコン(laptop)を使って即興でつくった静かな環境音楽のような音源を流し、高谷史郎氏がそれに合わせて鏡をゆっくり動かすというパフォーマンスでした。

行く前に自分で勝手にイメージしていたライブとは全く違った形だったため、公演中は何がなんだかよく判らなかったのですが(笑)、とても美しい庭園を借景として、暮れていく夕陽のゆっくりと変化していく美しい光の中でのアートパフォーマンスは斬新で環境を壊さない静かな表現でした。

自分で勝手に作り上げていた頭の中の壁を、ぐっと拡げてもらえたような気がします。

当日会場で、同じ大徳寺内にある別の塔頭の和尚さんに偶然お目にかかって、少し言葉を交わせたことも嬉しかったです。

大徳寺には塔頭が20以上あり、建築・絵画・陶器・美術品など国宝・重要文化財などが数百点ある文化の宝庫です。

自分が独立する前の職場(鈴木工務店)が大徳寺の門前にあったので、僕は昼休みに大徳寺の高桐院へ何十回も足を運んだものでした。
僕にとってはとても思い入れの深いお寺です。

その場所で静かなアートパフォーマンスを観る機会が得られたことは、自分にとって感じるものが大きかったように思います。
感謝。

でも自分自身で消化するまでには、また時間がかかりそうです(笑)。

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照明器具の選定

昨日、クライアントのSさんと一緒に、flameという大阪の照明器具メーカーのショールームに行ってきました。

ここの商品は以前からとても気になっていたのですが、なかなか使う機会が無くて、ショールームに足を運んだのは今回が初めてです。
ショールームの雰囲気はこんな感じでした。

この上なくシンプルな形・素材の照明器具が特徴的なこのメーカーですが、クライアントのSさんはかなり迷われていました。

結局、最終的な商品の選定には至りませんでしたが、迷うのは当然です。

というのも、
「これらの照明器具の中でどれが好きか?」
というような単純な商品の選定ではなく、
「空間全体を(照明器具を使って)どのように演出するのが、自分たちの家にとってふさわしいのか?」
というイメージを頭の中で構築して、器具や素材の選定を行う必要があるからです。
(↑こんな説明しても良くわかりませんよね?すみません)

きっとSさんはこれからかなり迷って、考えすぎた挙句一旦はなんだかよくわからなくなってしまうことでしょう。
(今回はちょっと問題が難しすぎたかも・・・)
でも、そうならないと自分自身納得する解答が得られないときがあります。

建築家がお手伝いできるのは、それぞれのクライアントにふさわしいと思われる素材とその使い方をいくつか紹介してあげることまでです。
その中から何を選び、どう組み合わせて使っていくか?ということは建築家が全て決定していくべき問題ではなく、自分たちの生活・スタイルに照らし合わせてしっくりくるものを、クライアント自身が苦悩しながら取捨選択していくべきものです。
(↑こういう考え方ではない建築家の方もいらっしゃいますが)

そしていろいろ迷われた挙句、そろそろクライアント自身の中でのイメージが固まりつつあるな、ということが話し振りからこちらに伝わってくると、こちらから新たなちょっとしたアドバイスをしたりすることで最終解答が得られたりします。

だから建築家との家作りというのは実はとても大変で、苦悩の連続です。
夫婦喧嘩もしょっちゅう起こります。
(クライアントのみなさん、ごめんなさい)
でも納得して悩みぬいた分だけ、愛着は深くなっていきます。
Sさん、焦らずにがんばって下さい。

そんなSさんのお宅の構造見学会を、Sさんのご協力を得て7/7(土)に開催します(↓)。

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6/28時点での申込人数:10名 ← みなさまどうもありがとうございます
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※ お申し込みいただいた皆様へ : これから地図をお送りします

昨日のショールームはとてもきれいでした。
なんだかああいう空間にいると、脳のスイッチが切り替わるんですよね。
不思議なものです。

 

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何を大切にすべきか?

2つの不動産物件を探しています。

ひとつは昨秋新月伐採した木材の置き場所(ストックヤード)として使える土地。
もうひとつは事務所として使える木造の建物。

ストックヤードの方は、大阪府豊能郡能勢町にひとつ目ぼしい物件を紹介してもらったので、それがこちらの希望に沿うものかどうかを調査・検討中。
7月中には静岡から材木を運んでくるので、こちらは近いうちに決定しなければいけません。

来年度以降は、継手の無い、全て一本ものの木材のみで組み上げる木の家を作っていく計画を密かに進めています。
プレカットは基本的にはやめて、全て手刻みでの家作りにシフトしていくつもりです。
そのためには自社で木材をストックし、加工する場所が必要になってきます。

もうひとつの事務所物件探しは難しいです。

現在の事務所はマンションの1室を借りて使っているのですが、木造専門の建築家が鉄骨造のマンションで設計をしている、というのはどうも説得力がありませんよね?
(考えすぎか?)

