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壁土の違い

京都市N邸(伝統構法)新築工事現場では、中塗り土を使った底埋め作業が進んでいます。

昔ながらの土壁を作る工程では、大きく分けて

○ 下塗り(荒壁)用の土
○ 中塗り用の土
○ 上塗り用の土
  (またはしっくいの他、化学系仕上材である繊維ジュラク・珪藻土などなど)

という3種類の材料を何工程かに分けて塗り重ねていくことにより、土壁を作っていきますが、実は下塗り/中塗り/上塗りでそれぞれ土やスサが違うのです。

今日はその土の違いを写真でご紹介します。

今回のN邸現場では上塗りをせずに中塗りで仕上げてしまうやり方をするので、残念ながら上塗りの画像はお見せできません。

でもまたどこかで写真を撮ってきたらお見せしますね。

 

荒壁0121

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は下塗りの土(荒壁)が乾燥した状態です。


中塗り土0121

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの写真は、中塗り土が乾燥した壁の写真です。

2枚を見比べて頂けるとお分かりかと思うのですが、下塗り土の方が粒子が粗く、スサも長いものを使っています。

それに比べて中塗り土は粒子も細かくなり、スサも細く・短いものを使っている様子がお分かりになるかと思います。

一言に土壁と言っても、実はいろいろなんです



上塗り用の土(水捏ねじゅらく)となると、さらに粒子が細かくなり、スサも微細なものになりますが、それはまたいつかの機会にご紹介しますね。



 

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世界に、300年先も美しい風景を

京都市N邸・伝統構法の刻み、進行中です

昨日、兵庫県三田市の西本製材所へ行ってきました。
2月から取り掛かっている京都市N邸の刻みの作業状況を見るためです。

大工の西田さんがいつもの調子で丁寧に刻んでくれていました。
コツコツ、コツコツと、本当に気長に1人で黙々と作業を続けてくれています。
(西田さん、いつもありがとうございます)


刻み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は管柱の長ホゾを刻んで、最後にのみで仕上げているところです。
このホゾはメチャメチャ長くて、7寸の足固めを貫通した後、床束に4寸刺さるので、ホゾだけで1尺1寸あります。
(1尺1寸=約33cm)

 

だから普通ののみでは仕上げられなくて、特注の首長のみでないとうまく仕上げられません。



大工さんの道具を見ていると、同じのみにもいろんな種類があるんですが、
「これ、どんなときに使うの?」
って疑問に思うような道具ばかりです。

一度全部集めて詳しく話を聞いてみたいのですが、そんなことをしていたら半日くらいはゆうにかかりそうです。

でも、こういうことの積み重ねがこういう結果(↓)につながるんですよね。

 

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不便さと魅力

 土曜日に、神戸市S邸へ行ってきました。

9月下旬の風雨がきつかった日に、木製窓の部分から雨が染み出してきたとのことで、その漏水対策とともに一年検査を行いました。

建築主のSさんに
「一年住んでみていかがですか?この家は」
と聞いたところ、
「普通の家ではできないことがいろいろできて楽しんでいます♪」
とおっしゃっていました。

冬の吹雪の日には、木製建具の隙間から雪が入ってきて、室内に少し雪が積もったこともあったとか。
また、間仕切りがほとんどないこの家に長男の友達3人が泊まりに来たことがあったそうですが、泊まりにきた、というより合宿という雰囲気だった、とおっしゃっていました。

確かにこの家は体育館みたいな雰囲気がありますから、その話を聞いて妙に納得してしまいました。

レンジフード


 


 


 


 


 


 


 


 


いろいろ室内を見て回った後、上の写真のキッチンのレンジフードについて聞いてみました。

この家はキッチンがアイランド型で、リビングの中にボンとキッチンが置いてある感じです。
当初はグリーン排気というレンジフードを予定していたのですが、価格が高くて断念。
そしてデザイン上もあまり金属は見せたくないという配慮から、小型の壁掛け型レンジフードをアイランド用に改良して付けてしまいました。

全ての煙を逃さず吸い取っているとは言えないが、まずまずきちんと機能してくれているようで安心しました。



作る前からわかりきっていたことですが、この家は個性がものすご~く強い家です。
Sさんだからこそこんな家ができた、という感じですね。

この家にうちのお客さんを何組かお連れしたことがあるのですが、みなさん口を揃えておっしゃいます。
「あの家は別格だ」と(笑)。
でも建築に要したコストとか、床面積などの規模はごくごく一般的なんですよ。



