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無言の先生

工事中の現場が一通り完了し、このところ設計物件が重なっています。
設計・設計・設計・・・の日々です。

東風は設計事務所なので設計は本業なのですが、現場に出られないのもちょっと寂しいです。

でもそう言っているうちに現場が始まると、
「あちこち走りまわらないで、じっくり腰を落ち着けて設計がしたい」
と言い出しそう・・・なんて思うと、勝手なもんだと自嘲。



今日は久しぶりに古民家の調査で兵庫県丹波市の現場へ行きます。

どんな家だろう、どんな材料だろう、どんなことを考えてつくられた家だろう、と考えるとワクワクしてきます。



古い家は昔の大工さんと頭の中で対話ができるから楽しいんですよね。

古民家の調査現場で、じぃ~っといろんなところを見ていると、
「なぜこうしたんだろう」
「どうしてここにこの材料を使ったんだろう」
なんていう疑問が次々に湧いてきます。

それらに仮説を立てては確認し解答を与えていく、という読み取り作業をしているのですが、それが建てた棟梁との対話です。

その人の気持ちになって考える。
同化するような感覚ですね。



どこまでその棟梁の気持ちに近づけるか。
どこまで読み取れるか。

自分の力量が試されている、と感じる時でもありますから気が抜けません。
でもその分、毎回学べることは多いですね。

会ったこともない、無言の先生に対峙している瞬間です。

 

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所信表明

年輪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きれいな年輪でしょ?
静岡の杉の木で、推定樹齢は約110年です。

今からお伝えする記事の内容とこの写真との間には特に関連性は無いんですが、今日の記事を投稿するにあたって、なぜかこの写真が頭に浮かんだので使いました。



年頭にあたり、自分自身のこれまでを再度見つめ直し、今年の指針を考えてみました。
今年の9月で事務所を立ち上げてちょうど10年を迎えます。

 

そんな節目も意識してか、自分自身で決めた指針・・・(↓)、

 

今年は1年間にお引き受けする物件数を、これまでよりも少なくします。
(おいおい、大丈夫か? なに言うてんねや?と突っ込まれそうですが)

 

 

 

どういうことかお話ししますね。

 

わざわざ改めてBlogでんなこと言わなくてもいいかな、とも思うのですが、自分自身の決意表明の意味もこめて書きます。

 

 

 

実は数年前からいろいろ思うところはあって、身近な人には軽く相談したりしていたのですが、自分が木造専門の設計者として

 

【他の人ではなく、自分でなくてはできないこと】

 

にもっともっと注力して業務を行うべきなのではないか?と感じていました。

 

 

 

社会に貢献する、みなさまのお役に立つという観点から考えて、今自分が向いている方向・姿勢は本当に正しいだろうか?ということについて、これまで何度も自問してきました。

 

そうやって日々の業務に取り組んできて、この年始にようやく確信に至ったのです。
やはり他の人にもできることは自分が手がけるべきではなく、他の方にお任せすべきだと。

 

そうすると、自分が先輩から受け継いだものや与えられた現在の環境・育ててもらった能力を、より自分が必要とされる分野に注力することができるし、自分が必要とされる分野(=自分でなくてはできないこと)で社会に貢献していく方がみなさまのお役に立てると思うのです。

 

 

 

誤解されないように申し上げておきますと、今までやっていたことが正しくない、という意味ではありませんし、180度方向転換するわけでもありません。

 

木造専門でやっていくことも変わりませんし、新月期の伐採材を自社で作っていくこともこれまで通りやっていきます。

 

基本方針として変えるのは、自社で施工まで手がける物件を増やし、設計のみを引き受ける物件を少なくするということです。



少し具体的に説明しますね。

これまで木造建築 東風では【設計を本業とする建築設計事務所】としてのスタンスを主としてきました。

しかし今後は【自社で設計から施工までを一貫して行う工務店】へとシフトすると言った方が近いかもしれません。



設計だけをお引き受けして施工は他社にお願いする場合だと、どうしてもやりきれない部分があります。

 

第3者として現場を監理するという立場からすると、それは決して悪いことではありません。

しかし現在の自分の能力をより高く発揮できるのは、設計から施工までを一貫して自社で行い、材料の調達・管理や使い方にまで責任を持ったやり方だと確信するに至ったからです。



