【見学会】薪ストーブのある木の家に住みたい方、ぜひお越し下さい!

20110227

今回は初のジョイント企画です!
奈良市吉野杉の家構造見学会 + 伝統構法で薪ストーブを体験
2011/02/27(日)開催

奈良市内で建築中の新築住宅構造見学会を行った後

大阪府四條畷市で伝統構法住宅に薪ストーブを備えたお宅で、薪ストーブ+伝統構法の魅力を味わって頂こうという企画です。

まず奈良市内で建築中のO様宅を見ていただきます。

国産杉材のトップブランド、吉野産の杉だけをふんだんに使ったO様邸は、延べ床面積30坪の小規模住宅ですが、大変腕の良い大工さんの丁寧な仕事ぶりと吉野杉の美しさを見ていただくことができます。

その後、車で四条畷市のT様邸へ移動。

T様宅は2008年に竣工した伝統構法型住宅ですが、暖房には薪ストーブを使っていらっしゃいます。
伝統構法の家と薪ストーブって、実はすご~く相性が良いのですが、それを実感して頂くにはとても良い機会です。
 
東風のクライアントのみなさまは薪ストーブが大好きのようで、薪ストーブを使う上では薪集めの苦労などいろいろ障害もあるのですが、そのあたりの事情もユーザーのT様からじっくりお話を伺いたいと思っています。
薪ストーブのある木の家に住みたい!と思っていらっしゃる方はぜひご参加下さい。

なお、T様宅は桧のトップブランドである木曾檜をふんだんに使ってで建てた家です。

1日で杉の家&檜の家を見て、その違いなどを体感できる機会としてもとても貴重ですね。

【 日  程 】 02/27(日)

【 現場住所 】 奈良市内→移動して大阪府四條畷市へ
(お申込頂いた方へ住所をお知らせします)
【 時  間 】 13:00集合 16:00解散予定
【 定  員 】 20名

お申し込みはこちらからどうぞ。

すごい木が届きました・・・

2/2(水)に日帰りで静岡へ行ってきました。

昨年の夏に製材をお願いしていた原木を預けたままだったのですが、それをストックヤードに運んで頂くことになったので、材料の整理をするのと状態を確認するために静岡へ行ったのです。

今回運ばれてきた木は、2008年の晩秋・新月期に伐採した、樹齢120-130年の杉の木です。
もちろん、きちんと葉枯らしをした後に玉切りをした木です。

写真ではよくわからないかもしれませんが、ここに写っている木はどれも全て長さ7m~9mの特殊材で、通常は一般市場で流通しない長さの物ばかりです。
もちろん全て天然乾燥材で、すでに含水率はほとんどが25%以下という状態ですが、普通こういう材料を持っているところはほとんど無いでしょう。

林産地に問い合わせても、
「今から伐採して人工乾燥にかければ用意できるけど、天乾(自然乾燥のこと)でそんなに大きな材料は用意できないよ」
と言われるのがオチです。

2006年の秋に初めて自分で10本の原木の購入を始めてから、5年目でようやくここまで準備ができました。

さて、これをどう使っていくか・・・。
どれもとても素性の良い木だけに、喜んで頂ける方に使って頂きたいですね。

あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2211年に言ってもらえる家

今日は誕生日

このところ、日に日に日が長くなっているのを感じますね。
ちょっと前まで、関西では夕方5時を廻ると真っ暗だったのに、今は5時半を過ぎてもまだ少しの間は明るいです。
季節は着実に春に向かっています。

昨日は節分。
今日は立春。

2009年の立春に木造建築 東風と事務所名を改称して満2年が過ぎ、今日から3年目が始まります。

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この絵は、東風の字を書いて下さったゆらきの芦田様が書と一緒に描いて贈って下さったものです。
僕の机の前の壁に、東を向いて掛けてあります。
芦田様、いつも気にかけてくださってありがとうございます。

多くの皆様に支えられて木造建築だけをつくり続けていられることに、心から感謝しております。
本当にありがとうございます。

東風の名前に恥じないよう、そしてみなさまのご期待に応えるべく、また気持ちを新たにしてスタッフ一同頑張ります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

原木から家をつくる

先週末に桧の製材第2弾を行いました。

1/23には、第1弾として長さ6mの桧から長尺幅広の床板を木取りしたのですが、今回は3m・4mの原木から床板を採っていきました。

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原木を製材していくと、1本の木から全く節のないきれいな板も採れるし、また一方で節だらけの板も採れます。

これは木が山の斜面に生えている時の谷方向に向かって枝を多く出すことが原因なのですが、谷方向を向いていた面には節が多くなり、山方向を向いていた面からは節の少ない材料が採れます。

