月別アーカイブ: 2007年9月

あなたに合う人

9/24(月)に、京都市内で住宅の新築を計画しているNさんに設計図のご提案をしました。

2週間前に、Nさんが家に望まれる機能やご自身のライフスタイルなどをじっくりとうかがった上で、

【 夫婦二人で、1階も2階も含めて一軒の家を丸ごと使う 】
【 プライバシーを確保しない、あいまいな間仕切りの大きな空間 】

というコンセプトを引き出し、それに沿ったプランを作成して24日にご提案しました。

Nさんは他社(←うち以外)にも建築図面の提案を依頼されて比較検討されたようですが、当方の提案は異色で大胆だったらしく、うちの図面を見たときは驚かれたようです。

でもね、建物全体の形はすごくシンプルで真っ四角の平面形ですし、外観も京都らしい切妻屋根のこの上なくおとなし~い姿なんですよ。
だから、外見や色・形が大胆だったわけでは決してありません。
(プライバシーの問題があるので、平面図は公開できません。)

で、Nさんにズバっと言われてしまいました。

「今日のプランを見るとお日様の匂いと木の匂いがしてくるようでした。
 私達がついつい考えてしまう些末なことを
 すっぽり「ええやんか」と包んでくれるような。」
(「」内はNさんのメールより抜粋)

う~ん・・・(苦笑。これまでのクライアントのみなさまの爆笑が聞こえるようです)。
良くも悪くも、僕の本質と限界を捉えられています。

しかもこれは図面を見た感想ですよ。
僕と話をした感想ではありません。
でもどちらかというと嬉しかったですね。

僕はうちに問い合わせをしてきてくださる方みなさんに、下記のようなことをはっきり言います。

「うちだけを見て決めるんじゃなくて、よそと比べてみて下さい。」
「いろんな建築家の話をきいたり、建物を見たりした上で、最終的に誰に頼むか決めて下さいね。」
「僕以外にも、もっとあなたに合う人はいるかもしれませんよ」

と。

こう書くと、

「なんやこいつは自意識過剰か?」

と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、これは別に自分に自信があって言っている訳でも何でもありません。

上記でNさんが書かれている通り、僕自身の個性と限界はちょっとはわかっているつもりです。
ですから、僕のような考え方の建築家とは合わない方の方が絶対に多いのです。
( ↑ 絶対そうです。断言できます)

だから、ちゃんとよそと比べてみて下さいね、と言っているわけです。

こういうことを言わない建築家や工務店の方はきっと多いのでしょうね。
ですから僕がこんなことを言うと、最初は大概驚かれます。

「実はこいつはやる気が無いんじゃないか?」

と感じる方も多いでしょう。

でも、もう一回言います。

ちゃんといろんな人と比べて下さい。
そうすると、あなたには下記のようなメリットが出てきます。

 〇 最終的に決めた人との関係が良好になります
   (あれだけ比べたのだから、この人に依頼したことは
    絶対に間違っていなかったと信じることができます)

 〇 家づくりにかける自分自身の姿勢が変わります。
    考え方がブレにくくなります。

 〇 後悔する機会が格段に減ります。
    だから無駄なことで悩んだりして時間をロスすることや心労が減ります

こういうことは、家づくりのパートナーを選ぶ際、きちんと熟慮していなかった場合によく問題となる事柄です。

そういうケースを僕はこれまでにもよく見たり聞いたりしていますが、はっきり言ってしまうとこれらのほとんどは専門家としての技術的・能力などの欠如が問題ではなく、お互いのコミュニケーションや相性に端を発した問題なのです。

そんなことで苦労したりしたくありませんよね。
だから、あなたにはちゃんと比べてみてもらいたいのです。

その結果、僕が選ばれなかったとしても、それは別に悔しくありません。
むしろお互いにとって良い結果だと思うのです。

と、僕は考えています。

Nさんは今回の僕の提案や僕の建築に対するスタンスを気に入って下さったようで、今回はNさんの家づくりのお手伝いができそうです。

「さとうさんに頼んでよかった~」と最後に思っていただけるようにがんばります。

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みんなで納屋を解体しました

9/22(土)、23(日)の2日間にわたって、兵庫県赤穂郡でボランティアによるかやぶき民家再生プロジェクト第10回目のワークショップに参加しました。
主催はNPO法人・日本民家再生リサイクル協会です。

