【メルマガ読者限定企画】新築木造/中古木造リフォーム/新築マンション/中古マンションのリフォーム、取得額が同額でも、固定資産税を含めると差額はいくらになるの?

2025年6月18日の午後に、東風のメールマガジン読者さま限定で、建築のコストと税額についての試算データをプレゼントしようと思っています。
これから作ろうと思っているのは以下の条件で比較したデータです。

土地の価格・建物の価格が同じだとすると、
新築と古い建物のリフォームで比べた場合、
税額を含めたトータルコストはどれだけ違うのか?

住宅を取得する際には、みなさまご予算の枠内でいろんな形での住宅を検討されると思います。

1.更地を取得して木造の新築住宅を建てるケース

2.築後30年以上経過した既存木造建物がある土地+建物を購入し、リフォームするケース

3.同じご予算で築30年のマンションを購入し、リフォームされるケース

4.同じご予算で新築のマンションを購入されるケース

これらのケースでは、【不動産物件取得金額 + 建築工事金額(新築・リフォーム代)】が同額だったとしても、その後かかってくる不動産取得税や固定資産税額がそれぞれ異なることはあまり認識されていません。

たとえば木造住宅は、税制上の法定耐用年数が22年とされています。
つまり22年経ったら税制上の評価額はゼロになりますよ、という意味です。

4000万円かけて新築した木造住宅よりも、4000万円かけてリフォームした木造住宅のほうが、固定資産税額はかなり安くなります。
その差額はいくらなのか?

鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションの法定耐用年数は47年と定められています。
年々少しずつ減っていくとはいえ、木造よりも高い税率の固定資産税を47年間払いつづける必要があるということはあまり知られていません。
4000万円の新築マンションを購入した場合と、中古のマンション+リフォーム費用で合計4000万円の物件を取得した場合、固定資産税額を含めたトータルの負担額はどうなるのか?
差額はいくら?

つまり、物件に対して払うコストだけではなく、住み始めてからも考えてトータルで支払うコストがいくらになるのか?というところを試算&比較してみよう、というのが今回の企画の趣旨です。

この企画は(株)木造建築東風のメールマガジン読者さま向けの特別企画です。

もしこれについて知りたいと思われた方は2025年6月18日(木)お昼12:00までに東風のメールマガジンへご登録ください。

6/18の午後にメールマガジンを配信する予定です。

メールマガジンの登録は無料で、こちらからお申し込み頂けます。
ご興味のある方は、どうぞお忘れないように今すぐにご登録ください。

お庭が完成 御所市 築50年の高気密・高断熱改修住宅

奈良県御所市で2022年に竣工したS様のお宅。
竣工して約3年弱のタイミングで、中庭の植栽ができたとのご連絡を頂き、拝見しに行ってきました。

中庭を囲むような形で建物がコの字型に配置されているお宅です。
東風ではこういう形のお宅は珍しいのですが、既存建物がこういう配置だったので、自然にこうなりました。

造園工事を手がけられたのは、大阪府豊中市にある造園会社/ATRIUM GARDENさんです。

日本の雑木林の風景を想起させる、自然な風情の庭をつくろうとされていることが良く伝わってきました。
写真は撮り忘れてしまったのですが、敷き砂利に大小さまざまな大きさのものが入り混じったものを使われていたのが印象的でした。

実はもう一枚撮り忘れたのですが、このお宅のリビングの中からこの庭を見ると、庭の向こうに葛城山・金剛山が借景として見えるようになっています。

二枚目の写真の左手前に太い橋が架かっていますが、これは宅地に隣接した畑と中庭とを結ぶ橋です。
今回の工事で造園屋さんが架けて下さったもので、この橋ができたことによって、当初はわりとこじんまり閉じた形の中庭だったものが、大きく開かれたようになり、すごくいい雰囲気になりました。