上の写真では節の多少に関らずみんな一緒にして積んでありますが、実際に部材として加工する前には節の有無によって一度材料を選別します。

今回は、節の多い材料は床板に使い、節が少ない材料は敷居などの造作材に使う、という具合で使い分けることになります。

魚に例えると、1匹のマグロからは赤身や中トロ・大トロが同時に採れ、少ないけれどもホホ肉も採れる、というのと良く似ていますね。

ちょっと想像してみて下さい。

ネタを市場で仕入れているお寿司屋さんに行って食べる時に、確かに味は美味しいけれどもネタに関する話を聞かされないで「美味しかったね」と言って食べて帰ってきた場合。

かたや、
「今日のネタはね、知り合いの漁師に直接頼んでおいて、水揚げされたやつを1匹丸ごと仕入れてきたんですよ。
だから今食べてもらった魚のあら煮とかホホ肉も用意できますよ。
ちょっと食べてみませんか?」
と板前さんが話してくれた店で食べて帰ってきた場合。

どっちが後々まで思い出に残るでしょうね? 

今回挽いた桧はせっかく90年もかけて育ってきた木なのですから、無駄なく使ってあげないと。
こういう材料の設計によって建物の印象や意味合いが全く違ってきます。

常々感じているのですが、もっと多くの方がこういう家づくりを自由にできるようにしたいなぁと思っています。
決してとんでもなく高くつくわけではないのですが、風評に押されてしまったり、住宅ローンの期限の制約などがあるせいで、現代ではまだまだ一般的ではありません。

東風では、できる限りこういう家づくりをクライアントの皆様にご提案していきます。

だって、こういうつくり方をすると、同じ家ような家は絶対にできなくて、つくっている職人もワクワクするし、山も木も林業家も喜ぶし、何よりクライアントの皆様にはとても喜んで頂けるからです。

東風のホームページでは、原木の伐採から家づくりを行った実例を公開しています

昔はこれが当たり前のつくり方だったんですけどね・・・。
やらねばならないことはまだまだ山積みです。

100年前に・・・

先日、兵庫県淡路市のT様邸古民家改修計画現場へ行った時のことです。

T様との打合せが終わり、これから改修計画を立てる建物の材料や状態を見ていました。

もともとしっかりした建物であることは、以前調査した折にわかっていたのですが、床の間の材料を良く見ていると大変珍しい玉杢の材料が使われているのに気付きました。

現場がちょっと暗かったことと埃をかぶっていたので、樹種の特定まではできなかったのですが、ケヤキかタモと思われる表情の、上品な玉杢の床框でした。

T様がおっしゃるには、この家は100年前に地元の名家からここへ移築されてきた建物だとのこと。

それを聞いて、なるほどなぁ~と合点がいきました。

僕らは古い建物を観るとき、まず材料を観ます。

それから建物全体の構成や細部の仕事やデザインを観ます。

 

建物が残されるか否かにおいて、もっとも大切なのは材料の良し悪しと全体の構成です。

材料は良いけれど、全体の構成が悪い・・・という残念な建物は、近年建てられたものの中には割と多いのですが、100年くらい経過している建物の中にはほとんどないですね。

昔の職人さんは基本をきっちり抑えていたからでしょう。

近年は設計者と施工者の分業が進んできたことや技術が進んだ弊害で、建物をつくる上での基本が軽視されているように感じます。

そうすると、基本構成が全然できていないのに、材料だけはものすごく立派・・・というバランスの悪い建物が増えてしまうのです。

・・・と、話がそれてしまいました。

T様のお宅は、100年前に移築されようとしている時点で、すでに最低でも50-60年は経っていたでしょう。

(材料から推測する限り、200-300年経っているようには見えませんでしたので)
こうやって大事に大事に使われ続けてきた建物を今からまた再生しようとしている。

とても大切なことですね。

初めて知りました・・・

実は昨年の今頃から話題になっていたのですが、今回ようやく納得がいった課題がありました。

一昨年の秋、現場で大工さんが埋木(うめき)をするのに材料を手配することになり、
「梅の木がいちばんエエねんけどなぁ・・・」
と言うので、ボランティアで民家再生をしている兵庫県赤穂郡の現場で枝払いをした梅の木の残骸から太目の枝を持って帰ってくることに。

僕が持って帰ってきて大工さんに梅の枝を渡すと、大工さんはしげしげとその太い枝(もちろん皮付き)を見て、

「さとうさん、これ、桜の木ぃちゃうの?」

と言うのです。

赤穂の現場ではこの梅の木に付いた梅を収穫して、仲間のSさんが梅酒を漬けたりしているので、僕は絶対に間違いなく梅だと何度も主張したのですが、いろんな大工さんがその枝の皮付きの枝を見るたびに、
「これは絶対桜だ」
とほぼ全員が言うのです。

しかもみなさん東風で仕事を頼んでいる大工さんですから、この道30年以上のベテランの木造大工ですよ。

今まで、誰一人としてこの枝を見て梅だと言った人はいませんでした。

でも、絶対に梅なんです。

なにせ、この枝をもらってきた赤穂の現場には桜の木なんて1本も生えていないのですから。

おっかしいなぁ~と思いながら1年以上も悶々としていたのですが、先日ふとあることに気付いて調べてみたところ、
「ははぁ~なるほど!」
と思い至りました。

実は、桜と梅はどちらもバラ科サクラ属の木なのです。
知ってました?