今回は、傷みがひどくなって傾いていた納屋の解体作業をボランティアの素人12人で行いました。
重機などは一切使わず、すべて人力だけで解体しました。
( ↑ 危険なので、絶対に真似をしないで下さい。
  このワークショップは建築の専門化が一緒に指導をしながら行っているから
  できることです。)



下の画像がその時の様子ですが、画像をクリックして拡大表示していただけると、人力だけで解体している様子がお分かりいただけると思います。


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長ホゾと貫が効いた昔の伝統構法型建物は、傾いていて一見崩れそうであっても、いざ壊すとなると全然倒れません。
参加者のみなさんも、その粘り強さを体で実感できたことが貴重な体験になっていたようです。



このプロジェクトは、3年前から(2005~)始まっていて、年間4回にわたりそれぞれ1泊2日で作業を行っています。
( ↑ 年間で延べ8日間)

毎回10~20名前後の参加者があり、みなさんボランティアで参加してくださっている、非常に稀有なイベントです。
交通費をかけて参加費を払って(←もちろん自腹)、現場でくたくたになるまで作業をしていながら、みなさん喜んで「また来ます!」と言って帰っていきます。



今回は、ちょうどぶどうの収穫の時期にあたった事もあり、となりのブドウ畑で収穫をしていた農家の方が美味しいぶどうを3房差し入れしてくださいました。
(どうもありがとうございました。
 みんなで美味しく頂きました)


地域のみなさまに少しずつ受け入れられているのは嬉しいことです。

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敷地内に自生している甘柿の実も熟していて、デザート代わりに
「美味しい美味しい」
と言って食べている人もいました。



2日目の作業を行う前に、早朝から宿泊組のみなさんで作用町平福というところへまちなみ見学に行ってきました。
川沿いに建ち並ぶ土蔵の景観が有名なところですが、天気が良かったことも相まって、川面に写った様々な土壁の色や家並みの瓦がきれいでした。

イタリアのベニスを思い出しました。


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行灯

昨日は、神戸市北区の家の竣工引渡しが行われました。

この現場は個人的に非常に強い思い入れがあるので、なんだか現場が終わってしまうのは少し寂しい気持ちですが、これから住み始めるクライアントのウキウキしたこの上なく嬉しそうな表情を見ていると、バトンタッチがいい形でできて本当に良かったと思えます。

この現場では、設計した本人(←僕のこと)が全く想定していなかったサプライズがいくつかありましたが、その一つに昼と夜の建物の表情の違いがあります。

上の写真は、この建物の昼間の姿です。
確かにちょっと変わった外観の家ですが、そんなにびっくりすることはないですよね?

ところがこれが夜になると、表情が一変します。
下の写真をご覧下さい。
(画像をクリックすると拡大表示できます)

このように室内の照明に照らし出されて、内部の木組みが浮き上がります。

さすがに1階の窓には入居し始めたらシェードを吊りますが、この家は2階に生活空間が無い(=平屋の家)ので、2階の窓は今後もずっとこんな状態です。

上の写真は建物の南側の夜景ですが、北側の姿はもっとインパクトがあります。
↓ こんな感じ

全く、これじゃお店か何かと勘違いされても無理ないですね(笑)。

夜になるとまるで街の行灯のようになるこの家の姿は、恥ずかしながら設計者本人も全然想定していませんでしたが、とても嬉しいサプライズでした。
クライアントもこの姿を気に入って下さっているようなので良かったです。

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丹後の現場がスタート

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丹後で古民家を店舗に改修する工事が始まりました。

上の写真は基礎の補強のために、まず桁の下からポストを入れてジャッキアップしているところです。


この工事は来年1月末に竣工予定。
それまでの間、月に3~4回のペースで丹後へ通うことになります。


稲刈り


 


 


 


丹後へ向かう道すがら、福知山市内で稲刈り後の田んぼの前を通りかかり、都会では最近ほとんど見なくなった風景に出くわしたので写真を撮ってみました。

どうして都会ではこういうやりかたをしなくなってしまったんだろう?
と、農業に疎い僕はギモンに思っています。

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ご来場ありがとうございました

箕谷の家見学会

今日は3連休の最終日ですね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

15(土)、16(日)の2日間にわたり、神戸市北区の住宅現場で完成見学会を開催しました。

今回の見学会は、施工を担当してくださった輝建設株式会社さんとの共催だったこともあり、3連休の合間の2日間で合計44名(!)という、信じられないほどたくさんのみなさまにご来場いただきました。