またいつかその写真もご紹介できるようにしますね。

(株)木造建築東風(こち)のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

大阪市東住吉区 新築の高気密高断熱和風住宅、完成間近

大阪市内で新築工事を進めてきた現場が、もう少しで完成します。
建物はほぼできあがっていて、今は主に外構工事を進めているところ。
建具が吊り込まれると建物の表情が一気に違って見えてくるので、お客さまもとても喜ばれていました。
現場で撮ってきた写真をアップします。

(株)木造建築東風の website はこちら

世界に、300年先も美しい風景を

沓脱石と土間タイルのバランス/大和棟古民家再生工事

奈良県北西部にある平群町(へぐりちょう)というところで、明治期に建てられた大和棟(やまとむね)の古民家を再生工事しています。

大和棟というのはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、このような外観の建物のことを差します。

中央の一番高い大屋根部分が急勾配になっているのがわかると思います。
この急勾配屋根のグレーでフラットになっている斜面の部分は、オリジナルは茅葺きでした。

大和棟は、その地区でかなり財力があったり地位が高い庄屋さんを務めるような家によくみられる形です。
残念ながら最近は大和棟の家がどんどん少なくなっていますが、とても美しい形なので、何とか後世に遺したいと思う建築の一つです。

この現場は2024年の春から工事が始まっていたのですが、今週からタイル工事に取り掛かっています。

↑ 玄関土間のタイルの割付を検討すべく、職人さんが水糸を張って寸法や矩手(かねて=直角のこと)を確認しています。

↑ 今回土間に貼ることになった600角の大きな土間用タイル。
お客様がタイルのショールームに行って選んでこられたもので、とても個性的で色ムラの大きいタイルです。
この写真では3枚だけが並んでいますが、それぞれに模様が全然違っているのがわかりますよね。

張り上がったらきっととても迫力のある仕上がりになりそうで、今からとても楽しみです。

これは玄関の沓脱石(くつぬぎいし)です。
ちょっと変わった石だなぁ・・・と思われたことでしょう。

こういうことをするのはとても珍しい(というか、うちも初めて)のですが、中央に座っている石がもともとこの家にあった沓脱石です。
しかしこの大きさでは、約8畳ほどの広さがあるこの家の玄関の沓脱石としては、あまりに小さくてバランスが悪く、かといって新しい石に取り替えてしまうのはこの家の歴史やご先祖様に対して失礼なので、お客様と相談して両脇につくり足すことにしたものです。

最初はもっと個性的な石を使って、デザイン的にも少し目を引くような仕上げにしようかと思っていたのですが、先述の土間タイルがかなり個性の強いものになったので、沓脱石と土間タイルとがお互いに喧嘩してしまうと全体のバランスが崩れてマズイな・・・という話になり、この沓脱石はボリュームを大きくするだけで、あまり目立たない仕上げにしようということになりました。

古民家の再生工事を進める上では、こういう既存の部材と新しく足す部材とのバランスをどうやってとっていくか?ということが、最終的な建物全体の印象や品格を左右するので、いろいろと判断が難しいことが多いのです。

絶対的な正解は無いという状況の中で、施主であるお客様の好みの方向性を尊重しながらも、どんな人に見られても住まい手のご家族が恥をかくようなことにならないように、理性的でバランスが取れた、全体として品の良い建物に仕上げる必要があります。

奇抜なものにしてしまうと住まい手やつくり手の品性を疑われてしまうし、
かと言ってあまりに没個性的だと建物の魅力が乏しくなってしまう。

全体としてどんな品格にまとめ上げるのか?というところが、一番難しいのですが建物をつくる上で最も重要視される点になります。

断熱・気密改修した、エアコン1台で全館温かい
築50年×土壁の家 体験見学会を開催します。
2025.02.22-24 の3日間
詳しくはこちら

和室 敷居の仕口(しくち)/御所市 江戸後期古民家再生

2025年1月から、御所市内にある古民家で再生工事をやらせて頂いております。
現在は既存和室の床組み(ゆかぐみ)作業を進めているところ。

すでに柱のジャッキアップや根継ぎなどは終えていて、今日は床板を張りかけているところでした。

これから、解体時に一旦取り外した敷居を再び復旧するための準備を大工さんが進めているところだったので、なかなか一般の方は見ることの少ない機会だろうなと思って写真を撮ってきました。