これなら間違えてもしゃあないか・・・と思いました。

梅の木と桜の木は、立ち木の状態であれば枝の形が全く違うのでどちらが梅か?桜か?ということは一目瞭然ですが、枝を短く伐って樹芯の色を見るとどちらもほぼ同じ褐色をしていて見分けがつきません。
樹皮も見た目はよく似ているんですよ。

おもしろいもんだなぁ・・・と思いました。 

奈良市O様邸 木工事進行中

奈良市のO様邸で、木工事が進んでいます。

毎日毎日寒い中、まだ開口部にサッシが入っていないので職人さんは大変です。

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上の写真は1階のリビングの端に立って、南面の吹抜けと開口部を見上げたところです。
構造材はほとんどが奈良県吉野産の杉。
写真に写っている丸太の梁は国産の赤松です。

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この写真は同じ空間を2階に上がって見下ろしたところです。 
南側に吹き抜けと高い窓があるので、冬の昼間には室内の奥の方まで直射日光が射しこみます。

窓が設置できれば暖かくなりそうですが・・・まだまだ現場は寒いままでしょう。
職人さんが風邪を引いたりしないように祈っております。
いつもおつかれさまです。 

桧の製材を行いました

1/23(日)に兵庫県三田市で桧の製材を行いました。

あいにく見学会への一般参加者申込はありませんでしたが、クライアントの I 様には立ち会っていただいて製材工程をお見せできました。

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上の写真がその桧です。
末(一番細くなっている末端)で直径が30cm強の太さ、長さは6mある原木です。

節の出具合は木によって異なりますが、この木は6mにわたってほとんど節が無い板も取れました。

今回の製材で、長さ6mで巾が8寸(240mm)厚みが40mmの床板を採ったのですが、やはりこのくらいの長さ・巾があると、既製の床板とは全然違います。
 
又近いうちに、普通の床板との違いを見ていただけるような写真を撮ってきてお見せしますのでお楽しみに。 

大人も使えるランドセル

これいいなぁ~!と思いました。
大人も使えるランドセル。

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今から僕もこれが欲しいと思っているわけではないのですが、子供の時のランドセルがこれだったらいいなぁ・・・と思ったわけです。

普通、ランドセルは小学生のうちだけ使ったら、あとはごみ箱行きですよね?
でも多分ここの店のクオリティだったら、中学・高校は使わなくなったとしても、大学・大人になってから使い古されたランドセルを押入から引っ張り出してきて

「これ、まだあったんだ。
また今見てみるとなかなかいいやん。
ちょっと使ってみようかな?」
  
ってなるんだろうな、と感じました。 

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大人になったらこんな風に ↑

クオリティの高さに裏打ちされてこその商品価値ですが、コンセプトがとても良いなぁ、と感心しました。

こういうのって大事ですよね。 

和歌山へ玉切りに

1/19(水)に和歌山へ桧の玉切り立会いに行ってきました。

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玉切りとは、長いままの木材を短く切断する作業のことです。
下の写真を見ていただくとよくわかるのですが、玉切りする前の今回の木材は18m~20mありました。
それを一本ずつ木の太さや曲がり、ねじれ、節の量などを見て
「これはここから6mに。
 あれはここから4mに伐って下さい」
という決断を下し、林業家の方にチェーンソーで伐ってもらいました。

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↑ 上の写真は1番玉の6m材です。
  木は根元に近い方が節も少なく、太さも大きいため当然価格も高くなります。

今回は、6m、4m、3m、2mという長さに玉切りしてもらいました。
当初は11本の原木から材料を採る予定だったのですが、林業家の方のご好意により、合計13本の原木から採らせて頂くことができました。

いよいよ明日は製材です。
どんな表情の板が採れるか、メチャメチャ楽しみです。

残念なことに、今のところ明日の製材見学会への申込はまだどなたからもありません。
みなさん、家は見てみたいけれど製材の見学といってもピンと来ないのかなぁ。

一度見たらものすごく感動するんですが・・・。
せっかくの機会ですから、興味のある方はぜひ観に来てください。