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大阪府堺市石場建て伝統構法の長屋門を上棟/数寄屋、手刻み、和風モダン

2015/4/16(木)に大阪府堺市にて、伝統構法・石場建て長屋門の建て方作業を行いました。

東風で天然乾燥させていた杉・ヒノキの赤身を使い、ベテランの棟梁が丁寧に墨付け・刻みを行った建物です。

もともとここには、築後100年を経過したほぼ同じ面積の長屋門が建っていたのですが、材料の傷みがひどくなってきたので残すことをあきらめ、新築することになりました。

門ですから規模は小さいのですが、仕上がってしまえば見えなくなるところにも細やかな気配りが施された仕事になりました。

今年の3月後半から4月上旬にかけては、本当に雨の日が多くて、基礎工事も建て方作業も大幅に遅れてしまいましたが、この日はとっても暖かくていい天気に恵まれました。

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すばらしい木工事を手がけてくださったのは、奈良県在住の大工・藪中日出夫さんと上田春巳さん。

建て方のこの日は、若手の大工さん3人にも加勢してもらって合計5人の大工で作業を行いました。
構造材の緊結に一切金物を使っていない伝統構法なので、柱・梁・桁・鴨居などを組むときにはあっちこっちで支えながら、滑り込ませたり叩いたり木製の栓(せん)を打ち込んだりしなくてはなりません。

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この長屋門は4月いっぱいで屋根の瓦工事が完了し、5月に入ってから竹小舞下地+荒壁塗りつけ作業を行います。

目下、敷地内では2月に仕込んだ壁土が熟成中。
もともとここに建っていた古い長屋門の壁土も半分ほど混ぜ合わせ、わらスサと水を加えて時々練り返し作業を行っています。

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世界に、300年先も美しい風景を

今年伐採×製材した葉枯らし材を、ストックヤードに搬入しました

昨日は朝から奈良県吉野町にある東風のストックヤード(土場)へ行って、今年伐採×製材を行った材料の受け入れをしてきました。

今年は柱材だけを挽きました。
梁・桁材はこれまでにストックした材料があるのですが、柱は毎年あっという間になくなっていくものですから、少し大目に挽いたのです。

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↑ 運送屋さんにお願いして、奈良県桜井市の製材所から東風の土場まで運んでもらました。

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↑ この山は今年挽いた木の中でも一番良いものだけを集めた材料です。
杉の赤身の部分だけをつかった柱材で、割れ止めを塗布しています。
来年の現場に使う予定で、これから自然乾燥させます。

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↑ これは4本だけ挽いた杉の通し柱。
全く節のない、とてもきれいな材料が採れました。

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これまでにストックしていた材料と合わせると、結構な量になってきました。
さぁ、これからこの子たちはどのお宅に嫁入りしていくのでしょうか。
楽しみです。

木造建築東風の木材への取組や考え方については
以下のページで詳しく紹介しています
→ http://www.mokuzo-architect.jp/timber.html

 
東風の伝統構法サイト   →  http://www.mokuzo-architect.jp/
東風の古民家再生サイト →  http://mokuzo-renovation.com/
 

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葉枯らし中の吉野杉、もうすぐ山から搬出します

雨の降る中、7/4(金)に奈良県吉野の山へ行ってきました。

今年の1月に伐採し、今まで約半年間葉枯らししている吉野杉を今月中旬に山から搬出するのですが、その選木作業についての打合せを林業家の福本さんとするためです。

今回搬出するのは、60年生くらいのわりと細い木と、120年生の大径木です。
細い木は3.5寸~4寸角の芯持ち柱用材としてつかうもの。
120年生の大径木は、芯去りの柱用材として使うものです。

以下の3枚は、若い方の木が生えている山。
実際に2本ほど玉切りしてもらって、赤身の大きさや末口、年輪の様子などを確認していきます。

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下の2枚の写真は、120年生の杉を伐採した場所です。
上の60年生の斜面とは別の場所です。