個性が強いと言うことはそれだけいろいろと使いにくいところもあるのですが、その反面とても魅力的です。

世界的な名作住宅として名高い、アメリカ・ピッツバーグにある落水荘(Falling Water)という建物も大変美しくてすばらしい建物なのですが、その魅力の反面、やはりいろいろと住む上では不便なことがあります。

美しいバラにはトゲがあると言いますが、やはり便利さと美しさは相反するものなのだろうな、と家を作っていていつも思います。

肝心なのはそのバランスをどこで取るか?というサジ加減なんでしょうね、きっと。

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世間は狭い・・・

大津市内で T さんのお宅の新築工事が進行中です。

今年は台風が来ないので、工事を進める側としては助かります。
でも地球環境面ではちょっと心配ですが・・・。

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現在現場では外装工事が完了しつつあり、雨天の日には内装工事を進めたりしているので、両方が平行して進んでいるような感じです。

上の写真は、2階の寝室からリビング上部吹抜けの方向を見たところ。
中心に立っている柱はこの家の大黒柱です。

吹抜けを通じて南西方向を見ると、外には田んぼが広がっています。
のどかな風景です(↓)。

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実は少し前に、もう10年くらいお会いしていない大学時代の同じ研究室のT先輩からいきなりメールを頂きました。

もちろんすごくうれしかったのですが、「どうして?」と思いメールを読み進めると、なんとこの工事中の現場の斜め向かいの家に、そのT先輩の奥様のご両親が住まわれているというのです。

で、たまたま奥様のご実家に帰られた日(当時は建前直後)、木組みが外からもろに見える状態だったそうで、
「なかなかおもしろそうな仕事をしているなぁ・・・」
と眺めていたとのこと。

現場には施工を担当してくれている梓工務店さんの看板が掲げられているので、T先輩が帰宅してから梓さんのサイトを見てみると、実は設計者が僕だったことがわかり、うちのサイト経由でメールを下さった、というわけです。
(ちなみに、現場にはうちの看板を掲げていません)

世間は狭いですね。



T先輩は、全国的にも名の知れた大阪の建築設計事務所・無有建築工房に勤務されて活躍中です。

T先輩は上の事務所で現代建築の最先端みたいな建物を作っておられますが、昔から木造建築や和風建築も大好きで、学生の時には一緒にバイクでツーリングに行ったりしていました。



ふと振り返ってみると、もう大学を卒業してから15年が過ぎました。
早いなぁ・・・。

15年間、ず~っと木造だけに専念してやってきましたが、まだまだです。
これまで暗中模索で突っ走ってきて、ようやく夜が明けそう、って感じですね。

これからやっと太陽が出てきて、世の中がよく見えるようになっていくのかなと思うとワクワクしますが、金融問題やら環境問題やら、いろんな大きな問題が世の中をにぎわせています。

これから我々の社会は一体どんな方向に進んでいくんでしょうね。

まぁそんな大きなことは考えたって僕1人では何にもできませんから、ただ僕は自分の前にある道をゆっくりゆっくり進んでいくだけです。

 




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一昨日に続いてお茶の稽古のときの話題から。



茶道の稽古に行くと、挨拶をして席入りした後に、まず床を拝見します。

毎回軸と花が飾られていて、どんな内容が書かれている掛け軸か?何の花が生けられているのか?ということを先生から教わります。

今回の花は、漆塗りの花台(というか板)の上に載せた銅製の一輪挿しに凛としたハマナスが生けてありました。



その時先生に教わったのですが、床飾りにも「真行草」の形があるそうです。
ここではあまり詳しく書きませんが、花を生ける器や花台、花の種類と組み合わせや姿形などで真行草をわけるとのこと。

茶室は部屋の広さによって広間と小間とに分類されますが、一般に小間は草(そう)のスタイルで建物が造られるため、床飾りや炉縁なども草のものが用いられます。

草のものとはどういうことかというと、花台には塗り物ではなく素木のものを用いるとか、花器には釉のかかっていない素焼きのもの、または竹篭などを用いるというのが草のスタイルです。



先生からいろんな話を伺っている最中に、僕が作っている建築は基本的に『草』なんだと気付きました。

天井を張らずに小屋組を化粧として見せるデザインや、木に塗装を施さずに素材のまま使うのは『草』のスタイルです。

また1つ謎が解けたような気がします。

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