中塗切返し仕上

大阪府四条畷市内の現場【木曽のみんながつくってくれる大阪の家】では、現在内装壁の仕上げ工程が進行中です。
壁は珪藻土などの化学樹脂製品(※)ではなく、純粋な土です。
最近一般的に用いられているジュラク壁(※)でもありません。
土とスサと水だけで練った土です。

※一般に広く誤解されているように思いますが、左官仕上材として販売されている珪藻土や建材メーカーが販売している上塗用じゅらく壁と言われるものは、ほとんど全てが樹脂(のり)で固めるものです。
土ではありません。
珪藻土自身には水で固まる性質はありません
(↑だからのりを混ぜるのです)。
本物の土を使ったじゅらく壁は、水捏(ご)ねじゅらくと呼ばれるもので、質感が全く違います

今回は全ての部屋を中塗切返し仕上げという壁にして、どこにも上塗りは施しません。
細かい目のふるいを通した中塗土と水とスサだけを混ぜ合わせた材料で仕上げます。

中塗切返し仕上げで納める現場は昨今本当に少なくなりましたが、土本来のマットな味わいがとてもいい具合で、珪藻土や化学じゅらくでは太刀打ちできない、落ち着いた本物の質感が出ています。

余計な物を加えずに素材の持つ力と美しさを素直に活かす、ということが建築をつくるものの務めですね。
これは建築だけではなく、料理などでも一緒ですが。
4/8に行う完成見学会でそのあたりも見ていただければ幸いです。

【お知らせ】
3/11(日)に伊丹市で民家のセミナーを行います。詳しくはこちら

 

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