事務所として使える木造の建物を探すだけならさほど難しいことではありませんが、僕は住居も事務所の近くにあることが外せない条件なのでなかなか難しいのです。

僕の父はサラリーマンだったのですが、いつも帰りが遅くて一緒にご飯を食べられないのが何となく嫌でした。
だから今は、ほとんど毎日、子供が晩御飯を食べる時間に一緒に食事を採るようにしています。
(だから勤務は19:00で終わりです。←設計事務所としては異例
 まぁその代わり、朝はメチャメチャ早いですが)

今は一棟のマンションの2室を借りて、1階を事務所に、2階を自宅にしているので、そういう面では非常に助かっています。

新しく事務所を探してもし自宅が離れると、それも今ほど簡単ではなくなるので、さてどうしたものか・・・と頭を悩ませるわけです。

うちの息子も来年は小学校に上がるので、途中で転校することを避けるためには真剣に住むところを考えないと・・・と思うのですが、自分自身なかなか「絶対ここに住みたい!」と思う街(場所)に出会えません。
自分自身、途中転校を経験してなかなかつらかったので、在学途中での転校はさせたくないなぁ・・・と。

企業としてはクライアントにとっての利便性を優先すべきですが、自分自身のライフスタイルを変えてまでそれを押し通すのは僕にとっては違うという思いが強く、判断が難しいところです。

なんだか今回の記事はホンマのヒトリゴトになってしまいました。
まぁそのうちにいい物件に巡り逢うでしょう。

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知恵

先週の木曜日、京都市内で古家付土地の購入を検討されているクライアントから依頼を受けて、物件を観に行きました。

近隣は緑が豊かで静かな住宅地で、近くには琵琶湖からの疎水が流れており、小さな魚がゆらゆらと気持ちよさそうに流れに身をまかせていました。
(多分、うちの息子が見ると「あのお魚採りたい!」って絶対言うだろうな~)

今回のクライアントであるNさんからは、この古家をリフォームして使うつもりはないが、
1. 何か外して使える部材が無いかどうか
2. 敷地の前面道路が狭いので工事をしにくい土地のように思うのだが、
  その点について見解を聞かせて欲しい
と相談されました。

最初外観を見た印象からは、正直使えるものはないだろうなぁ・・・と諦めていましたが、中に入ってみると建具関係(障子・襖・舞良戸)に素直で品が良くて使いやすいものがたくさんありました。
和室の床框や玄関の靴脱ぎ石なども、上手に解体すれば使えそうないいものがありました。

でも、構造材にはあまりお金をかけた様子が見られなかったので、どうもこれらの建具はこの家を建てた当時(大正時代)どこかよそから貰い受けてきたのではないか?というような気もしました。
もしそうだとしたら、これこそ京間というモジュールのなせる業ですね。

こういう、モノを上手に再利用できるように考えて作るモノづくりの知恵はきちんと見直して継承していけるといいですね。

 

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古い?新しい?

2週間ほど前のことですが、仕事の打ち合わせが終わった後、京都市左京区にある曼朱院門跡へ行きました。
このあたり(北白川・修学院近辺)には詩仙堂や修学院離宮、白沙村荘などもあり、美しい建物がゴロゴロしています。

曼朱院門跡へ行ったのはすごく久しぶりだったので、どんな建物だったかすっかり忘れていましたが、やはり美しかった・・・。
今回は特に屋根を詳しく見てきました。

上の写真は小書院(こしょいん)の外観です。
杮(こけら)葺きの屋根で、華奢で繊細な雰囲気を出すために、勾配は3寸とゆるめでした。
起り(ムクリ)はついていません。
軒がちょうどいい感じに低く抑えられていて、とても繊細でした。

一方、下の写真は大書院(おおしょいん)の屋根です。
材料は同じ杮葺きですが、屋根勾配も5.5寸~6寸(推定)と小書院よりも勾配をきつくして、大らかな感じを出すために少し強めのムクリをつけています。

大徳寺高桐院(京都市北区)の書院もこれと似たような屋根ですが、僕はこんなやわらかい感じの屋根が大好きです。

曼朱院門跡は、桂離宮の造営と同時期に、同じ人が同じ材料を用いて作ったと言われていて、桂離宮と似たところが多々あるそうです。

最近仕事の関係で京都に行く機会が多く、少し時間が空くとすぐにお寺を観に行ったりするのですが、久しぶりにいろいろと実測して回りたくなりました。

名建築の実測は何よりも一番勉強になります。
建物をつくった棟梁の考えたことが、実測すると手に取るようにわかりますからね。
少しずつ、少しずつですが、もっともっと研鑽を積んで、みなさんにより美しい建物をご提供できるように頑張ります。

昨日の晩、西宮市内で竣工した建物のクライアントと現場で少し話をしたのですが、今回できた建物をみて

「変わった家ですよね。
何だか、古いんか新しいんかようわからんような家ですね」

と評されました。
そう言われると、どの家もそうかもしれません。

この記事の前半を読んでいただいてもお分かりのように、僕は日本の伝統的な建物のつくり方を強く意識しています。
僕の設計する建物は、手法やセオリーが伝統的なものに基づいていて(もちろんアレンジを加えていますが)、使う材料は現代的なものなのできっとそう言われるのでしょう。

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