しかし、施工まで自社で行うとなると、今以上にたくさんの手間を各現場にかけていかなければならなくなります。

 

そうすると、現在の事務所の体勢ではお引き受けできる物件数を減らさざるを得ない、という冒頭の結論に至ったわけです。

 

より高いサービス、より良い商品、より深い満足度を提供し、社会に貢献したいと考えて判断したことですので、ご理解をいただければ幸いに存じます。

 

 

 

ただ、設計監理のみの業務は絶対に引き受けない、ということではありませんのでご安心下さい。

 

遠隔地などで、自社で施工管理を行うのは「お客様にとってもメリットが少ない」と判断した場合には、今までどおり設計業務のみをお引き受けし、施工は他社(工務店さん)に引き受けていただくというこれまでの形も引き続き行っていきます。

 

今後ともどうぞよろしくお願いします。




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職人さんのセンス

建物をつくるためには設計図が必要です。
僕ら建築家の最も端的な(目に見える)仕事は設計図をつくることです。

ですから
「設計図があれば、それをもとにしてつくるのだから誰が作っても同じだろう」
と思われる方も多いと思うのですが、それがそうはいかないのです。

実際に現場で手を下す職人さんのセンスや判断力、提案力、質問力によって、建物の出来具合は大きく変わっていきます。



うちが手がけているような木造建築物の場合、やはり一番大きいのは大工さんのセンスですが、センスのいい大工さんというのは本当に少ないです。

例えば枠の取り付けにしても、ただ図面に書かれている寸法どおりにやっておけばいいというものではなく、木の目やクセを見て使い方を考え、実際に手を下す前に一言相談する。

その小さな積み重ねができる人とできない人とでは、最終的な建物の仕上がりが大きく違ってきます。



木の目やクセというのは、

○ 赤身白太の入り具合
○ 節の有無・大小や、生節/死節の違い
○ 目の詰まり具合、柾目/杢目の向きや勝手
○ 木の元末、木表/木裏、男/女をどのように使うか

などといったところが主な勘所ですが、このようなことを考えながら仕事をしていくと、設計図面どおりに納めない方がいい場合というのもしょっちゅう出てきます。



今、東風で施工中の京都市N邸という現場を手がけてくれている大工さんは、こういったセンスが抜群です。

僕がこれまで付き合ってきた大工さんの中でもトップクラスです。
(もちろん、刃物の切れや腕もピカイチです)

こういう大工さんに手がけてもらえると、木がとても喜びます。



これまで何度もブログでご報告してきたとおり、京都市N邸では木材に尋常ならざるいろんな人の思い(建築主・生産者・設計者etc)が入っていますので、それをきちんと汲んでくれる職人さんに出会えて良かったなぁ・・・としみじみ思います。



もちろんこういった話は大工さんに限らず、左官、屋根、建具、基礎、電気、水道など全ての職種において言えるのですが、建物が出来上がってしまった後ではなかなか目に見えない話で、とかく設計や材料ばかりが取りざたされがちです。

こんなことを書いても実感としてはなかなか伝わりにくいと思うのですが、それでもちょっとお伝えしておきたいな、と思ったので書いてみました。



Sさん、I さん、いつもありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。



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他人の振り見て・・・

昨日、先日来取り組んでいた不動産物件調査が完了しました。

この物件は
○ 敷地と道路との関係(接道問題)
○ 市街化調整区域内である
という条件がいろいろと複雑で、全容を明らかにする調査にも時間がかかりましたが、結果はあまり芳しいものではありませんでした。

今回の調査では主に土地がややこしかったのですが、築40年の建物がリフォームに耐えうるかどうか?というところも調査しました。



このような中古住宅の調査をしていると、実はとっても勉強になることが多いんです。

数十年または百数十年前に
「こうやっておけば大丈夫やろ」
と職人さんが考えて設計した建物が、時間を経ることでどう変化していくか?ということを一瞬のうちに目の当たりにできるわけです。



