月別アーカイブ: 2005年4月

セルフビルドとコストダウンについて~その1

今、あるクライアントさんと一緒になって、築40年の家のリフォームを計画中です。
この現場は、コスト面での条件が厳しい中でのリフォームになるのですが、ここでちょっとコストダウンの基本的な考え方についてご紹介します。

最近、セルフビルドという考え方が徐々に一般的になりつつあります。
できることは自分でやろう!ということから、人件費削減の手法としてセルフビルドをやりたい、と考えられる方は多いように感じますが、はっきり申し上げてセルフビルドによるコストダウンは思ったほど効果が出ません
建築費用の5~10%しか下げられない、というのが実情です。
(なぜこんなことを申し上げられるかというと、僕は六甲山麓の家という現場で、クライアントと一緒になってセルフビルドで新築の家を1軒作った実績があるからです)
しかし、セルフビルドを行うメリットは実はコストダウンだけではありません。
建物に建築主の熱~い思い入れを込めることができるというのが、もう一つの大きなメリットです。
(↑これがあるから、僕はセルフビルドをやりたい!という方のサポートを積極的に行っているのですが)

じゃあ、どうやったらコストダウンできるのでしょうか?
新築の場合にはちょっと話が違いますが、中古物件のリフォームという場合のコストダウンの基本的な手法についてお話したいと思います。

(次回 セルフビルドとコストダウンについて~その2に続く)

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植林と自然林

 

今はちょうど新緑がきれいですね。
少し北のほうへ行くと、山桜などもまだちらほらと見かけられて、ふわふわとした白い影が山腹に浮かんでいるように見えてきれいです。
若葉が出てきているケヤキやもみじをはじめ、紫色の藤の花も彩りを添えてくれています。

4/24の日曜日に、リフォームを計画されているお客さんを案内して、但馬地方へ行ってきました。
信号待ちをしていると、ふと目の前に見えてきた山がとても印象的だったので、思わずデジカメを取り出してパチリ(上の写真)。
濃い緑色の部分が、人工的に植林された杉やヒノキなどの植生部分。
淡い緑色の部分が、おそらく以前から残っている自然林(おもに落葉樹)の植生範囲です。
見た目にもやはり自然林のほうが季節を感じられて美しい、というのもありますが、実は山の動物たちにとっても死活問題、そして山裾に暮らす人間にとっても大きな問題をはらんでいます。

近年、いのししや鹿、猿などの野生動物による、農林作物や人家への被害が増えています。

植林された林では建築用材として使われる針葉樹だけが植えられています。
もともとはどんぐりや木の実などを森に落としていた、様々な広葉樹が山に植生していたのですが、人間の経済活動のためにそれらは伐採され、針葉樹に植え替えられていきました。
すると野生動物たちの食べ物はなくなり、彼らも食べ物を求めて山裾の人家まで下りてくるようになります。
そして民家にお住まいの方々が被害を受ける。
一方で、高度経済成長期に経済的な発展のために着手した林業が、近年の国産木材価格の下落によって成り立たなくなり、山を手放したり、廃業に追い込まれている林業家の方が増えています。
こうして、一部の人が入らなくなった山は下草が伸び放題となり、荒れていきます。
なんとも皮肉な循環(?)が発生しているわけです。

しかし、最近では様々な研究や活動がすすんでいることも耳にします。
自立した生態系を保全するために、わざわざ山の上の方に落葉樹のグリーンベルトを作って動物たちが山里へ下りてこないようにしたり、景観や里山保全の目的で近くの山をボランティアの手で管理したりといった活動も各地で行われるようになってきました。
僕も昨年、里山保全活動にちょっとだけ参加して主催者の方にお話を伺ったことがありますが、とても大変な作業です。

この時期、車や電車の窓から見える美しい山々を見ては、そんなことをつらつらと考えてしまいます。

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ご心配いただき、どうもありがとうございました

昨日のJR事故、大変でしたね。

自分も伊丹在住で、よくあの線を利用しているだけに他人事とは思えず、昨日はテレビにかじりついていました。

被害に遭われた方、およびご家族をはじめ関係者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

 

昨日、数人の友人から

「大丈夫か?電車乗ってなかったか?」

という電話をいただきました。

ご心配いただき、どうもありがとうございました。

おかげさまで、相変わらず元気にやっておりますのでご安心下さい。

北海道から大工さんが来ました(その2)~かやぶきの里・美山町


<前回の記事の続きです>
北海道から研修旅行にやってきた若手大工さん3人を、かやぶきの里として全国的に有名な、京都府の美山町に案内しました。
美山町でも北地区という、特に景観が優れているところです。
(なぜか僕は何度美山に行っても、毎回雨なのですが・・・)

彼らは口々に
「いいなぁ、ココ。北海道へ帰りたくなくなってきましたよ。」
と言っていました。

北地区の中では、電信柱が立っていません。
昔ながらのまちなみが残る集落や町としての指定を受けた、伝統的建造物群保存地区というものが全国各地に存在します
そしてこれらの多くでは、景観を乱す要素であるとして、送電線は地中に埋設され、電柱がありません。
こういう風に町の中に電柱が無い所へ行っても、言われるまでは電柱が無いことにあまり気付かないのですが、このような地区の中にいると空が広くなったように感じられ、なんとなくすっきり視界が開けるような印象を受けます。
本当は、日本全国から送電線が無くなると、もっと美しい国になるのですが、コストの関係でなかなかそれは難しいでしょう。

美山町・北地区の中で、かやぶきの葺き替え作業中の現場がありました。
(上の写真がそれです)
現代の建築現場では、一般に外部足場の材料には鉄の管で構成された銀色の足場材を用いるのですが、美山の伝建地区内での工事だから景観に配慮したのでしょうか?
足場には、昔ながらの足場丸太(←木の丸太)が使われていました。

