杉 建築」タグアーカイブ

杉板の撥水・防汚

杉板塗装

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年末に 現場でクライアントのN様が、室内の壁面に張る予定の杉板にご自身でオイルを塗られました。

どちらか気に入った方を塗ってもらうつもりで、当日は2種類の材料を用意しておきました。



一つは写真右側の桐油(きりゆ)。
これはこれまでにも、うちの現場ではよく使っているものです。

もう一つは写真左側のキヌカという商品。
昨年末にメーカーからお知らせをもらって初めて使ってみた材料ですが、これなかなかスグレモノです。

米糠から精製した油脂だそうで、何よりも早く乾くというのがとてもいいです。

桐油は価格も安くて撥水効果は高いのですが、乾燥に約1週間かかってしまうのが難点。

その点、このキヌカは2-4時間程度で触っても問題ない程度にまで乾燥し、1日あれば完全乾燥に至るとのこと。
しかも塗ってもほとんど表面の質感が変わらず、塗ったか塗らないかよくわからないほど控えめなのがいいです。



結局、今回は洗面・脱衣室の壁面に張る板への塗布材だったため、撥水効果が高いと思われる桐油に亜麻仁油を混ぜたオイルを塗って拭き取った仕上となりましたが、今後、現場でこのキヌカの出番が増えそうです。

塗布にも特殊な道具や難しい技術は必要ないので、どなたでも塗れると思いますよ。
無垢材の質感を損なわずに防汚・撥水処理をしたい方にはお薦めの塗料です。




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杉の大径木を製材しました

昨日に引き続き、静岡で行った製材のレポートです。

先週の火曜日に、120年生の杉の大径木を製材しました。
直径は一番細いところで60cmありました。

製材1027_1

 

 

 

 

 

 

 

 

 



木の一番根元の部分を1番玉(いちばんだま)といいますが、この木はもちろん一番玉です。
写真で見てお分かりの通り、右側が根元の方ですね。

一番玉は太さも大きくなるのですが、枝(=節)も出にくくて、とても美しい木がとれる確率が高いのです。



製材1027_2

 

 

 

 

 

 

 

 

 



製材していくにつれて、もっと節が出てくるかと思ったのですが、芯(中心)の方に近くなっても全く節が出ず、とても美しい杢の板が次々取れました。

昨年まではこういった大径木の1番玉は入荷していなかったのですが、今回の木を伐採した山はとても目の詰んだ美しい木が出る、標高の高い北斜面だったので、特別に太い木を何本か発注しました。

目的は和室の天井板と建具の鏡板をとるためです。



木から板材をとるための製材をする時には、外側から薄く少しずつ挽いていきます。
一枚一枚挽くたびに、
「もう節が出てしまうのかな・・・どうか出ませんように」
と冷や冷やしながらスリリングな一瞬が続きます。



製材はやり直しが効かないので、どんな厚みの板をとるかという判断をし続けなければいけません。

これまで120年かけて育ってきた木を挽くための判断を下すのは、大変な精神的重圧がかかります。

でもいい板がとれたときは、これまで育ててきてくれた林業家のみなさんの想いや木の魂に応えられたような気がして、すごく嬉しくなります。

 

製材1027_3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは一番中心の部分までスライスしたところの写真です。

ここまでくるとさすがに節が出てきますが、芯に近くなるにつれて杢が細かく・美しくなっていきます。
この板はカウンター材として使うように、厚み70mmと少し厚めに挽きました。

 

製材1027_4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上の写真が今回とれた天井板です。

末口の赤身の部分だけで巾40cm以上あり、俗に言う尺三(1尺3寸)巾の天井板が8畳間2部屋分取れました。

この板はこれからゆっくり乾燥させて、天井板かまたは建具の面材として使う予定です。
今からどんなものに仕上がるか、とっても楽しみです。



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杉のナグリ


昨日は京都と大津へ行ってきました。

京都市上京区の中儀銘木店さんに、先月製材した杉板に丸手斧(チョウナ)で化粧ナグリ加工を施してもらうようにお願いしていたのですが、その加工が出来上がったという連絡を頂いたので、取りに行ったのです。

この写真の左側の板が加工前の板。
下の写真左半分が、化粧ナグリ加工が済んだものです。
(画像をクリックすると、拡大表示できます。)

 

杉なぐり

 

 

 

 

 



この板はサンプルとして作ってもらったものです。
今後もずっとうちの事務所に置いておいて、クライアントの皆様への説明の際に使うつもりです。

右半分はプレナーで仕上げただけの平滑な面のまま残してあり、
「どちらがお好みですか?」
とクライアントのみなさまに尋ねて決めてもらおう、というわけです。


杉なぐり2 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真はナグリ部分を拡大したもの。
スケール感がわかるように、僕の手も一緒に撮りました。
(この画像も拡大表示できます。
 まだ細かい部分を仕上げきれていないので、少し毛羽立ちが残っています)