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当日は雨が降っていたので木口の写真が不明瞭なのですが、吉野の中でもこのあたりの木は非常によく手入れがなされていることで地元では有名な地域で、すばらしい目合いの杉です。

この木は今月出材して、7寸巾の少しどっしりとした赤身の門柱として使うのですが、もう今から製材するのが楽しみで楽しみで仕方ありません♪

製材の様子は、またこのブログで報告させて頂きます。

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奈良県吉野にて 墨付け&刻み中

5月の上棟に向け、吉野で大工さんが墨付けと刻みに取り組んでくれています。

先週末に加工場へ行ったところ、リビングに架かる丸太梁の荒削りが済んでいました。

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東風では化粧丸太梁に桧をよく使い、八角に造り出して最終手鉋仕上げを施し、端正に仕上げます。

丸太梁は一般的にもっと荒々しい雰囲気で使うことが多いのですが、丸太梁も仕上げ方や姿、素材の質感を変えることで表情は全然違ったものになります。

今回は床からかなり低めの高さ(手を伸ばせば届くくらいの高さ)から、ゆるやかに登って
いくようにこの梁を架けます。

端正で控えめな表情の梁が、ぐっと迫ってくるような雰囲気になる設計です。

また現場が出来上がってきたらご報告しますね。
夏ごろになる見込みですが、どうぞお楽しみに。

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仕口加工が進んでいるのは、1階床の足固めです。
樹種は桧、断面寸法は4寸×7寸(120mm × 210mm)。

今回ご紹介した材料は、もちろん東風でゆっくり天然乾燥させた国産材です。

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吉野のストックヤードでこれから1年天然乾燥させます

先週末から昨日にかけて、数回奈良県吉野へ行ってきました。

伐採・製材した木材を乾かしておくストックヤードに、木材を搬入するためです。
台風の影響で雨が続き、なかなか予定も立てられなかったのですが、運送屋さんや大工さんの想定外のスケジュールに助けられて(苦笑)、昨日ようやく搬入した材料に屋根がかかりました。

 

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まだとりあえず一旦搬入が終わっただけの状態ですが、これから部材の仕分けをしたり割れ止めを塗ったりする作業が残っています。
焦らずボチボチ進めていく予定です。

 

これらの材料のうちの構造材(柱・梁)はこれから来年の夏まではここに置いたままでゆっくり乾燥させます。

この秋~来年にかけて着工する予定の物件がいくつかあるのですが、それらは昨年から乾燥させている木材がほぼ同じ量の木材を兵庫県三田市内に寝かせてあるので、そちらから使います。

まだ製材してからそんなに間がないので、近寄ると杉の香りがプンプンしています。

 

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京都市N様邸竣工写真-1/伝統構法石場建て住宅

京都市N邸では土壁もほとんど乾き、木製建具も入ってようやく建物は完成の姿になりました。

土日の2日間で作業の合間に竣工写真を撮ってきましたので、そのうちの何枚かをご紹介します。
※全ての画像はクリックすると拡大表示できます。

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外観はこんな感じです。

外構がまだ一部仕上っていないので、足元をカットしているアングルで撮りました。

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上の写真は玄関まわりです。玄関の建具は京都らしいシンプルな格子戸にしています。

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この写真(↑)は南側の外観を横から撮ったカットです。

屋根には樋をつけていないので、造園を担当して下さった宮川庭園の宮川さんが古瓦を使って雨落ちを作ってくれました。

砂利が敷き詰められているところは、巾 60 cm × 深さ 30 cm ほどの排水溝になっていて、屋根からここに落ちた雨水は砂利の間を縫って公共下水に排水されるようになっています。

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上の写真はリビング南面の窓を通じて、照明で照らされた内部の木組みを外から撮ったカットです。

昼間は外の方が明るいので、外からはガラスに反射して室内の木組みは全く見えませんが、夜になって室内の方が明るくなると、吹き抜けの木組みが外から丸見えになって、建物の表情が一変します。