数十年、またはそれ以上の時間に耐えうるために、やはり一番大切なことは

【基本構造】がしっかりしているかどうか

です。

僕もいろいろ見てきましたが、これ以外にありません。



地盤、基礎、構造計画、材料の吟味、雨仕舞、換気など、そんなに難しく考える必要は無くてどれもみな当たり前のことなんですが、この当たり前のことができているかどうか?が後年になって大きく響いてきます。

デザインも同じですね。
やはり基本が大事です。

手の込んだことをする前に、「まずは基本をしっかりと」です。



他人の振り見て何とやら・・・ですが、僕が今作っている建物も、後年になって

「なんでこの人こんなことしたんやろ?」

と建物を見に来てくれた大工さんに思われないように日々精進しないと・・・と気持ちが引き締められます。



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様相について思うこと

様相(ようそう)建築と言われる建物があります。

1990年代前半に大阪に建てられた新梅田シティ。
関西圏の方にはおなじみのビルでしょう。
設計者は京都駅ビルと同じ、原廣司+アトリエφ

建物を視覚的な反射率の高いガラス張りによって構成し、その時の天候や周囲の景色を建物の外壁=ガラスに映りこませて、建物を周辺環境に同化・調和させて建物の存在感を消したり、建物の表情の変化を楽しむというのがその設計趣旨です。

下の写真は僕が学生のとき(かれこれもう16年前)に、その設計者のコンセプトを反映させた写真を撮ってみたい、と思って写したものです。

ガラスに青い空や白い雲が映りこんで建物を消し、空中庭園と呼ばれる、頭頂部の白いデッキが空に浮かんでいるように感じさせたい、という設計者の意図が絵になっているでしょうか?

この建物やこの種の設計コンセプトが良いかどうかは別にして、この【様相】というものについては、どうも女性の方が敏感な気がします。

上記のような現代建築ではなくても、日本の伝統的な建物は陰影を大切にしているので、季節や天候によって室内の佇まいが変化しますよね?

僕も建物を設計する際には陰影にものすごく気を使います。

それこそ、
「ちょっとおかしいんちゃう?」
といわれそうなくらいに(笑)。

でも、日本の木造建築の真髄は
【陰影・プロポーション・素材感・繰り返すリズム】
にあると思っているので、こればっかりはないがしろにできません。

まぁそんな僕のこだわりはどうでもいいんですが、うちのスタッフ(2人とも女性です)と建物の話をしたりしていると、同じ設計者なのに見ている観点がえらく違うなぁ・・・と感じることが多いのです。

そういう様相の変化に重きを置くのは、やはり感情の機微を掬い取ることに長けている女性ならではの優れた能力の一つなのでしょう。

(↑ 女性の皆さん、そうじゃなかったらごめんなさい)

設計者というのは、全てを頭の中でイメージしきってから建物を作っていると思われるかもしれませんが、決してそんなことも無いんですよ。

出来上がってから
「うわっ、ここから見るとこんな風に見えるんか!」
とビックリすることもあるくらいです。

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3D内観イメージパース

モデリング


 


 


 


 


 


 


モデリング0


 


 


 


 


 


 


 


日曜日に、うちの事務所で新築2世帯住宅の設計打合せを行いました。

西宮市内で今年秋に竣工予定のY様・K様のお宅です。
上の2枚の画像は、K様、Y様のお宅の内観イメージパースを当方設計スタッフが作成したものです。



このところ、東風では

このようなイメージパースを作成
       ↓
クライアントの皆様に当方事務所まで足を運んでいただいて
       ↓
打合せ室(←和室ですが)の壁面一杯に、このような画像を
プロジェクターで大きく投影
       ↓
内観イメージを確認していただきながら設計を進める

というやり方で打合せを行うようになってきました。



イメージパースを紙に印刷しただけだと、どうもスケール感がつかめなかったりするのですが、大きく投影するとだいぶイメージが掴みやすくなります。

前の記事( ↓ )に続き、これもコミュニケーションツールの進化の恩恵ですね

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佐用町 民家再生と干し柿

先月末に兵庫県の西端、佐用町というところで民家再生の相談依頼を受け、現地調査・プランの作成した後、昨日そのご提案・説明を行いました。

築後150~200年程度経過していると思われる、通常より一回り大きいかやぶき民家です。

この建物を含む土地を昨年購入され佐用町に移り住まれた k さんは、この建物を改修して店舗と簡易宿泊施設として使いたいと構想を膨らませています。

設計の打合せをしている最中の奥様は、目をきらきらと輝かせてとてもうれしそうで、喜んでいただいているご様子を見ていると、こちらもとてもうれしくなってきます。



今回のご提案は某大手不動産会社さんとうちとの2社競合だったのですが、両者の提案内容は全くスタンスの違うものでした。
(ホンマに天と地ほども違う・・・
 ちなみにコスト面では先方が天、うちが地でした)

