金輪継ぎ(かなわつぎ)

先週末、日本民家再生リサイクル協会(以下JMRA)近畿地区主催・かやぶき民家再生プロジェクトが兵庫県で行われ、例のごとく僕はプロジェクトリーダー(というか、ゲンバカントク?)として参加してきました。


今回は、ちょっと珍しい工事を行ったのでご報告します。
それは、


【根継ぎ(ねつぎ)】


と言われる工事です。


 


柱の足元が腐ったりシロアリによる虫害が発生した時などに、傷んだ部分だけを取り除いてそこに新しい木材をあてがって補強する、という方法です。


根継ぎに用いる継ぎ手(つぎて)にも、いろんな形の継ぎ手があるのですが、今回は最も一般的で強度も高い【金輪継ぎ(かなわつぎ)】という形の継ぎ手を採用しました。


まずは、金輪継ぎの模型を見てください(↓)
※画像をクリックすると拡大してご覧になっていただけます


金輪継ぎ-1


 


 


 


 


 


 


 2本の木をこのように刻んで


      ↓


金輪継ぎ-2


 


 


 


 


 


 


 お互いを合わせて


      ↓


金輪継ぎ-3


 


 


 


 


 


 


 上下にずらして、中央に栓を打ち込みます。



これ(↑)を実際に建っている現場でやったのです。
それでは写真をご覧下さい(↓)。


根継ぎ-1


 


 


 


 


 


 


 


まず、根継ぎを施す柱を刻んでいきます。


根継ぎ-2-2


 


建物の荷重を支えている柱の刻みが完了しました。
中央の黒い柱が宙に浮いている様子がわかりますね。
このとき、建物の荷重は脇に2本立っている
仮設の柱(白い柱)で支えています。
仮設柱の下には油圧ジャッキをかましています




根継ぎ-4



 


 


 


 


 



 


金輪継ぎの継ぎ手拡大写真


根継ぎ-3


 


 


 


 


 


 


次に、柱の根元に新しくあてがう木材を刻みます。
今回この根継ぎの刻みをして下さったのは、埋橋(うずはし)さんです。


 


根継ぎ-5


 


 


 


 


 


 


刻んだ新しい柱をあてがいます。
小豆色の柱が既存の柱。
黒っぽいのが新しくあてがう柱です。




根継ぎ-6


 


 



 


根継ぎが無事完了しました。
(ぜひ画像をクリックして拡大してご覧下さい)


このプロジェクトは2005年の2月に着手し、定期的にワークショップを開催してきました。
今回で通算5回目が終了したところです。
今後も定期的にワークショップを重ねていき、3年後にほぼ工事が完了する予定です。

これまでに行ったワークショップの様子はこちらでご覧になっていただけます。



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