静岡 木材」タグアーカイブ

静岡にて

先週はまた静岡に行っていました。

10月末から11月にかけて製材した材木の一部を整理したり、すでに乾燥済みの材木を現場へ積んで帰ったりするためです。


梅ヶ島1126_1

 

 

 

 

 

 

 

 

 



僕が木材をストックしている場所は静岡市の山懐の深いところで、こんな風景に囲まれています。

今回はちょうど紅葉が見頃で、とてもきれいでした。


 

梅ヶ島1126_2 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真は、今年挽いてもらった板(右端のグループ)を
○ 節だらけの下地用木材(写真中央のグループ)と
○ 節が無い化粧用木材(写真左端のグループ)
とに分類している作業中の写真です。

画像をクリックして見て頂けると、中央のグループには節が多く、左のグループには節が無い様子がお分かり頂けると思います。

製材所ではこういった分類はしていませんので、製材後にこちらで選り分けます。



こうやって選り分けた後、節の無い板は実(さね)加工を施して、化粧野地板や天井板、腰板などに使います。

下の写真は化粧野地に使ったケースです。

もちろん東風では節のある材料も化粧野地板としてよく使いますが、この現場では節の無い材料を使いました。

野地

 

 

 

 

 

 

 






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静岡に来ています

昨日から静岡に来ています。

現在、準備を進めている京都市内の伝統構法型新築住宅・N邸の木材の運搬作業の段取りをするためです。

静岡へ来てみると、ちょうどいい具合に昨秋に伐採した新月伐採材が山から搬出され、土場に整理されているところでした。

 

出材0424‐1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


土場に積まれた2008年晩秋伐採の新月材。
4ヶ月間の葉枯らし期間を経て、ようやく山から降りてきました。



今回出てきた木はどれもおよそ樹齢120~130年くらいの大きな木で、北斜面の標高900mという厳しい自然条件のもとで育った木のため、とってもおとなしくて目の詰まり方が良く、美しい材料です。

見ていて惚れぼれします ♪


出材0424‐2








こんな太い材料がゴロゴロしています。



出材0424

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上の写真を見てもらうとよくわかるのですが、目の詰まり方が均一で細かく、申し分ない材料です。

このグレードなら吉野杉と比べても遜色ありません。
最高の材料です。



今回出てきた材料は来月から順次製材にとりかかっていきますが、この中でも特に長い材料(6m~9m材)は6月ごろに静岡市内で製材の見学会を行う予定です。

ぜひたくさんの方に製材の醍醐味を体験していただきたいと思っているので、また近々お知らせしますね。
どうぞお楽しみに。



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木出し@静岡

この1週間はブログの更新が滞ってしまいました。
いつも見に来てくださるみなさま、どうもすみません。

静岡の山奥(といっても静岡市内ですが・・・)で木出し作業を行っていたためです。

 

木出し 

 

 

 


↑ 木出し作業を行うために、馬の上に並べた梁
 (すべて静岡産の杉/新月材です)

 

木出しとは、
「この木はリビングの南面の通し柱にしよう」
「この木は大屋根の棟を受ける棟木にしよう」
などと、実際の木の癖や面(つら)などを見て各部材を使う位置や方向を決定していく作業です。

 

今回出したのは、来月上旬から刻みに取り掛かる京都市・N邸の木材(合計約400本)です。
火曜日の早朝にトラックで兵庫県を出発し、金曜日にはストックヤードから搬出したすべての木材を10トントラックに積み込み(結局10トン車1台では載り切りませんでしたが・・・)、土曜日に後片付けをして深夜に帰ってきました。
(帰宅したら日付が変わっていました)

 

静岡で作業をしていたストックヤードや宿泊先は携帯の電波が届かなくて、もちろんインターネット接続もできなかったので、メールがたまりまくりです(汗)。
順次お返事を書いていきますので、しばらくお待ち頂けましたら幸いです。
(クライアントの皆様、ご迷惑をおかけして申訳ありません m(_ _)m )

 

今週も火曜日までは東京出張の後、現場に行ったり製材所を回ったりする予定になっているので僕はほとんど事務所にはいません。
落ち着くのは1月末ごろになってしまいそうですが、今週は毎日ネット接続できる環境にいるのでブログは定期的に更新していきますね。

メルマガも書かなくっちゃ。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【お知らせ】
2/4(立春)より、事務所名称を
サトウ都市環境デザイン→木造建築 東風(こち)
に改称します。
「なぜ東風か?」はこちら

 