依頼者が同じでも、やはり提案者によってプランって全然変わってくるものだなぁ、と感じました。
このところうちでは公募型の設計コンペに参加していませんが、設計コンペなんかに参加するとこういうことは本当に強く実感します。

今回は当方の提案をとても気に入って下さったご様子でしたので、お力になれるといいなぁと思います。



提案資料として提出した、店舗内観のイメージパースの一枚をご紹介します。

今年の4月からうちで設計スタッフとしてしごかれている女性スタッフのUが描いた水彩画です。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

佐用町民家再生


 


 


 



僕はこういう手描きの絵は苦手なのでイメージパースはいつもパソコンで作りますが、僕以外のうちのスタッフはみんな絵が上手です。
( ↑ 所長、ダメじゃん・・・)

こういう個性は大切に伸ばしてあげたいと思います。



干し柿


 


 


 




上記Kさんのお宅へ調査に伺った折、敷地内の柿の木がたわわに実をつけていたのですが、軒先でこんな懐かしい光景を見つけました。
とても美しいですよね。

今の時期、郊外に出かけると柿の木がきれいですね。
(って、今残っているのはもう渋柿でしょうけれど・・・)



うちのまわりの公園でも桜の木が半分ぐらい落葉していて、地面は色とりどりの落ち葉で一杯です。

来週は数回京都・滋賀へ行くので、ちょっとさぼって大徳寺高桐院にでも行ってこようかな。



【お知らせ】
○ 11/21(金)-22(土)に静岡市で新月伐採見学会を行います
                  (樹齢110年の杉と桧)
○ 11/29(土)-30(日)に滋賀県大津市で新築住宅の完成見学会を行います
上記イベントの詳細はこちらをご覧下さい

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シャンペンシャワー

オーベルジュ土佐山

実は3月の末に2日だけお休みを頂いて、家族で高知県へ旅行に行っていました。

鉄道が大好きな息子が小学校へ入る前に(←現在小1)、JRに乗り倒す旅をしようということで息子に聞いたところ、
「JR四国へ行って、南風とか、しおかぜとか、マリンライナーに乗りたいッ!」
というので土佐へ行ってきました。

ちなみに、『南風』『しおかぜ』『マリンライナー』というのは全てJR四国にしか走っていない特急の名前です。
JR九州にはもっとたくさんの独特な特急があります。

で、そんな息子の話はこのブログでは脇に置いといて、このとき泊まったのがオーベルジュ土佐山というホテルです。

僕はあまり期待せずに行ったのですが、行ってみたらここは建物がとても素晴らしかったです。
地元・土佐の株式会社 細木建築研究所という設計事務所の手による設計でしたが、細かいところまできちんと気が配られたセンスのいい設計で、とても勉強になりました。

で、そのオーベルジュ土佐山の客室に浴室がついていたので入ってみたのですが、シャワーに使われていたのがグローエ社の商品でした。

グローエはデザインに優れた水栓メーカーとしてご存知の方もいらっしゃると思います。
僕も何度かクライアントのお宅に使わせてもらったことがありますが、実際にシャワーを自分で使ってみたのは実は初めてです。

で、このシャワーはヘッド部分で水流の切り替えがいろいろできるようになっているんですが、シャンペンシャワーというモードがとってもやわらかい水あたりで気持ちいいんです。
メチャメチャ欲しくなってしまいました(笑)。

最近は、上述のグローエの他にも、ドンブラハ、リラインス、ハンスグローエなど気の効いたデザインの水栓を好んで使いたいという方が多いですね。
確かに美しいデザインの水栓は、カタログを見ているだけでも楽しいです。