今回は、現在墨付け加工を行っている最中の京都市N邸・玄関式台にご提案しようと考えています。

栗とか松の板でナグリを施す事例は良く見かけますが、杉のナグリの式台はあまり見かけません。
( ↑ 別に僕が発明したわけではありませんよ)
しかし実際に足を置いてみると、なんとも言えずイイ感じです ♪

こればっかりはインターネットではお伝えできないので、うちの事務所にお越しの際はお申し出の上、ぜひ体験してみて下さい。



ナグリ加工は、柔らかくて傷つきやすいという杉の欠点をカバーしてくれて、足触りの良さ・面白さをさらに引き立ててくれます。
なかなかお勧めです。


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なぜステンレスか?

ステンレスへのこだわり


 


 


 


 


 


 



上の写真、何だと思いますか?

そう、キッチンの排水用フレキシブルダクト(配水管)です。
でもね、よ~く見て下さい。
(画像をクリックすると拡大できますからわかると思います)
この配水管はなんとステンレス製なんです。

ほとんど全てのお宅のシステムキッチンは、これが塩ビ製の配管だと思います。



もう1週間も前になってしまいましたが(スミマセン・・・)、大阪の谷町にあるキッチンのショールーム・le pur (ルプ)さんへ行ってきました。

京都市内で設計中のNさんのお宅のキッチンの打合せです。

Nさんはステンレス製の気兼ねなく使える実用的なキッチンがいいとのことで、ステンレス製のキッチンを販売されているいくつかのメーカーをご紹介したところ、le pur がいいとおっしゃったので一緒に行ってきたわけです。



le pur の平尾社長とは、昨年末に東京で行われたNPO法人・新月の木国際協会の年次研究発表会で初めてお会いしました。
明るい大阪のおばちゃん(←失礼)という感じの快活な女性、というのが僕の第一印象。

le pur さんではオールステンレスのキッチンを一つ一つ自社で設計し、製作・販売を行っています。
ホームページにも書かれていますが、製作時にエネルギーコストはかかるけれども、耐久性の高い何世代にもわたって使い続けられるものを提供したい、ということからステンレス製にこだわっておられるそうです。



でもどうも僕は腑に落ちないことがありました。

どうしてステンレスのキッチンをつくっている人が新月の木?
というところです。

で、今回ショールームに行った時に平尾社長に尋ねてみました。
「どうしてこの商売を始められたのですか?」と。



le pur さんは2000年にご商売を始められたそうですが、もともとは化学物質過敏症で苦しんでおられるお客様のために、「接着剤・揮発性有害化学物質を一切使わないキッチンを妥当な価格で提供したい」ということが起業の際のコンセプトだったそうです。

一般のシステムキッチンメーカーではオールステンレス製のキッチンであってもステンレスとステンレスの接合部には接着剤を使っていることが多いそうです。
( ↑ これは僕も今回はじめて知りました)。

しかしle pur さんでは、過敏症のお客様のに対しては接合部に全く接着剤を使わない、全て溶接によるステンレスキッチンを提供しているそうです。
(ただこれは組上げる職人の手間がかかって価格が上がってしまうので、過敏症でない方に対しては極めて安全性の高い接着剤を使っているとのこと)

そしてお客様が将来キッチンをどうしても処分しなくてはならないような事態になってしまった際には、リユースしていただけるように自社製品の中古バンクシステムも立ち上げ、それでも引き取り手が見つからずにスクラップにする場合には、そのまま全~部炉に放り込んで再生できるように、ということを考えて上述の排水ダクトまでステンレスにされているそうです。

ダクトや排水トラップの部材を全てステンレスにしているのには、排水口のヌメリがつきにくくするためという意味もあるそうです。



他にもいろんなこだわりが各所にあるのですが、全部種明ししてしまうとおもしろくないので、もっと詳しく知りたい方はle pur さんのショールームへ行ってみてください。



今回一緒に行ったNさんも感じられたようですが、やっぱり作り手の想い・こだわりが深い製品はいいものです。

僕は、物づくりおいてはコンセプトが何であるか?というのが一番大切だと思っているのですが、今回は平尾社長の口からその想いを直接伺うことができてとてもよかったです。

なんだか今回の記事は le pur さんの営業みたいになってしまいましたね(笑)。




オマケ

今回僕がいいなぁ~と思った商品はこちら(↓)

datchoven


 


 


 