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静岡のストックヤードへ木材を搬入しました

ストックヤード

先週末に3日間、静岡へ行っていました。

昨秋伐採→今年の6月~7月にかけて製材した木材を製材所からストックヤードに搬入するためです。
全部で4トントラック×6台分の量になり、ストックヤードもいっぱいになってしまいました。

あいにく最終日(土)はしとしと雨が降って、作業が終わるころにはご覧のような状態です。
もともとここは砂地の非常に水はけのよい土地なのですが、フォークリフトで何度も場内を行き来するうちに、わだちの部分がぬかるんでしまいました。

次回は9月中旬に再度このストックヤードに行って屋根をかける予定ですが、3週間程の間は木材を雨に打たせてあく(渋)を抜きます。

今回、ご協力いただいた静岡のみなさん(↓)、どうもありがとうございました。
(杉山製剤所、こばやし柳太郎建築、山田林業、鈴木林業のみなさん)

おかげさまで無事搬入が完了して一安心です。

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生まれ故郷、静岡にて~森林の話

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

実家への帰省に伴い、帰りに生まれ故郷である静岡へ寄って先祖のお墓参りをしてきました。
上の写真は、東名・富士川SAから眺めた新春の富士です。
とてもきれいでしたよ。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

静岡の山奥(もうすぐで山梨県)、静岡市の梅ヶ島というところで、僕のいとこ(1967生)が林業家として一生懸命活動しています。
時間の都合でほんの少ししか話ができなかったのがとても残念だったのですが、いろいろと情報交換ができて、とても有意義でした。

僕が一生、木造建築家として生きることを決定付けたのは、

○ 僕の母親の実家(上述のいとこの家)が代々林業家であったから
○ そしてその林業家が、全国各地で経営上苦しい状況に追い込まれていて、
次々に廃業していく人が絶えないから(←それを何とかしたい)

という事情があります。
(他にもいろいろ理由はありますが・・・。
そのうちの一つはプロフィールをご覧下さい。笑)

今回静岡に立ち寄って上述のいとこと話したのは、森林認証制度や今後の林業経営のありかた、木材の流通や販売経路、木材の乾燥技術などについてのことです。
彼は、2005年末に静岡の他の林業家(計6人)と共同で、彼の森林がSGEC(Sustainable Green Ecosystem)認証林としての認定を受けたのだと話してくれました。

ここで少し森林認証制度についてお話ししておきますね。

森林認証制度というのは、世界的な森林減少・劣化の問題(例:森林経営の悪化による森林荒廃が引き起こす様々な弊害、熱帯雨林での違法な密伐採や減少が引き起こす環境問題)と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景として生まれたものです。
”適切な森林管理”を認証し、その森林で生産された木材及び木材製品をラベリングすることを通じて、持続可能な森林管理を普及させることを目的とした制度です。

日本では、FSC(Fprest Stewardship Counsil)という国際認証制度がよく知られていますが、同じような目的・理念に基づいて、世界各地で様々な認証制度が独自に整備され、お互いに連携していくことでネットワークを広げています。

うちのいとこが認証を受けたというSGECという認証制度は、中小企業が多い日本の林業経営状況に則して、国内で独自に定められた認証制度です。

森林として認証を受けるということは
ある種のブランド化へつながり、
他との差別化を図ることができるというわけですが、
実情はまだまだ理解が得られていず、
認証木材だからというだけで、その価格が一般木材よりも
高値で取引される、というわけではありません。
(→おそらく、近い将来そういう方向になっていくと思いますが)

需給のバランスが取れているということもなく、
現状としては相変わらず需要の低迷による価格の下落に苦しんでいる
というのが実情です。

彼のような林業家たちがこれから実現したいと考えていることは、

○ 不透明な流通経路に端を発する、木材価格のたたき合いの撤廃
→消費者は安く材を入手でき、生産者は適正な価格で販売できる

○ 生産者の顔が見える、安全・安心な製品の供給(トレーサビリティの向上)
→大切に育てた木材を、大切に使ってもらえるお互いの信頼感

○ 森林環境の向上、計画的で持続可能な森林経営

です。

ここ最近、国産材に対する一般社会の認知度・注目度は上がってきており、
一時期に比べると林業家をとりまく社会の状況は良くなってきつつありますが、
末端での実情はまだまだです。

静岡で森林や木材に関する話をいとこと交わして、いろいろなことを考えさせられる機会を得られたことは、自分にとってとてもいいことでした。

これからももっと自己研鑽を積んで、よりよい情報を提供していけるように努力します。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2006 新春  佐藤仁

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