天井の形と間接照明

一般に【照明】というと
【 天井面に器具を取り付けて、下方を照らすこと 】
という、暗黙の共通イメージをみなさんお持ちだろうと思います。

ところがこのような一般的な照明方法は、吹抜けの場合や梁組みが見える天井(※)などではとても相性が悪いのです。
※ 2階の床板と梁とが両方とも化粧として露出している場合

梁と天井面との間には梁の高さ分の段差があり、天井面に照明器具を直接つけてしまうと、陰影が強くなりすぎて、床面は確かに明るいけれど部屋全体としてみるとなんだか暗い・・・、という雰囲気になってしまうことがあります。

そういったケースで僕がよくご提案するのがこういう形(↓)です。

上の写真は京都府与謝郡にある飲食・遊技場(カラオケ・ビリヤード)の玄関の見返し側壁面に設置した照明です。
この物件は築後約80年経過した建物を改修し、飲食店として営業されています。

また西宮市内で昨年竣工した住宅では、造り付けの下足箱を利用して
こんな形(↓)の間接照明も行っています

このように光を上方のみに向けて照射すると、一旦天井面や壁面に反射してから光が下向きに落ちてくるので、とてもやわらかな雰囲気を演出することができます。

確かに本を読んだりするのには十分な明るさとは言えませんが、部屋全体を落ち着いた感じで照らす時に、このやり方はとても重宝します。

また、このような間接照明以外にも補助照明器具(フロアスタンドやスポットライト)も併設しておけば、リビングやダイニングなどでも読み書きする時/くつろぐ時とで照度を切り替えて使い分けると、空間の雰囲気ががらっと変わります。

間接照明にもいろんなやり方があります。

「間接照明=コストがかかる→あきらめよう・・・。」

と、早急に諦める方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな形で設置すると、ランニングコストもイニシャルコストもかなり安く抑えられます。

これから設計に取り掛かったり、今まさに設計中、という方はこんな方法も検討されてみてはいかがでしょうか?

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