木造の小学校

最近観に行っていませんが、全国各地にはまだいくつか木造校舎をもつ
小学校があります。
(僕は調べていないので知りませんが、中学校もきっとあるのでしょうね)

僕は大阪・京都・奈良・北海道にある木造校舎や体育館を観に行ったことが
あるのですが、それらのどれもに共通していたことがあります。

その木造校舎を建てるための費用を負担したのは、自治体ではなく村の
人々の寄付だった、ということです。

今では少なくなった木造小学校の校舎は、統廃合で廃校になってしまった
ものもありますし、まだ現役で使われているものももちろんあります。

最近読んだ本にそれに関係する事が書かれていて、そうだそうだと
思い出しました。

上述の本の内容はとてもよかったので、また日を改めてご紹介したい
と思っていますが、その本の中にこんなことが書かれていました。

   +   +   +   +   +

地域社会で生活している人たちは、地域の小学校を自分たちのもの
と感じていた。

だから地域の人たちにとっては、
小学校=地域の中心
という特別の思いを抱いていて、小学校の運動会や学芸会などの
イベントは、地域を挙げての行事だという雰囲気があった。

こういう空気だったから、小学校の子供は地域社会の子供として
とらえる気風もあった。

よその子が悪さをしていると、自分の子供と同じように怒ったり、
貧しい家の子が、勉強ができるのに経済的な事情で上の学校に
行けない場合など、地域の篤志家が援助して学校に行かせる
ということがあった。
   +   +   +   +   +

これを読んで、確かにそれはそうだろうなぁ・・・と感じました。

僕たちの世代では、ほとんどの小学校はもうすでに市立になっており
実際僕が通っていた小学校も、まだ一部に木造校舎が残っていた
とはいえ、80%は鉄筋コンクリート造の校舎でした。
市が建設費を出してくれて、しかも鉄筋コンクリート造で、という小学校に対する愛着と
自分も含めた地域のみんなでお金を寄付して、木造で建てた小学校に対する愛着とでは
それはそれは大きな違いがあるでしょうね。

また木造校舎を観に行きたくなりました。
今、どのくらい残っているのかな? 

2 thoughts on “木造の小学校

  1. ハスイケ

    はじめまして。ときどきブログを読ませていただいてます。
    私がお手伝いしている設計事務所が入っている建物は、
    もともと小学校の木造校舎でした(茨木市)。
    RC造に建て替えるという40年ほど前に移築してきたそうです。
    倉庫として使っていたので、外観に小学校の面影はうすいのですが、
    教室と廊下の雰囲気を残すものは内部にあります。
    地域のものというところからわく愛着というもの、
    ちょっとハッとしました。
    そのようなもの少なくなってるんでしょうね。

    返信
  2. さとう

    ハスイケさん、はじめまして。
    コメントありがとうございます。
    書いてくださった茨木市の建物のことは知りませんでしたが、大阪府下にもまだ木造校舎がいくつか点在しています。
    小学校ではありませんが、大阪市内・北浜にある大阪市立愛珠幼稚園もすごいですね。
    大阪のオフィス街の真ん中にある現役の木造園舎ですが、日本最古の木造園舎だそうですよ。

    返信

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