リンナイの商品ですが、魚焼きグリル部分に鋳物のダッチオーブンが入れられるようになっていて、このダッチオーブンでいろ~んな料理ができるというスグレモノ。
これならピザ以外はすべてこのオーブンでできるので、ガスオーブンは要らないかも。
パン・ケーキ・グラタン・カレーなどはこれで充分できそうです。

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吉野の杉

昨日、奈良県吉野に行ってきました。
奈良市内で数年後に建てるOさんのお宅に使う木を見に行くためです。

Oさんの奥様は吉野のご出身で、お父様が林業家です。
ご先祖の皆様が代々作ってきてくださった吉野杉を使って、これから4~5年かけて家を建てます。
もちろん、今回木材を出してくださるのはお父様です。

まず今年の7月ごろに木材を伐採し、葉枯らし乾燥させます。
(吉野ではこの時期の伐採が一般的なんだそうです)

その後、ヘリコプターで出材→製材→2年間天然乾燥させてから、ようやく建て始めるので、着工は2010年の夏以降になる予定です。

昨日はOさんご夫妻を含め、総勢5名で山を登り、伐採予定現場まで行きました。
使わせていただくのは、樹齢120~130年の吉野杉です。

下の写真で木に抱きついているのがOさんご夫妻。
木の太さがよくわかりますね。
お二人とも、とても嬉しそうでした。

吉野の杉

こうやって立ち木の状態から木材を見ることができると、
「あぁ~この木からうちの家ができるんだ・・・」
という気持ちになって、感慨深いですね。

〇 木が育った山
〇 木を育ててくれた人たち
〇 製材してくれる人
〇 刻んでくれる人

など、家ができるまでには、いろんな方々が関わってくださいます。

決して高価な材料を使うわけではなくても、これら様々な人たちの想いが重なり合ってできる家は、お金の価値以上の魅力がありますし、携わってくださる人たち(作り手)も
「俺たちが作った材料はこういう人が住んでくれる家になるのか!」
と、とても喜んでくれます。

出来上がってしまってから入手すると、確かに家は
【モノ】
かもしれませんが、それだけを買うのはちょっと寂しい気がしますよね。

どの家もこういう作り方ができるといいのになぁ、と僕はいつも思うんですが、銀行融資制度などの制約があって、なかなか現実的にはクリアしないといけないハードルがいくつもあるのが現状です。
(決して、高くつくということではないんですけどね。
 周到な準備や根気がまずは必要です。)

でも、一歩一歩そのハードルを低くすべく、努力を重ねています。
どうぞご期待下さい。

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北海道から大工さんが来ました(その1)~京都・北山杉磨き丸太の現場

北山杉

 

 

 

 

 

 

 

 
昨日、北海道の大工さん3人が京都の建物を観て勉強する、という研修旅行に来ていたので、一日ご案内していました。彼らは、僕が理事をつとめているNPO法人・日本民家再生リサイクル協会の北海道在住会員である、武部建設の若手大工さん。
武部建設は民家の少ない北海道で、民家再生や古材の再利用に積極的に取り組んでいる、貴重な会社です。
そこの若手大工さんに、
「京都の建物がどんなものか自分の目で見て学んで来い!」
という社長の心意気により、今回の研修旅行が実現したのです。

いろんなところを駆け足で回ったのですが、その道中、京都の周山(しゅうざん)街道沿いに、北山杉磨き丸太を作っているところがありましたので、彼らと一緒に見学してきました。

北山杉-2

 

 

 

 

 

 

 

 
北山杉の磨き丸太は、ちょうど冬の寒い時期に作られます。
まず、
1. 秋に杉の伐採を行い、木の中に含まれる水分を抜くために1ヶ月余り山の斜面に倒したままにしておきます。
2. 次に水分が抜けた杉の木を山から降ろしてきて、
3. 荒皮(ゴツゴツした樹皮)をむき、
4. その後うす皮(荒皮の下にあるヌルヌルした薄い皮)をきれいに取り除き、
5. 最後に水と砂を使ってていねいに人の手で磨かれて仕上げられます。
これ(特に5.)を冬の寒~い時期に、外でやるのですから、大変つらい作業です。
こうして美しい磨き丸太が作られます。

北海道の家づくりと関西の家づくりでは、やはりまず使われる木材(樹種)が違います。
関西では建築資材として主に、杉・ヒノキ・松などが使われますが、
彼らの話を聞いたところでは、北海道ではエゾ松・ナラ・唐松・ヒバなどが多いそうです。
やはり木材を見つめる彼らの目はものすごく真剣で、とても真摯な姿勢を感じましたし、同じ木造建築であっても地方によって異なる大工仕事の事情(材料・工法等)の意見交換ができたのは、僕にとって大きな収穫でした。

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