会場へ来てくださったみなさま、輝建設スタッフのみなさま、そして快く見学会開催に応じてくださったクライアントのSさん、本当にどうもありがとうございました。

今回の現場を見学していただくことで、少しでもみなさまの家づくりのお役に立てたようであれば嬉しいのですが、なかなかこちらの対応が至らなかったりしたこともあったかもしれません。

2日間の会期中、ご近所にお住まいの方もたくさんお見えになられました。

「いつも遠くを歩きながら、この家を見ていたんですよ」
と言ってくださる方もいて、嬉しく思いました。

そして、僕と同業の建築家の方も3組お見えになりました。
( ↑ そのうち2組は初対面)
同業者の方に見ていただけるとは光栄です。

会場では設計図も全て公開展示していたので、専門家ならではの話題についていろいろとお互いのことについて話をしました。

今週木曜日には、この家も無事引渡しとなります。

それを控えて、見学会初日の夜には、現場監督のTさんと僕とクライアントご家族で第1回打ち上げパーティーをしました♪

そこでこれまでの家づくりのことや、現場監督・Tさんのプライベートに関すること(笑)など楽しくみんなで話ができました。
( ↑ 話が盛り上がりすぎて、結局最終電車がなくなってしまいましたが)

クライアントのSさんが、木曜日の入居をものすご~く楽しみにされていて、本当にこの家ができたことをご家族全員で嬉しく感じてくださっていること、僕だけでなく現場監督のTさんがこの家に特別な深い愛着を感じてくださっていることがよくわかり、感無量でした。

これだけみんなに愛される家はなかなかできませんね。
感謝。

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使いにくさと魅力

箕谷の家-外観3


 


 


 


 


 


 


神戸市北区で今週末に見学会を行う現場の正面の写真です。
昨日現場へ行った折に撮影してきました。

昨日は室内の部分的な照度不足(一部、暗い場所がある)をどう解決するか?
ということを確認するために現場へ行きました。

他にも、ポストのこと、建具調整のことなどについてクライアントであるSさん夫妻と確認しました。



注文住宅は(特に、うちのように既製品を極力使わないスタイルでやっていると)必ずどこかに不完全な部分ができます。
大量生産している車のように、使いにくさや不具合が全くない商品はできません。

幸いにしてこれまでのうちのクライアントのみなさまは、そのあたりをよく含んでくださっているようで、あまり大きな問題になったことはありません。
(みなさま、ありがとうございます)

この問題は木という生き物を扱って商品を作っている以上、避けては通れない道ですが、その分使い手(住み手)に強いる負担も少し大きくなります。
( ↑ 新建材で固めた家よりは、という意味です)

住み初めてからも色々気を遣うので、うちで作っている木の家は慣れるまでは本当に大変だろうなぁ、と思います。
( ↑ 決してうちだけに限った話ではありませんが)



でも住んでいるうちに別の魅力が育っていきますから、大変な分だけ報われることも大きいと思います。
不具合が無い家って、すごく良さそうに思うけれども、実は物足りなく感じるんですよね。

上の表現は少し伝わりにくいと思うんですが、使いにくい家=いい家だということを言っているのではありません。
100%満足する家(不満の全く無い家)を作るのは不可能だ、ということです。
なにせ、すべて1点物ですから。
85%くらい満足がいけば、注文住宅としてはまず成功だと捉えていただくぐらいがちょうどいいと思います。

もちろん、作っている側は完成度100%以上になるようにいつも努力しているんですけどね(笑)。



この記事を読んでもらうと、もしかして今回のクライアント・Sさんが出来上がりに不満を持っているのか?と曲解される方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全然無いようで、とても気に入ってくださっているそうです。
(と、僕が言うと全然説得力が無いですね)