上の写真の両端に黒い柱が建っているのがわかりますか?
水色の丸と黄色の丸のところが柱の根本です。
この2本の柱の間に、これから古い敷居を入れ直そうとしているところです。

敷居と柱の接続部分を仕口(しくち)というのですが、柱と敷居の仕口でよく見るのが、今回ご紹介するやり方です。

片側は【横ほぞ】という仕口。
そして反対側は【待ちほぞ】という仕口。

ちょっとわかりにくいかもしれないのですが、水色の丸のところには、柱に横長長方形のような形で穴が掘られています。
これが【横ほぞ】のメス側仕口です。

上の写真は敷居の端部につくられた【横ほぞ】のオス側の仕口。
このオスとメスがかみ合わさって仕口となります。

次に反対側の仕口を見てみましょう。↓

これが先ほどとは反対側に建っている柱の根本。
先ほどの【横ほぞ】の穴は水平方向に長方形の穴が掘られていましたが、こちらは形が違っていて、垂直方向に2本細い溝が切られています。

上記の柱に組み合わせる敷居の端部がこれになります。
黄色〇印のところにはヤトイほぞという、薄い木の板を柱側に差し込んでおき、この敷居を上から回転させながら落とし込んでいきます。

ちょっとわかりにくいな・・・と思ったので、簡単なスケッチを描きました。

まず1枚目が水色丸印で囲まれていた【横ほぞ】部分のスケッチ

そして2枚目が、黄色〇印で囲まれていた【待ちほぞ】部分のスケッチ

このように敷居の両端分でそれぞれ違う形の仕口をつくっておくことで、一旦設置すれば水平・垂直方向にもズレたりしない状態に設置できるようになるわけです。

しかし釘などは使っていないので、修理の際などには傷つけることなく敷居を取外すことができ、また再度設置することができます。

現代の新築の時は、ビスやボルトを使ったりすることも多いので、これと同じ仕口を用いることは少ないと思うのですが、古民家の再生の時にはよく目にするやり方です。

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木の香りを活かして、洗剤や石鹸を試作したい

お風呂(浴槽)を掃除しているときに特に思うのですが、市販の「〇〇マジックリン」みたいな洗剤って、かなり強力な薬剤ではないかと不安になります。
(そのため、僕は必要に迫られたときしか使わないのですが……。)

確かに汚れはよく落ちるものの、人工的な香りがついていたり、手で触れて大丈夫なのか、噴霧したときに空気中に漂う成分を吸い込んでも問題ないのか、とても気になります。

いろんなところの掃除や洗浄をするのに、普段僕らはこうした市販の洗剤を使うことが一般化しているのですが、こんなに強い洗剤を使わなければならないのでしょうか?

もっとシンプルな方法、たとえば薪ストーブの灰でこすれば汚れが落ちるとか、そういう昔ながらの方法でもいいのではないか、と考えています。

そんなことを思いながら、ここ数日木の香りについて考えていました。


木には種類ごとに独自の香りがあります。
僕は楢(なら)や黒文字(くろもじ)の香りが特に好きです。
もっと身近にある木で言うと、桧(ひのき)や杉(すぎ)、楠(くすのき)なども、それぞれ個性的な香りを持っています。

先日事務所の裏庭の手入れをした時に、大きく育ってきたユリノキの枝(↓)を間引くために切ったのですが、この木もとてもいい香りがしました。

そこで、これらの木の香りを活かして、何か作れないか調べてみたところ、技術的には可能だとわかったので、今年はワークショップを開催してみたいと考えています。
最終的には、木の香りを活かした製品を試作できるといいな。