以前、日本民家再生リサイクル協会・近畿地区主催で、美山町のかやぶき職人さんをお招きしてかやぶき屋根についての講座を行った時に教えていただいたのですが、かやぶき屋根は実は一つの屋根に、3種類の材料を使い分けて(=3層にして)葺かれているそうです。
美しい屋根の中にも、長い伝統の中で培われた職人さんの叡智が込められていることをその時に学びました。

なお、現在上記日本民家再生リサイクル協会・近畿地区では、民家について1年かけて学ぶ連続講座、きんき民家塾 第4期生を募集中です。
興味のある方はホームページをのぞいてみてください。

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北海道から大工さんが来ました(その1)~京都・北山杉磨き丸太の現場

北山杉

 

 

 

 

 

 

 

 
昨日、北海道の大工さん3人が京都の建物を観て勉強する、という研修旅行に来ていたので、一日ご案内していました。彼らは、僕が理事をつとめているNPO法人・日本民家再生リサイクル協会の北海道在住会員である、武部建設の若手大工さん。
武部建設は民家の少ない北海道で、民家再生や古材の再利用に積極的に取り組んでいる、貴重な会社です。
そこの若手大工さんに、
「京都の建物がどんなものか自分の目で見て学んで来い!」
という社長の心意気により、今回の研修旅行が実現したのです。

いろんなところを駆け足で回ったのですが、その道中、京都の周山(しゅうざん)街道沿いに、北山杉磨き丸太を作っているところがありましたので、彼らと一緒に見学してきました。

北山杉-2

 

 

 

 

 

 

 

 
北山杉の磨き丸太は、ちょうど冬の寒い時期に作られます。
まず、
1. 秋に杉の伐採を行い、木の中に含まれる水分を抜くために1ヶ月余り山の斜面に倒したままにしておきます。
2. 次に水分が抜けた杉の木を山から降ろしてきて、
3. 荒皮(ゴツゴツした樹皮)をむき、
4. その後うす皮(荒皮の下にあるヌルヌルした薄い皮)をきれいに取り除き、
5. 最後に水と砂を使ってていねいに人の手で磨かれて仕上げられます。
これ(特に5.)を冬の寒~い時期に、外でやるのですから、大変つらい作業です。
こうして美しい磨き丸太が作られます。

北海道の家づくりと関西の家づくりでは、やはりまず使われる木材(樹種)が違います。
関西では建築資材として主に、杉・ヒノキ・松などが使われますが、
彼らの話を聞いたところでは、北海道ではエゾ松・ナラ・唐松・ヒバなどが多いそうです。
やはり木材を見つめる彼らの目はものすごく真剣で、とても真摯な姿勢を感じましたし、同じ木造建築であっても地方によって異なる大工仕事の事情(材料・工法等)の意見交換ができたのは、僕にとって大きな収穫でした。

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京都の塩ラーメンと店主の心配り

僕は京都へ散髪に行くと必ず立ち寄るラーメ
ン屋さんがあります。
塩ラーメン専門店(←ここが泣かせる!)
で、海鮮材料でとったスープがメチャメチャ
うまいんです。
チャーシューもうまいし、麺も僕が好きな太い
縮れ麺だし、もう最高です。
食べるたびにとろけてます。
実は昨日も京都へ行ったので寄ってきた
のですが、昨日食べると、いつもとちょっと
だけ味が違ってさらにうまくなったように感
じたんです。
昨日は仕事で徹夜明けだったので、体のコンディションでそう感じるのかなぁと思いつつも、なぜかいつもよりおいしく感じる、ということを店主にお伝えしたところ、
「実はね、今日は暑いので、使う油をいつもとは変えてすこし軽めのものにしているんですよ」
とのことでした。こういう細やかな心配りがうれしいですね。
さらにファンになってしまいました。
新宿めんや 風花(ふうか) ← 京都にあるのに、なぜか”新宿”?
住所:京都市下京区高辻通(たかつじどおり)東洞院(ひがしのとういん)東入ル

もうすぐ新茶の季節ですね

日経新聞にお茶のコラムが載っていて読ん
だのですが、世界緑茶協会という団体が
あるようです。
本部は、お茶どころ静岡(←ぼくのふるさと)
です。
もうすぐ新茶の季節ですね。
お茶にも、玉露、煎茶、ほうじ茶、番茶など
いろいろありますが、僕はやはり煎茶が
一番好きです。
(中国茶にも興味を惹かれていますが、あちらは奥が深くて、はまった
ら出てこられなくなりそうです)
関西に住むようになってからは、訪問先などで玉露を飲ませていた
だく機会が増えました。
あのまったりとした感じも確かにおいしいとは思うのですが、どうも
今ひとつなじめませんねぇ・・・。
僕はぬるい温度でゆっくり淹れた煎茶や、水出し煎茶がとっても
大好きです。
お茶は、淹れるお湯の温度によって溶け出す成分が変わってくる
んだそうです。
温度が高いと渋みが出やすくなり、温度が低いと甘味が出やすく
なるんだとか。
だから番茶は熱いお湯で、玉露や煎茶などは少し冷ましたお湯で
淹れるのがそれぞれに合った淹れ方なんだと教わった覚えがあり
ます。
同じお茶の葉を使っても、淹れる水によって全然味が違います。
僕がいつも飲んでいるお茶は、静岡の山奥で僕の叔父が丹精込
めて作っているとてもおいしいお茶なのですが、これを静岡の水で
淹れるともうメチャメチャうまいのです。
僕の住んでいる伊丹では、どうしてもあの味が出せないのが残念
ですが、逆に言うとこれが静岡へ行く楽しみの一つだったりもしま
す。