でもSさん以上に僕がこの家を気に入っているかもしれません。
この家を設計させてもらえて、とても幸せです。




【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います

詳しくはこちらをご覧下さい

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つながりと恩恵

昨日は一日中、京都市内で2組のお客さんと打合せをしていました。

お一方は京都市内に住宅を建築するべく土地を取得されたNさん。
もうお一方は同じく京都市内で、ある施設の改修を計画されているFさんです。

どちらのお客さんとも、ゆっくりととても充実したお話をさせていただくことができました。
これから時間をかけてご提案をおこなっていくのですが、ご期待に応えられるようにがんばります。



昨晩Fさんとお話させていただくうちに、自分自身で改めて認識したことがあったのでみなさんにご報告させていただきます。

実は、Fさんとは2001年の年末に初めてお会いしました。
その後何度かお会いして、施設の調査や改修計画のご提案などをさせていただいた(←まだ実施には至っていません)のですが、初めてお会いしてから3ヶ月ほど経った2002年の春、Fさんが

「さとうさん、東京へ行ってOMソーラー協会の講習会を受けてきませんか?
 そしてうちと同じような施設を一緒にいくつか見学してきましょう」

と言ってくださいました。



どうしてあの時点でそのようにおっしゃってくださったのかいまだに信じられないのですが、なんとその費用・宿泊費などは全てFさんが出してくださったのです。
(本当にありがとうございました m(_ _)m )

その時受けたOMソーラーの講習会で学んだ内容は、建物の断熱・気密・温熱環境などの設計に対する僕自身の設計姿勢を根底から覆してくれました。
(大学でも同じような内容を環境工学という講義で学んでいたのですが、大学の講義を甘く見ていた僕は、自分自身の設計姿勢を変えることができませんでした)

もう少し平たく言うと、それまでは断熱・気密に対する意識が今よりずっと低かったのですが、それを一気に高めてもらうことができたのです。



そのおかげで、2002年以降当方で住宅を設計させてもらった全てのクライアントの皆様は、この時Fさんから僕が受けた恩恵を(間接的にではありますが)実は受け取っています。

もし、あの時FさんがOMソーラー協会のセミナーに僕を参加させてくださらなかったら、現在の僕の設計する建物における温熱環境はもっとレベルの低いもので留まっていたことでしょう。

人とのつながり、人から受ける恩恵、そして自分が受けた恩恵を還元していくことの重要性を昨日は改めて認識できました。

Fさんはじめ、日頃お世話になっている皆様に深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。



【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います
(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

詳しくはこちらをご覧下さい

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みんなで床板の油塗りをしました

昨日は、神戸市北区で建築中の現場で床板に油を塗りました。

クライアントのSさんご夫妻 + 長男のH君(6歳) + 僕の4人で朝から取り掛かり、何とか一日で完了しました。
上の写真はご主人が建具の敷居に油を塗っているところです。

上の写真は一通り油を塗り終わったところです。

この時点ではまだ拭き取り作業を行う前の段階なので、油まみれの床板がテカテカ光っています。

照明器具も吊り下げが完了し、ほぼ全容が見えてきました。
今週木曜日には民間確認検査会社の完了検査を受けます。
完成も間近です。

次の週末(9/15、16)に開催するこのお宅の完成見学会では、みなさんにゆっくりと見ていただける時間をとっています。
ぜひあなたの家作りの参考になさって下さい。
お申込は下記・お知らせ2のリンク先よりどうぞ。

(クライアントにご迷惑がかかりかねないため、現場の住所・地図は
web上で公開していません。
見学会へのお申込を頂いた方には現場の地図をお送りします。
事情をご理解いただければ幸いです。)

【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
木の家の完成見学会を行います
(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

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気の利いた大工仕事

木目


 


 


 


なかなか気付きにくいのですが、現場には大工さんが隠れて気を利かせた仕事してくれている場所というのがあります。

上の写真は、神戸市北区で竣工間近のS邸現場の洗面化粧台上部照明ボックスの写真ですが、この画像を見て何か気付きませんか?
(画像をクリックして拡大し、青〇部分に注目して見てください)



よく見ていただくとお分かりになると思うのですが、左と右とで木目が連続してきれいに合わされています。
もちろん、これらは元々一本の木です。
それをわざわざ2回のこぎりで切って、ひと手間余分にかけて合わせないと、このようにはできません。
(美観を考えずに手っ取り早く仕事をしてしまおうとすれば、1回切れば済みます)