ユーロの値上がりで欧州メーカー勢は軒並み値上げをしているようですが、見た目のデザインもさることながら、シャワーヘッドの水流の感じも選択の際の要素のひとつに加えられてみてはいかがでしょうか?
(ホンマに気持ちいいですよ♪)

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つながりと恩恵

昨日は一日中、京都市内で2組のお客さんと打合せをしていました。

お一方は京都市内に住宅を建築するべく土地を取得されたNさん。
もうお一方は同じく京都市内で、ある施設の改修を計画されているFさんです。

どちらのお客さんとも、ゆっくりととても充実したお話をさせていただくことができました。
これから時間をかけてご提案をおこなっていくのですが、ご期待に応えられるようにがんばります。



昨晩Fさんとお話させていただくうちに、自分自身で改めて認識したことがあったのでみなさんにご報告させていただきます。

実は、Fさんとは2001年の年末に初めてお会いしました。
その後何度かお会いして、施設の調査や改修計画のご提案などをさせていただいた(←まだ実施には至っていません)のですが、初めてお会いしてから3ヶ月ほど経った2002年の春、Fさんが

「さとうさん、東京へ行ってOMソーラー協会の講習会を受けてきませんか?
 そしてうちと同じような施設を一緒にいくつか見学してきましょう」

と言ってくださいました。



どうしてあの時点でそのようにおっしゃってくださったのかいまだに信じられないのですが、なんとその費用・宿泊費などは全てFさんが出してくださったのです。
(本当にありがとうございました m(_ _)m )

その時受けたOMソーラーの講習会で学んだ内容は、建物の断熱・気密・温熱環境などの設計に対する僕自身の設計姿勢を根底から覆してくれました。
(大学でも同じような内容を環境工学という講義で学んでいたのですが、大学の講義を甘く見ていた僕は、自分自身の設計姿勢を変えることができませんでした)

もう少し平たく言うと、それまでは断熱・気密に対する意識が今よりずっと低かったのですが、それを一気に高めてもらうことができたのです。



そのおかげで、2002年以降当方で住宅を設計させてもらった全てのクライアントの皆様は、この時Fさんから僕が受けた恩恵を(間接的にではありますが)実は受け取っています。

もし、あの時FさんがOMソーラー協会のセミナーに僕を参加させてくださらなかったら、現在の僕の設計する建物における温熱環境はもっとレベルの低いもので留まっていたことでしょう。

人とのつながり、人から受ける恩恵、そして自分が受けた恩恵を還元していくことの重要性を昨日は改めて認識できました。

Fさんはじめ、日頃お世話になっている皆様に深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。



【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います
(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

詳しくはこちらをご覧下さい

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空が透けて見える家

神戸市北区で建築中の現場の外部足場が金曜日に外されました。
変に主張しすぎないが目を惹く、なかなかいい感じの外観に仕上がったように感じ、ほっと一安心です。

上の写真は北側(正面とは逆)からの外観全景です。
1階の外壁(木製建具による開口部)にはまだ雨養生のためのブルーシートが張られています。

クライアントのSさんも外部足場が外れたのをとてもうれしく感じてくださったようで、じっくりいろんな角度から自分たちの家を眺めたそうです。

いろんなアングルの中で、Sさんもびっくりされていたのが上の写真のアングル。

「さとうさん、公園のあたりからうちを見ると、2階の窓を通して反対側の空が透けて見えるよ!」
(画像をクリックするとよりよくわかります)

設計した本人(←僕)もこんな見せ方を全く考えていなかったので同じようにビックリしました。
だってこの大きなガラスの開口部は、あくまで家の中から外の景観を楽しむために設計したんですからね。
ちょっとうれしいサプライズでした。

9/15(土)、16(日)に開催する完成見学会に来られた方は、ぜひこのアングルからも建物を見てください。
そのころには1階開口部の木製建具(もちろん上から下まで透明ガラス)も完成していますから、もっともっと透明感が増すでしょう。

さらに現場に行く楽しみが増えました。

現場を施工してくださっている輝建設株式会社の現場監督・Tさん、職人さんも明日からつかの間のお盆休みです。

現場のみなさんのご協力により、とてもいい建物に仕上がってきています。
どうもありがとうございます。

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