本当は廃材でお香がつくれるといいななんて考えているのですが、もう少し手軽に試せるものとして、洗剤や石鹸を作ることを考えています。
ワークショップの企画も進める予定なので、具体的に決まったら改めてお知らせしますね。

まずはエッセンシャルオイルを抽出することになりそうです。
木の種類によって香りがどう変わるのか、実際に試すのが楽しみです。

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2024年のお礼と、これからの出番を待つ資材たち

今日は2024.12.31。今年最後の日になりました。

多くのみなさまに支えて頂いたおかげで、今年も何とか一年過ごすことができました。
本当にありがとうございます。

今年の東風の業務は、対外的には12/28(金)夕方で完了し、12/29(土)は事務所と工場の大掃除をスタッフ&大工のみんなが総出でやってくれました。

社長である僕は、最後の最後までなんやかんやと業務に追われてしまい、自分の机の片付けも全く手が付けられていない状態で業務最終日を過ごす始末。

やり残していた資材の確認のために、12/30に工場と倉庫・ストックヤードへ一人で行きました。

いくつか気になっていた在庫資材の状況などを確認するのが目的だったのですが、静まり返ったストックヤードや工場へ一人で行くと、普段はなかなか見えないものや感じられなかったことに気づくものですね。

あれ、こんな材料あったっけ? あっ、これあそこにちょうどいいやん♪ などなど、再発見やインスピレーションが得られてとてもいい時間になりました。

下の写真は、東風のストックヤードに眠っている景石(けいせき)です。
ちょうど今から取り掛かろうとしている裏庭に使いたいな、と思ういい表情の石がたくさんありました。
こんな石、いつ仕入れたのかな・・・?
(注:写真はモノクロにしています)

工場の2階には古建具がたくさんあって、いつかいつかと出番を待っています。

元あった建物がやむなき事情から解体されることになり、その役割を終えたとは言え捨てるなんてもったいなさすぎる・・・との想いから東風で引き取らせて頂いたものなので、品質的にはとても素晴らしいクオリティの古建具が多いのですが、古建具は寸法やデザインなどがなかなかピタッと合うものが無くて、どうしても在庫過剰になってしまいます。

しかしハマる機会に巡り合えば、お客さまも、建具も喜んでくれるので、それまでは東風でお預かりしています。

上の写真はちょっと珍しい床板です。

95年前に建てられた、とんでもなく素晴らしい木造の別荘で使われていた、マホガニーの市松張りの床板を解体したもの。

これも将来どんな場所で活躍できるのかはわかりませんが、素材としては超一級品なので、出番が来るまで東風で預かっています。

東風の工場には、現場で出た木材の端材や、どうにも再利用できない解体材がたくさんやってきます。

最近は、産廃処分費がどんどんドンドンうなぎ上りに値上がりしているので、東風でもお客様の産廃処分費の負担を少しでも減らし、埋め立てごみを出さないようにとの想いから、可能なものは工場で少しずつ焼却処分しています。

(もちろん、燃やすのは木材だけです。
 石油でできた発泡系断熱材などは燃やしていませんのでご安心ください。)

その焼却の際には、ステンレスの分厚いドラム缶を改造したものを使っているのですが、いよいよ今まで使っていたドラム缶が持ちこたえられなくなりました。

すでに次のドラム缶は工場に届いていますが、今年の年末にはまだ入れ替わっていなかったため、こんな風に鎮座していました。
このドラム缶は確か2代目です。

ふと眺めていたら、いろんな気持ちが沸き起こってきました。

よくもまぁこんなになるまで頑張ってくれたなぁ・・・。
傷だらけの戦士みたい。
おつかれさま。
ありがとう。

年末に一人で工場に来れて、このドラム缶と対峙できて良かったな、と感じました。

最後に工場の裏におられる氏神様にお参りして、工場を後にしました。

みなさま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

毎年冬に開催している、高気密・高断熱改修された木造住宅の体験見学会。
2025.01.25-26の2日間で開催します。
延床面積90畳の2階建て住宅を、10畳用エアコンたった1台で快適に全館暖房しています。詳しくはこちら(↓)