設計した本人が言うのも何ですが、毎日この景色を見ながら家に帰ってくることができるのは、とっても羨ましいなぁ・・・と思います。

明日は内観の写真をご紹介しますのでお楽しみに。

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夜景/天然乾燥・葉枯らし材でつくる伝統構法の家@京都市

一昨日の夜、京都市N邸でNさんご夫妻と外構の打合せをしている時に、夜の建物をまじまじと見る機会がありました。

奥様から
「さとうさん、階段めっちゃきれいですね」
と言われてふと思いつきました。

見学会の時に夜景を見てもらうのも良いのでは? と。

 

実は東風でつくる建物の多くは、夜に外から見ると建物の中の木組みが間接照明に照らし出されて、昼間とは表情が全く逆転してなかなかいい感じになるのです。

今回のNさん宅の夜景写真はまだ撮っていないのですが、東風のホームページでは神戸のSさん宅の夜景写真を掲載しています。

参考までにご紹介しますと、昼間はこんな感じですが、夜になるとこうなります
ねっ?表情が一変するでしょう?

 

ご多分に漏れず、Nさんのお宅も夜景がとっても魅力的です。

ということで、見学会の開催時間を下記の通り少し延長しました。
【終了時刻両日共に 18:00→20:00に延長】

もちろん、昼も来て、夜も来る、というのも大歓迎です(笑)。

 

本日は階段の夜景写真のみご紹介します。
(三脚・ストロボを使わずに撮ったので、若干ブレてますがご容赦下さい)

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このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

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屋根のスカイライン/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

昨日はとても暖かい日でしたね。

どうやら花粉がたくさん飛んでいたようで、くしゃみや鼻水がひどくなりました。
これからしばらくは悩まされそうです。

青空には瓦と漆喰の組合せが映えます。

軒先に雨樋が無いので、屋根の一文字瓦のラインがすっきりきれいに見えました。

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京都市N邸にて

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
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玄関の格子戸/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

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昨日、京都市N邸の木製建具吊込み作業を行いました。
上の写真は夕方に撮った、玄関の片引き格子戸の写真です。
靴脱ぎ石も座り、養生されて見えなかった式台も姿を現わし、土間も仕上げてきたので、一気に玄関らしくなってきました。
(↑ このあたりの写真はまた後日)

と思いきや、現場はまだ土壁が乾いていないので、木製建具がすぐ狂ってしまう状況です。
よって、全ての建具は一旦建具屋さんが持ち帰って預かってくれています。
(当然、この写真の建具も持ち帰りです)

この家ももう少しで完成です。

このお宅の家づくりの全容は木造建築 東風(こち)の以下のページでご覧になって頂けます
→ http://www.mokuzo-architect.jp/works_kyoto1.html

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古い石を使いましょう/天然乾燥材でつくる伝統構法の家@京都市

古材の再利用、と言えば古民家の黒く煤けた梁や柱などを思い浮かべると思うのですが、石も忘れてはいけないものです。

石は木に比べると、目に見えて古びたような感じは出にくいものですが、それでもやはり新しく切り出してきた石と使い古された石とを比べると、表情が全く違います。

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上の写真は京都市N邸の玄関に据える予定の靴脱石で、以前Nさんのお宅の敷地内に建っていた家で使われていた古い白御影石で、表面は叩いて仕上げられています。
写真ではよくわからないと思うのですが、長年のうちに角張ったところが無くなって丸みを帯び、色もこなれてとても柔らかい雰囲気になっています。

きっとこれが玄関土間に座ったら、いい感じになると思いますよ。

錆御影や鉄平石など、鉄分を含有しているために錆が出てくる種類の石などは、古びているととてもいい表情になってきます。

大きな石はとても重いので、運ぶ時にワイヤーを使ったりすることで傷がついて、表情を損ねてしまうことがあるのですが、古い石が座るとドシッとして落ち着いた雰囲気になりますね。

あなたのお宅にも、庭に埋もれた古い石があったら、積極的に使ってみられてはいかがですか?

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