奈良県で工事中の、石場建て伝統構法新築住宅・H様邸。
夏前に塗り付けた土壁が乾いたので、サッシを取り付けています。
構造材に巻いていた養生紙も順次めくっていって、木材の表情も見えてきました。
屋根には、ゆるくむくりをつけています。
リビング吹き抜けの梁。
あまり重層させずに、あっさりした木組みにしています。
通し柱を貫通する、胴差の長ホゾ+鼻栓
年内には内部の造作工事を一区切りつけて、中塗りまで仕上げます。
そこから3か月寝かせて壁を乾燥させ、最終の仕上げを行う予定です。

奈良県葛城市で石場建て伝統構法住宅の基礎工事が始まりました。
今回の物件はもちろん建築確認申請手続きを経ていますが、
構造計算および構造適合性判定関連の手続き一切を、
建築主である H さまがご自身でおやりになられました。
H さまは一級建築士であり、構造設計のご専門の方なのです(!)
基礎工事のコンクリート配合設計や、工程管理など、構造の専門家の方から
木造の建物のご依頼を頂くのはすごく光栄ですし、身の引き締まる思いです。
構造適合性判定の手続きも、構造専門の方が手がけられるとこうなるのか・・・
と勉強になることしきり。
下の写真は現場の様子。
表層改良という地盤改良工事が完了し、強度が出るまで7日間養生しているところです。
上棟は3月上旬の予定。
また順次ご報告しますのでどうぞお楽しみに。
11/16(日)に金剛山へ行ってきました。
お天気も良くて、ちらほらと紅葉も進んでいて、なかなか良い景色・・・
と言っても目的は登山とかではなく、出材してきた桧の原木を見るためです。
下の写真は、ヘリコプターで出材されてきた桧の山。
今回(というかいつも)原木をお願いしているのは、福本林業の福本さん。
いつも東風で使う木を伐って下さっています。
福本さんは、最近、林業関係のこちらの本の冒頭記事で採り上げられたようで、東風でも早速アマゾンへ発注しました♪
金剛山から出てくる桧を買うのは初めてですが、いい桧でした。
年輪を数えてみたところ、95年生といったところ。
今回福本さんにお願いしたのは、3種類の木です。
一つは土台・大引などの床下の構造材に使う、まっすぐな木。約60本。
もう一つは吹抜けの小屋梁に使う曲がった桧。8本。
最後にカウンターなどの幅広板材として使うための太い原木。2本。
降雪が少ない近畿地方の山では、あまり曲がった木は出てきません。
今回は長さ8mの間で200mm程度曲がった木が欲しかったのですが、なかなかそれだけ曲がっている木でそこそこ太いものは無くて、150mm程度の曲がりが精いっぱいというところでした。
上の写真は曲がっている木を選び出してくださったところです。
長さは9m~12mありますが、これを8.5mに玉切りしてから出材します。
こうやって見ると結構曲がっているように見えるんですが、端から端まで糸を張って、曲がり具合を測ってみると、思っているほど曲がっていないんですよね。
東風では全体的に端正な雰囲気の建物に仕上げるので、吹抜けに松はほとんど使いません。
強く曲がった梁が欲しい場合は松を使った方が探しやすいのですが、やはり桧やヒバの方が仕上げた時の木肌のきめが細かくて端正な表情になるのと、乾燥も早くて材料も調達しやすいこともあり、吹抜けの曲がった梁にはいつも桧を使います。
この木も来年着工する奈良県内の現場の吹抜けに使います。
とりあえずは一旦、吉野にある東風の土場へ搬入し、そこで荒削りしてから加工場へ持ち込む予定です。
9/29(月)に、奈良県葛城市内で地盤調査を行いました。
来年手刻みで新築住宅を建てる予定のH様邸計画地です。
通常、東風では地盤調査の場合、スウェーデン式サウンディングというやり方で地盤調査を行うのですが、今回は施主であるH様のご要望により、上記サウンディングと標準貫入試験(ボーリング)の両方を行いました。
スウェーデン式サウンディングにより、敷地内5ポイントの地盤調査を行い、
標準貫入試験により、敷地内1か所の地盤調査を行いました。
両方ともに地盤調査であることには変わりないのですが、それぞれの特徴を挙げると以下の通りです。
スウェーデン式サウンディング
【メリット】 調査価格が安い/5か所を調べて数万円
【デメリット】 土質サンプルの採取ができないので、土質の構成がわからない。
標準貫入試験(ボーリング)
【メリット】 土質サンプルの採取ができるので、地中の土質構成がはっきりわかる
【デメリット】 スウェーデン式サウンディングに比べて価格が高い/1か所あたり10数万円
一般的に、木造住宅のような自重の軽い建物の場合は、地盤調査の方法として簡易で手軽なスウェーデン式サウンディングを用いることがほとんどです。
一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合は、建物の自重が重く、より詳細なデータが求められることから、標準貫入試験(ボーリング)を用います。
今回は木造住宅の新築なのですが、より正確に土質の構成や地耐力を調べたい、という趣旨で、サウンディングとボーリングを併用したというわけです。
↑ スウェーデン式サウンディングの作業中の写真。
自走式の機械を用いて、通常は1人で調査作業を行います。
↑ 標準貫入試験の作業中の様子。
現場にやぐらを組んで、現場内にトラックを乗り入れて
エンジン式の調査機械をユニックで降ろし、通常は2人以上で作業を行います。
以下の写真は、ボーリングにより地下7mの地層から採取した土質サンプルの写真です。
あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2214年に言ってもらえる家