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家は社会資産

先日クライアントのNさんと打合せをしていた時に、言われてと~ってもうれしかった言葉がありました。

これからつくろうとしている僕たちの家は、確かに自分たちでお金を払って作ってもらう家ではあるが、自分たちだけのためにつくるわけではない。
(現在はまだ設計の段階だが)もうすでに何だか自分たちのモノではないような気がしている。
さとうさんに頼むということはそういうことだと思っている。

自分たちが住まなくなった後にも建物は残って、他の人が住み続けられるようにバランスの取れた価値のある建物にしておいてほしい。

一言一句は正しくはありませんが、このような趣旨のことを言っていただきました。
もう光栄の極みで、打合せの最中、密かに感動しておりました(涙)。
Nさん、ありがとうございます。

Nさんは京都市内にご自宅を新築されるのですが、昨秋静岡で行った新月伐採時に京都から静岡の山奥まで出向いて伐採作業に立ち会っていただきました。
現在乾燥中のこの木材を使って来年から建て始め、竹木舞下地を編んで土壁をつける家のため、完成は再来年の予定です。

僕の提案にご賛同いただいて、上述のように時代に逆行しているようなことばかり(それとも最先端か?)実行しようとしています。

実はこの家の計画をこの企画に応募するつもりです。

家は法律上は個人所有であっても、最終的には社会資産。

そんな考え方が一般に定着するまでにはまだまだ時間がかかるでしょうが、確実にその方向へ向かいつつあると思います。
だからこそ、今考えておかなくてはならないこと、こだわっておくべきことがいろんなところにあるのです。

今後数十年だけよければいい、ではダメなのです。
本当に美しいとはどういうことか?
年月を経ても絶対に変わらない、普遍的な価値とは何か?
ということを見つめて建物をつくり続けて行くことが僕自身のライフワークです。

昨日は自分の誕生日だったので(笑)、たまにはこんな力の入ったことも書いてみました。

みなさまいつも読んでくださってありがとうございます。
これからも、たくさんの皆様に役立てていただけるような情報を提供していけるように励んでまいります。

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世界に、300年先も美しい風景を

空が透けて見える家

神戸市北区で建築中の現場の外部足場が金曜日に外されました。
変に主張しすぎないが目を惹く、なかなかいい感じの外観に仕上がったように感じ、ほっと一安心です。

上の写真は北側(正面とは逆)からの外観全景です。
1階の外壁(木製建具による開口部)にはまだ雨養生のためのブルーシートが張られています。

クライアントのSさんも外部足場が外れたのをとてもうれしく感じてくださったようで、じっくりいろんな角度から自分たちの家を眺めたそうです。

いろんなアングルの中で、Sさんもびっくりされていたのが上の写真のアングル。

「さとうさん、公園のあたりからうちを見ると、2階の窓を通して反対側の空が透けて見えるよ!」
(画像をクリックするとよりよくわかります)

設計した本人(←僕)もこんな見せ方を全く考えていなかったので同じようにビックリしました。
だってこの大きなガラスの開口部は、あくまで家の中から外の景観を楽しむために設計したんですからね。
ちょっとうれしいサプライズでした。

9/15(土)、16(日)に開催する完成見学会に来られた方は、ぜひこのアングルからも建物を見てください。
そのころには1階開口部の木製建具(もちろん上から下まで透明ガラス)も完成していますから、もっともっと透明感が増すでしょう。

さらに現場に行く楽しみが増えました。

現場を施工してくださっている輝建設株式会社の現場監督・Tさん、職人さんも明日からつかの間のお盆休みです。

現場のみなさんのご協力により、とてもいい建物に仕上がってきています。
どうもありがとうございます。

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【木の家-9】あなたの家から考える地球温暖化~その2・太陽光発電パネル助成金の意味

※この写真は、兵庫県で僕が設計した『但馬の家』
 に取り付けた太陽光発電パネルです。
 最後に大事なお知らせがありますので、ぜひ終わりまで読んでください。
 
 
 
前回は、太陽光発電パネルの普及のために、政府が助成金を出して援助している、というお話をしました。

(前回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方へ。
申訳ありませんが、まず下にある2/19付の記事を読んでから、またココに戻ってきてください。)

ではなぜ政府がそこまでして助成するのだろうか?ということをお話しします。
ついでに言うと、このような省エネルギーや、地球温暖化を防ぐ(つまりCO2排出量の削減の)ために有効な活動に対する助成は他にもあります。
太陽熱で暖房を行うOMソーラーシステムなどもその対象になっています。

まず、先週発効された京都議定書には、下記のような内容が定められています。

・1990年のCO2排出量を基準として、2008年~2012年の年平均5.2%削減を目標に掲げ、日本やカナダに6%、欧州連合(EU)に8%、米国に7%(※)の削減をすること。
→ つまり、今から3年後~7年後の4年間に排出するCO2の年間平均総量を、
日本は6%削減しなさい、と言われているわけです。

(※)ちなみに一番負担の大きい米国は、「や~めた」と言ってそそくさと逃げていきました。
これが「米国は京都議定書に批准しない」という意味です

では、現状はどうなのか?
1990年のCO2排出量を100とすると、2003年度のCO2排出量は114.。
なんと!6%減るどころか、逆に14%も増えてしまっているのです!
つまり、目標達成のためには20%削減しないといけない・・・。
これは大変なことです。
じゃぁ、もしこれが達成できないとどうなるか?

その場合には、約束したCO2排出量にはまだ余裕がある国からCO2排出権を買ってもいいよ、ということになっています。
今、その相手として有望なのがロシア。
もし京都議定書の約束が守れない場合、ロシアのCO2排出量は基準値を下回るだろうという予測のため、ロシアに下のような話を持ちかけることになります。

 
日本:「あのさぁ、うちCO2作りすぎちゃったんだよね。
このままだと京都議定書の約束守れなくなっちゃうから、
   おたくが持ってるCO2捨ててもいいよ、っていう権利売ってくれない?」

ロシア:「ああ、エエよ。でもちょっと高いでぇ~」 ← なぜか関西弁?

日本:「えっ?高いの? ちなみにいくらくらい・・・?」

ロシア:「う~ん、そやなぁ。数千億円ってところでどうや?」

日本:「(絶句)・・・」

このような事態が目と鼻の先にぶら下がっているわけです。
そりゃあ必死こいてCO2削減のために頑張らんとアカン!というわけで政府は助成金を出してでも対策を講じているのです。

ロシアに捨て金払うくらいなら、自国のみなさんの設備を充実してもらって、少しでもCO2を減らしてもらおう、ということですね。

 
 
ところで、私が昨年設計した『但馬の家』は、太陽光パネルだけでなく、エコキュート・蓄熱式床暖房などを備えたローコストのオール電化住宅です。
導入にあたっては、いろんなシミュレーション(コスト試算)をしてみました。
 
 
 
・ 床暖房は電気式、温水式、蓄熱式などいろいろあるが、イニシャルコスト・ランニングコストを考えると、結局どれがオトクやねん!?
・ 太陽光発電パネルってエライ高いけど、ホンマに元とれるんか?
・ エコキュートってヒートポンプを使った電気式温水器やろ?最近はやってるけど、ホンマに得なんか?
 
ということなどです。
そのシミュレーション結果を次回第3弾としてご紹介します。
必見ですよ!

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