樹齢100年/桧の伐採現場へ行ってきました@静岡市

2024/12/7-8で鎌倉へ行く用事があったもので、その帰りに久しぶりに静岡へ行ってきました。

静岡市と山梨県の県境にある梅ヶ島(うめがしま)という地区があります。
その中の安倍峠(あべとうげ)という峠の山中。
標高1100mの山の斜面に植えられている、樹齢100年の桧(ひのき)を伐採している最中だとのことで、現場を見せてもらってきました。

伐採を行っているのは、鈴木林業さん。

僕は何も持たずに登っていったというのに、はいつくばるように、たまに手も使っていかなければ登り切れないような平均斜度30度以上の山の斜面に、100年前の地元の方々がたくさんの桧を植え、これまで大切に育てられてきました。

一歩間違えれば下まで転げ落ちてしまいかねないような、なかなかに怖い現場です。

その分、景色も素晴らしいですが・・・。

久しぶりに山に入ったのですが、現場ではいろんなことを感じました。

〇 危険がすぐ目の前にある過酷な現場で、毎日作業をされる林業家のみなさまへの敬意。

〇 100年前に山を切り開き、植林をされた当時の林業家の方々のご苦労はいかばかりだったことか・・・。

〇 これまで100年かけて育ってきた立派な桧を大切に使ってもらいたい。

木のありがたさや自然の力に対し、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
やはり定期的に山へ入ることはとても大事なことですね。
現場に来なければ想像できない、さまざまなご苦労があることに想いを馳せることがとても大切だと改めて感じました。

2024.12.21-22 奈良県御所市で体験見学会を開催します。

築50年×土壁・木造リフォームなのに
小型エアコン1台で家じゅうどこも寒くない!
高気密・高断熱 改修住宅 体験見学会
@奈良県御所市

奈良県御所市/築50年の土壁×木造住宅の美しい高気密高断熱住宅リノベーション事例

2022年から改修工事に取り掛かっていた、奈良県御所市内の改修工事現場が2023年夏に竣工しました。

竣工時に建築主さまがご自身で写真を撮影され、その画像を使わせて頂ける許可を快く頂けたので、東風のブログに掲載させて頂くことにしました。

上記のこげ茶色に変色した床板は、50年前にこの家のいろんな廊下でフローリングとして張られていたもの。樹種は国産赤松の柾目採り。
それらを今回の改修工事で大工が1枚ずつ丁寧に取外し、すべてをDK(ダイニングキッチン)に集めて再度張り直したものです。
着色したものではなく、経年変化によって変色した味わいがとてもいい雰囲気になっています。

このお宅は、築後約50年経過していた建物を譲って頂いた案件です。
よく見る、柱や梁が黒光りしているような重厚な古民家の雰囲気ではありませんが、50年間の経年変化によって柱や梁などが淡いこげ茶色に変化していました。

施主様と一緒に建物をつくりあげていく中で相談し、今回の工事においては木材はあえて着色したりせず、新旧の色合いが混在しているような仕上がりにしています。

施主様ご家族は、この物件に入居されるまでは東京近郊にお住まいだったのですが、
「今後子供を育てる上でも、都心ではなくゆとりのある奈良県の郊外で木造の中古住宅か古民家を取得して、リノベーションした後に入居したい」
というご意向を最初からお持ちでした。

当社では不動産事業は行っていないのですが、地元(奈良県御所市)の近隣であれば、不動産物件を探すためのちょっとしたお手伝いはさせて頂くことがあります。

古民家や古い木造住宅も、快適な高気密・高断熱住宅に改修できます

冒頭のタイトルに書いている通り、上記のお宅は築50年×土壁の家であるにもかかわらず、高気密・高断熱住宅に改修しています。

延床面積 浴室・トイレ・洗面などを含めて約100畳の大きな空間を、14畳用の家庭用エアコンたった1台で全館空調していて、室温は20~24℃程度という快適な温度に保たれています。