今回は特にこちらから
「こうしてほしい」
と言ったわけではありませんが、今回は何も言わなくても大工さんが気を利かせてやってくれました。
( ↑ このように言う時もあります。それはケースバイケース。
  なぜ言わないかって? いちいち全部指定していたら、
  コストがはるかにオーバーしてしまうからです)



こういうところに大工さんのセンスが出ますね。

何も言わないうちにひと手間省いて木目を合わせずに仕上げてしまっても、それはそれで間違った仕事ではありません。

現場で見て
「おっ、やってくれるねぇ~、うれしいなぁ。」
と感じたので、みなさんにもご紹介してみました。

藤井さん(←大工さん)、どうもありがとうございました。
感謝。

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静岡県の天竜杉

先週、静岡県浜松市水窪町というところへ木を見に行ってきました。
水窪町は天竜杉(てんりゅうすぎ)の産地です。
そして、日本でもっとも大規模に新月伐採に取り組んでいる地域の一つです。

天竜杉の実物を(1本2本というちゃちな量ではなく大量に)見るのは、実は僕にとって今回が初めてでした。
僕自身、静岡県産の人間(?)であるにも関わらず、全国的に名前が知られた天竜杉は今まで使ったことがなかったので、その魅力がどこにあるのか、そして天竜では新月伐採にどのように取り組まれているのかを勉強しに行きました
↑こういうと聞こえはいいですが、正直偵察・情報収集ですね(苦笑)。

ちなみに、関西地方では構造材に天竜杉を用いるのはあまり一般的ではないように感じます。
これは単に天竜杉の販売促進上の問題でしょう。

今回は、伐採現場と製材所、および貯木場などを見せていただきました。
初めて見た天竜杉の感想は?というと・・・。

良いです。
すごくいい材料ですねぇ~。
正直、あそこまでいい材料だとは思っていなかったのでびっくりしました。

まず、赤身の色が素晴らしい。

奈良県吉野産の杉も、赤身の色が大変美しいことで知られていますが、天竜杉は吉野杉の赤より少し黄色味を帯びた感じのとても美しい赤身でした。

そして、年輪の間隔がとても詰まっています。
吉野産の杉と比べても、全く遜色ありません。
静岡県産材、おそるべしです。

天竜では、新月伐採材を徹底的にデータ管理しています。
上の写真を拡大して見てもらえればお分かりかと思いますが、一本一本全ての木の木口にバーコードのラベルをステープルで貼り付けて、

〇 材料固有の管理№(←一本ずつ全て異なる)
〇 伐採した年月日・時刻
〇 伐採した地球上の位置(緯度・経度)
〇 伐採時のおよその樹齢

などを記録として残しています。
そしてこのデータ作成のために、新月伐採時にはNPO新月の木国際協会の現認者の方に立ち会っていただいて認証を受けるというシステムです。

いや~素晴らしい。
恐れ入りました。
このことを教えてもらって、帰ってきてからすぐに僕も新月の木国際協会に入会しました。

天竜のみなさんに、僕自身も新月伐採&葉枯らし材での家作りに取り組んでいること(←現時点ではまだ試験段階ですが)、静岡市内で林業家と一緒にやっていて、それを主に関西で使おうとしていることをお話したところ、
「みんなで一緒に新月伐採を広げていきましょう!」
と快く全ての質問に答えていただきました。

天竜のみなさん、本当に勉強になりました。
どうもありがとうございました。
日帰りで早朝からみんなで(←総勢5名)静岡まで行った甲斐がありました。

新月伐採はまだ研究開発の途上で、正直よくわかっていない側面もたくさんあります。
ただ、伐採時期・葉枯らし乾燥期間などの違いによって、腐りにくい・虫に食われにくい材料になるらしい、ということは実証されています。

上の写真はそのことをさらに詳しく調べるべく、天竜の材木商・榊原商店さんが伐採日を細かく変えて杭を作り、昨年から地中に埋めている試験体です。

来年あたりにこれらの杭を引き上げてみて、伐採日と月の満ち欠けの関係・虫害や腐朽の具合などを細かく報告して下さるそうです。
今から楽しみです。

【お知らせ】
9/15(土)、16(日)の2日間、神戸市北区で
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(9/7 現在のお申込状況:合計20名)。

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