このところ、当社ではこのような改修案件のご依頼を頂くことが増えています。
新築なら高気密高断熱住宅はよく見かけるようになってきていると思いますが、古い木造住宅の高気密・高断熱化と、伝統構法・土壁の特性を活かした透湿性能を妨げない耐震改修を同時に行うためには、きちんとした設計・施工のノウハウと経験・技術力が必要です。

当社では、どれだけ暖かく過ごせるのか?を実体験して頂くために、毎年厳冬期に築50年の建物を改修した宿泊施設/東風の宿にて体験見学会を実施しています。
2024年は1/27-28、2/17-18に実施します。
ご興味のある方はぜひお越しください。

(株)木造建築東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を

YAMAMORI Stand/COCHI

2023/9/7-11の5日間、France / Parisで開催されるMaison & Objet (メゾン・エ・オブジェ)という、とても大きな商談展示会に出展する製品をつくらせて頂きました。
上の写真がその製品です。

コンセプトや基本的なデザインの方向性は、以前からいろんなお力添えを頂いているmitemo株式会社の方々が考えられて、当社も一緒にディスカッションに参加しながら、最終的な詳細設計と製作を東風で行いました。

来週 Paris へ向けて旅立ちます。

この商品を含め、【500年の歴史をもつ吉野林業 × 日本の木造伝統構法技術 を味わう】 というコンセプトで、今後いくつかのサービス(プライベートツアー等)や商品展開を進めるべく、準備を始めています。
ちなみに、このコンセプトはmitemo株式会社/澤田社長によるものです。

今回の商品は、貴金属などの小さな商品をディスプレイするためのスタンドで、名前を【YAMAMORI Stand】 といいます。

上の写真の柱の断面(五角形)のようなところに、貴金属などを置いて頂くディスプレイスタンドです

冒頭の写真、パッと見た目には1本の木のように見えるのですが、実は2つのピースを組み合わせていて
『箱継ぎ(はこつぎ)という伝統的な継ぎ手を、組み合わせる途中で止めた』
ような状態を見せたい、というのが発想の源になっています。

2つのピースを合わせた部分がこちら(↓)
少し色が違う部分で、右と左2つの木を合わせています
ちなみに、この合わせた部分には接着剤も金物も使っていません。
外して2つに分解&再度組み合わせることもできます

通常、継ぎ手(つぎて)というのは、別々の2本の木をピタッと組み合わせ、力がかかってもズレたりしないようにするために、凹凸の目地(メジ)や木栓(もくせん)など様々な手法を使って複雑な加工をするのですが、実際に継ぎ手が組み合わさってしまうとそれらの細かな加工は全く見えなくなります。

箱継ぎの図解イラストがこちら ↓
(出典:規矩尺術 さしがねの技法)

でも今回は、その手の込んだ加工がデザインとして見える商品にしたわけです。
素材は吉野桧(ひのき)の芯去り材、ベースプレートは鉄でつくりました。

MAISON & OBJET の公式サイトでも紹介されています。
→  LOCAL CRAFT JAPAN

開催日程:2023/09/07(木)〜09/11(月)
各9:30-19:00(最終日は18:00まで)
会場: Paris Nord Villepinte Exhibition Centre
( ZAC Paris Nord 2 93420 Villepinte )
ブース: HALL 8 – Stand : D 44

もし開催期間中現地にいらっしゃる方は、ブースに足を運んでみて頂けると嬉しいです。

関係者のみなさまは以下の通り。
Direction   mitemo
Design     Cochi + mitemo
Manufacture   Cochi
Seller      STUDIO Wundran
Photos     Tetsuya Sawada

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